フランス / モンスターエナジー・ヤマハMotoGP /
ゼッケンNo. :20
◆出身:フランス
◆生年月日:1999年4月20日
ファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)は1999年生まれの20歳、フランス出身のライダーである。4歳のころにバイクに乗り始めたクアルタラロは、その後レーシングライダーとしてのキャリアを考え、スペインへ拠点を移す。そして9歳から12歳までにカタルーニャの小排気量カテゴリーのレースでいくつものタイトルを獲得した。
2013年にはスペイン選手権(現FIM CEVレプソルインターナショナル選手権)Moto3クラスに参戦。史上最年少の14歳でチャンピオンを獲得すると、翌2014年もタイトルを防衛した。
2015年にはロードレース世界選手権のMoto3クラスデビューを果たす。クアルタラロはシーズン開幕時点で15歳。レギュレーションに定められた最低年齢16歳という条件を満たしていなかったのだが、特例により16歳の誕生日を迎える前の開幕戦から参戦が認められた。いわゆる『鳴り物入り』での世界選手権デビューだったのだ。
Moto3クラスのルーキーイヤーは2度のポールポジションと2度の表彰台を獲得したが、負傷により5戦を欠場。ランキング10位に終わった。2016年シーズンはチームを移籍してマシンをKTMに乗り替え、ランキング13位。
2017年シーズンからはMoto2クラスにステップアップし、ランキングは13位で、翌2018年シーズンはチームを移籍。シャシーがカレックスからスピード・アップに変更となった。第7戦カタルーニャGPで世界選手権における自身初優勝を飾ると、続く第8戦オランダGPでも2位表彰台を獲得。ランキング10位でシーズンを終えた。
クアルタラロにとって世界選手権5シーズン目にあたる2019年シーズン、ペトロナス・ヤマハSRTから最高峰クラス昇格を果たす。ペトロナス・ヤマハSRT(セパン・レーシング・チーム)は2019年シーズンから新たにMotoGPクラスへ参戦をスタートさせた新規チーム。セパン・レーシング・チームはその名のとおりマレーシアのサーキット、セパン・インターナショナル・サーキットが所有するチームで、2015年からMoto3クラス、2017年からはMoto2クラスに参戦してきた。2019年、ついに最高峰クラスへの参戦をスタートさせたこのチームのライダーに、クアルタラロが抜てきされたのだ。
最高峰クラスのルーキーイヤーとなった2019年シーズン。クアルタラロは第4戦スペインGPでポールポジションを獲得した。このとき最高峰クラスにおける最年少ポールポジション獲得記録を更新している。ちなみにそれまでの記録保持者はマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)だった。
クアルタラロはシーズンをとおして、6度のポールポジションと7度の表彰台を獲得する活躍を見せたばかりか、王者マルク・マルケスと何度も接戦を演じた。クアルタラロはランキング5位、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得して2019年シーズンを締めくくった。
クアルタラロは2020年シーズン開幕前のセパン公式テストではファクトリー仕様のヤマハYZR-M1を走らせ、トップタイムを叩き出した。2020年シーズンは引き続きペトロナス・ヤマハSRTから参戦するが、すでに来季はヤマハのファクトリーチーム入りが決定している。一躍時の人になったのだ。
2019年シーズンはついに優勝を飾ることはできなかったが、M.マルケスはクアルタラロが2020年シーズンのチャンピオン争いに絡むだろうと言及している。クアルタラロは常に穏やかな笑みを浮かべているが、その内に秘める熱量はかなりのもの。覚醒した20歳の若武者、クアルタラロが2020年シーズンをどう戦っていくのか注目だ。
(TEXT:Eri Ito)
■MotoGP通算戦績
初戦:2019年カタールGP
初ポールポジション:2019年スペインGP
初ファステストラップ:2019年カタールGP
初表彰台:2019年カタルーニャGP
初勝利:2020年スペインGP
優勝:3
2位表彰台:5
3位表彰台:2
表彰台:10
ポールポジション:10
決勝ファステストラップ:4
ワ-ルドチャンピオン:0
■MotoGP:2020年シーズン戦績
出場:14回
優勝:3回
2位:0回
3位:0回
ポールポジション:4回
バイク:ヤマハ
獲得ポイント:127
ランキング:8位