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F1 ニュース

投稿日: 2019.10.11 14:40
更新日: 2019.10.11 19:23

【トロロッソ山本尚貴】ついにF1初ドライブ「尋常じゃないパワー。これを言葉にするのは難しい」改めて見えた山本らしさとスタイル

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F1 | 【トロロッソ山本尚貴】ついにF1初ドライブ「尋常じゃないパワー。これを言葉にするのは難しい」改めて見えた山本らしさとスタイル

 F1日本GP鈴鹿の金曜最初の練習走行(FP1)で、日本人として2014年の小林可夢偉以来のF1マシンの走行を果たしたトロロッソ・ホンダの山本尚貴。30周を計測してリザルトは17番手ながら、チームメイトのダニール・クビアトは16番手でふたりの差はわずかコンマ1秒。走行直後の山本尚貴はたくさんの汗を流しながら、メディアの会見に応えたが、その第一声は感謝の言葉だった。

「終わった直後で、こんなに近くで多くのメディアの方が集まって頂いて圧倒されています(苦笑)。F1を実戦で経験していないなかで、できるだけの準備はしてきましたけど、自分の力と自分の準備が本当に十分なのかどうか、正直、不安なところがあったんですけど、本当にトロロッソ、ホンダのPU(パワーユニット)のSakuraのメンバーのみなさんが僕を助けてくれたので、大きなミスもなく走ることができました」

「ポジションは残念ながら下位に沈んでしまい、ダニールに比べても負けてはしまいましたけど、いいパフォーマンスをほんの少しだけ示すことができたので、それはこれまでの準備とみなさんが助けてくれたお陰だと思っています。F1マシンをドライブする最初の一歩を楽しむことができて、みなさんに感謝しています」

 超大型の台風19号による影響で、土曜日のセッションがすべてキャンセルになってしまった今年のF1日本GP鈴鹿。金曜の午後はウェットコンディションが予想され、予選、決勝を1DAYで行う日曜日は天候が急回復の予定でドライコンディションで行われる見込みとなっている。

 つまり、日曜日の予選前に走れるドライコンディションはこのFP1のセッションだけになる可能性が高い。その大事なドライのFP1でトロロッソがチームとしてのメニューを普通に山本尚貴に託していることが、まずはチームの山本への大きな信頼のひとつと言える。

「メニューは自分のF1マシンの習熟も兼ねての走行がありましたけど、もちろんチームが用意しているプログラムに沿って進めました。基本的な新しいエアロパーツや新しいトライはダニールが担当して、僕は本当にスタンダードなクルマで走りました」と、走行内容を話す山本。

 その山本とクビアトは、前半は山本がミディアムタイヤでクビアトはソフト、セッション後半は山本がソフトでクビアトはミディアムと、タイヤの選択を分けてそれぞれのメニューをこなした。

「その結果、何ができるかというと、新しいエアロセットのダニールと僕のベースセットのクルマの比較で、どこが改善されているかが示されることが僕の今回の一番の仕事だったので、そういう意味では5秒も10秒も遅いドライバーのデータはまったく当てにならないので、ドライバー的にはコンマ1秒負けてしまったんですけど、最終的に同じくらいのタイムで走ることができたというのは僕のデータを少し有効に使ってもらえるのかなと思っています。そういう意味でも、FP1の自分の仕事はまずまず、合格点を与えていいのかなとは思っています」

 初めてのF1マシンの実走の山本の率直な感想は、F1マシン&PUのパワーと、車体の軽さだった。

「尋常じゃないパワーですね。これを言葉にするのは難しい。ロケットに乗っているみたい、と言っても僕、ロケットに乗ったことないですけど(笑)。だけど本当にジェットエンジンを積んでいるみたいな」

「こんなパワーのなかでF1ドライバーはみんなレースをしているのかと思うと本当にF1ドライバーに対する尊敬の念が湧いてきましたし、このマシンをイチから作り上げたトロロッソ、そして最初はかなり苦労していたと思うんですけど、ここまで戦えるPUを作って、初めて乗ったドライバーでも扱いやすいPUを用意してくれたホンダの努力を改めて感じました」

 ベストタイムは、セッション後半にソフトタイヤを履いた山本が16周目、ソフトタイヤを装着してアウトラップの直後にマークした1分32秒018。クビアトは13周目、ソフトタイヤでマークした1分31秒920。クビアトのソフトタイヤの状況は今は定かではなく、燃料搭載量も不明で、クビアトは山本と異なる新しいエアロパッケージでの走行のため、正確なパフォーマンス差はチームしか把握はできない。

■F1日本GP鈴鹿、トロロッソ・ホンダでF1初ドライブを果たした山本尚貴に対する評価と山本らしさ


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