2度のF1世界チャンピオンであるミカ・ハッキネンは、メルセデスのバルテリ・ボッタスがオーストラリアGPで見せた堂々たるパフォーマンスと、ファステストラップアワードを授賞した能力は、ボッタス自身にとって“精神的な励み”になるものだったと考えている。
オーストラリアGPの決勝レースでは、ボッタスは完璧な走りを見せてチームに88度目の優勝をもたらした。今回の優勝は、1勝もできず期待外れに終わった2018年シーズンを経て、以前ボッタスが示した力強さを回復させるうえで大きな勝利となった。
ハッキネンは、同郷のボッタスがチームメイトのルイス・ハミルトンから観衆の注目を奪ったほどの見事な戦いぶりに感銘を受けただけでなく、レース終盤にファステストラップ狙いの猛ダッシュをかけたボッタスの自信の強さにも圧倒されたという。
ハッキネンはレース観戦後、『Unibet』に寄稿したコラム記事で「バルテリはチームの無線で、エクストラポイントが欲しいとはっきり主張していた。新任レースエンジニアのリカルド・ムスコニは気楽にいったほうが良いと伝えたものの、彼はそのまま狙いにいった」と述べた。
「他のライバルたちもファステストラップを狙っていたが、実際に獲得したのはバルテリだった。これも今後の彼にとって精神的な励みになるだろう」
「レース終了後に彼が無線で発した言葉は、彼に対して否定的な評論家に向けたメッセージのようで小気味よかった」
「彼は自分に才能があることを知っている。そして2019年シーズンの始めに強力なスタートを切ろうと集中していた。そのために、評論家から彼に向けられていたネガティブなエネルギーを力強い考え方に転換させたのだ」
ハッキネンはボッタスがレース後に出したコメントに自身の経験を重ね合わせた。ボッタスは今回のレースを「楽勝だった」と感じ、また「心のどこかではアルバートパークを散策しているようだった」とも話している。