予想以上の降雨に見舞われた、F1第12戦ハンガリーGP初日。しかし、レッドブル・ホンダはその間隙を縫って、ピエール・ガスリーがトップタイム、マックス・フェルスタッペンも0.141秒差で2番手と、幸先のいいスタートを切った。
一方のトロロッソ・ホンダは、ダニール・クビアトこそ10番手に付けたものの、アレクサンダー・アルボンは午後のFP2序盤でクラッシュを喫し、セッションをほとんど棒に振ってしまった。マシンセッティング自体も、レッドブルほどは決まっていないようだ。そんな明暗の分かれた両チームだが、ホンダ側の準備は順調に進んだと田辺豊治テクニカルディレクターは語っていた。
――朝から雨が降ったり止んだりのコンディションでした。
田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):どこかで雨が降るという話は出ていたんですが、ここまでウエットになったのは少し予想外でした。ただその中でもしっかりドライコンディションで走れましたし、同時にウエットでも十分周回できました。二日目も雨かもしれないですが、どちらでも対応できるかと。
――レッドブルの2台は最初から、比較的クルマが決まっていた印象です。風のせいで、フェルスタッペンがスピンを喫したりはしましたが。一方のトロロッソは、やや手こずっていたようです。
田辺TD:いつも聞くような、ドライバーのコメントでした。これからじっくり、クルマの方向性を正して行くことになると思います。
――フェルスタッペンはドライバビリティに関しても、「問題なかった。よかった」と、言っていました。
田辺TD:ガスリーも含め、2台とも大きな問題は出なかったです。低速コーナーでの立ち上がりが、このサーキットでは重要になる。雨の場合はいっそう重要になりますが、ベースラインとしてはいいところからスタートできたと思います。ドライバビリティだけでなく、エネルギーマネージメントに関しても、ドライ、ウエット双方で対応できると思います。その先行確認が、今日できました。
――前戦ドイツまでに出ていたラグの問題も、今日の走行で対策が確認できましたか?
田辺TD:ええ。もし明日の予選がドライになったら、今日とはずいぶん路面コンディションが変わりますから、改めて確認する必要があります。しかし今日の段階では、チューニングは進んでいます。大丈夫でした。
――ドライバーの運転の仕方で、ラグの出方も変わってくるのでしょうか?
田辺TD:そうですね。スロットルの開け方、その時の回転数によって、症状は変わりますから、それぞれに対応させないといけません。