2023年シーズン前半戦を終え、ホンダはコンストラクターズランキングで4番手、チームランキングでは、LCRホンダが8番手。そしてレプソル・ホンダ・チームは、最下位の11番手という位置にいる。

 プーチ氏が「最近直面している問題は、一朝一夕で変えられるとは思えません。私たちが直年している問題は、今年だけではなく、過去数年にわたってあったもの、というのが実際のところです。まだ明確な解決策を見つけられていない、ということははっきりしています。努力をしていないわけではありませんが、解決には至っていません」と述べていることから、おそらくはホンダとしても2023年シーズン中に劇的な状況改善は難しいと考えているのだろう。

「過去を振り返ると、2020年にコロナがあり、マルクの怪我がありました。そこから坂を転がり落ちていきました」と、プーチ氏はこの状況を招いたターニングポイントについて振り返る。元をたどればいきつくのは2020年だったが、もちろん問題はシンプルではない。

「マルクの状況は、ライダーの怪我という観点からとても複雑なものでした。しかし会社という観点では、エンジニアが日本とヨーロッパを行き来するのが大変だったのです。彼らはヨーロッパに滞在しなければならず、以前のようにバイクを開発できませんでした。多くの情報を交換できず、日本に戻ることもできなかったのです」

「ある日、コンマ2秒を失い、翌日にはコンマ4秒、その次に1秒……。現在の状況は、様々な問題が重なった結果なのです」

 ホンダが改善を重ねていくのは、いつになるのだろうか。

プーチ氏の説明は、ホンダがいかに混迷の状況にあるかを表している
プーチ氏の説明は、ホンダがいかに混迷の状況にあるかを表している

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