2006年以来、14年ぶりにグランプリコースに復帰したイモラ・サーキット。2日間開催というF1史上初の試みも話題だが、ホンダF1の田辺豊治テクニカルディレクターは「悪天候で初日走れなかったニュルブルグリンクで(2日間は)経験済み」と、対応に自信を見せた。
一方でホンダ第2期、第3期を戦ってきた田辺TDにとって、イモラは「忘れがたい思い出が多々ある」サーキットでもある。ホンダドライバーだったアイルトン・セナの終焉の地を再訪した田辺TDは、事故現場付近に建つセナ像にもさっそく「挨拶してきた」のだった。
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──現行パワーユニット(PU)では初めてのサーキット、そして2日間開催も初フォーマットということになります。
田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):かなり忙しい週末になりそうです。ただニュルブルグリンクでは悪天候で2日間だけになりましたし、しかもフリー走行は1時間だけでした。その経験を踏まえて、コースコンディションへの最適化の手順など、最善を尽くしたいと思います。
──6月にアルファタウリがフィルミングで走っていますが、そのデータは参考になり得ますか。
田辺TD:今年の車で100km走っていますから、まったく参考にならないわけではない。おまけに事前にイモラを走れたのはアルファタウリだけで、その直後にここでの開催が決まって、合同テストの話も出たのですが、結局やらないことになった。その意味では幸運だったし、今週末の何らかのプラスになるでしょうね。
──全開率はかなり高そうですが、エネルギーマネージメントは難しそうですか?
田辺TD:その辺りは、実際に走ってからですね。
──ピエール・ガスリーのポルトガルでのトラブルは、バッテリーが燃えたように聞いています。
田辺TD:(バッテリーが)激しく損傷したのはわかっていますが、ダメージが大きく、まだ各部を確認中です。
──少なくとも、このESは使えない?
田辺TD:はい、そうです。