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F1 ニュース

投稿日: 2020.04.23 13:20
更新日: 2020.04.24 18:10

F1 Topic:経済停滞で各業界に大打撃。スポンサー契約の見直しも必要か/レース再開への課題(4)

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F1 | F1 Topic:経済停滞で各業界に大打撃。スポンサー契約の見直しも必要か/レース再開への課題(4)

 依然として、F1の再開がいつ、どこで行われるかは不透明な状況のままだ(4月20日時点)。

 4月20日の時点で、正式に延期または中止を発表していない最初のグランプリは6月下旬のフランスGP(当初、第10戦の予定)だが、4月13日にエマニュエル・マクロン大統領が3月17日から行っているロックダウンを5月11日まで延長することを発表。これに合わせて、大規模なイベントは7月半ばまでは開催を許可しない見通しとなっているからだ。

 フランスといえば、5月から6月にかけて大規模なスポーツが目白押しとなっているが、5月に開幕予定だったテニスの四大大会のひとつ全仏オープンは、すでに9月20日~10月4日へ延期されることが3月下旬に発表され、6月に開幕予定だった世界最大の自転車ロードレース、ツール・ド・フランスも8月29日~9月20日に延期すると4月15日に発表されている。

 このような状況を鑑み、F1関係者は現在7月にヨーロッパでシーズンを開始することを目指しており、再開後、最初のグランプリはオーストリアで無観客でのレース開催を行う方向で話し合いが進められているという。さらに、その後はイギリスで複数回のレースを行うことで、今シーズン中の再開の目処が立っていないグランプリの穴埋めを図るつもりのようだ。

 もし、新型コロナウイルス感染症が5月以降に収束に向かい、F1関係者の思惑どおり7月からレースが再開できたとしても、残された課題は少なくない。それはスポンサーとの関係だ。

 新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため、現在、世界中の多くの国々で都市封鎖や外出自粛が行われている。これにより、経済活動の停滞が世界規模で発生し、この状況が長引けば、各国で大規模な倒産や失業の増加が予想される。

 たとえば、観光客の減少によりホテルなどの観光業が大きなダメージを負っているが、メルセデスは昨年のカナダGPの際に、最高級ホテルとして知られるザ・リッツ・カールトンなどを傘下に収める世界最大のホテルグループであるマリオット・インターナショナルと新たなスポンサー契約を締結。メインスポンサーであるペトロナスのロゴの下に、マリオット・インターナショナルが行っている会員プログラム「Marriott Bonvoy」のロゴが加えられている。

 またマクラーレンは2005年から世界的にホテルチェーンを展開するヒルトンと契約を結んでいるが、2017年にそのパートナーシップ契約を2021年まで延長すると発表していた。それらの契約が見直される可能性は高く、そうなれば、メルセデスは約1億8000万円、マクラーレンは約3億6000万円を失うことになる。

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マクラーレンのリヤウイングに掲載された『ヒルトン』のロゴ

 都市のロックダウンによる生産活動の停止や人々の移動がなくなったことによる航空機需要の激減により、エネルギー需要の落ち込みも大きく、原油価格の低迷が長期化すれば、各国の石油企業に大きなダメージを与えることになるだろう。

 その中でも最も影響が大きくなりそうなのが、メルセデスのメインスポンサーであるマレーシアの国営石油企業「ペトロナス」で、そのスポンサー料は年間約68億円と言われている。フェラーリはシェルから約30億円、レッドブルもエクソンモービルから約18億円、ルノーはカストロールから約15億円、そしてロバート・クビサの移籍により、アルファロメオも今年からポーランドのPKNオーレンから約9億円をスポンサー料をもらっているだけに、それが減額されるようなことがあれば、大きな影響が出るだろう。

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メルセデスのメインスポンサーであるマレーシアの国営石油企業『ペトロナス』
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レッドブルに燃料を供給するエクソンモービル
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ルノーと契約を結ぶ『カストロール』


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