メルセデスのルイス・ハミルトンは、F1で退屈な内容のレースが続く現状について、責めを負うべきはドライバーではないとしたうえで、長年にわたりルール制定者たちによる誤った判断が繰り返されてきたことにその根本的な原因があると語った。
日曜日に行われたF1第8戦フランスGPの決勝は、覇気に欠ける退屈なレースだったとして、ファンからもメディアからも批判を浴びた。1コーナーをトップで通過したハミルトンは、その後二度と後ろを振り返ることなく、誰からの追撃も受けないままで優勝したからだ。
周回だけが重ねられ、ファイナルラップにおける劇的な戦いも見られず、また全体としても競り合いがほとんどない、良く言ってもつまらないレースだった。グランドスタンドの観客は退屈であくびをし、テレビで観戦していた人たちはソファでいびきをかいていたことだろう。
5度の世界チャンピオンであるハミルトンは、現在のF1が本質的にあまりにも退屈なものとなってしまっていることを認めたうえで、その単調さはドライバーが責められるべきものではなく、スポーツの経営構造を根本的に見直すことでしか変わらないと語った。
「ドライバーたちを責めないでほしい。規則を作るのは僕たちではないのだからね」とハミルトンは語った。
「資金の流れだとか、そうしたもろもろのことに、僕たちは一切関わっていない。F1のトップにいる人たちにもっとプレッシャーをかけるべきだ」
「これは、F1で長年にわたって、それこそ僕が加わるよりも前から絶えず続いている流れだ。バーニー(・エクレストン、元F1最高権威者)が作り上げた方法と、そこから現在に至るまで続く数々の意志決定が原因なんだ」
「そうした経営構造が変わらないかぎり、同じ状況が続くと僕は思う。そして、僕の仕事はそこを変えることではなく、ドライバーとしてベストを尽くすことだ」