レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

F1 ニュース

投稿日: 2021.08.12 10:59
更新日: 2021.08.12 11:03

英国人ライターのF1ルーキーペア観察日記:代表の怒りを買ったシューマッハーがレースで信頼回復

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


F1 | 英国人ライターのF1ルーキーペア観察日記:代表の怒りを買ったシューマッハーがレースで信頼回復

 2021年F1にデビューしたミック・シューマッハーとニキータ・マゼピンは、ともにハースF1チームで初めてのシーズンを送っている。ふたりはどのように学び、つまずき、成長していくのか。キャラクターの異なるふたりのルーキーのデビューシーズンを、英国人ジャーナリスト、クリス・メッドランド氏が観察していく。今回は第11戦ハンガリーGPを振り返る。

────────────────────────────

 ハースのドライバーふたりへのプレッシャーは高まりつつあるが、それは彼らがF1ドライバーとして成長する助けになるはずだ。少なくともハンガリーGPのミック・シューマッハーにとってはそうでなければならない。ふたりのドライバーにとってこの週末は、全く異なる展開になった。

 まず、シューマッハーの話をしよう。彼は土曜から日曜にかけての24時間、F1のすべての側面について学ぶことになった。そのなかには厳しい教訓も含まれていた。

 シューマッハーはプラクティスで堅実な走りをしているように思えたが、FP3最後のランで、タイヤのオーバーヒートに苦しみ、ミドルセクターでマシンと格闘していた。そういう状況でありながら、彼は慎重さに欠けていた。

 グリップ不足によってシューマッハーはターン11でコントロールを失い、スピンし、かなりのスピードでバリアに突っ込んだ。セッション残り9分のところで赤旗。予選開始までは2時間9分しか残されていなかった。

2021年F1第11戦ハンガリーGP ミック・シューマッハー(ハース)がFP3でクラッシュ
2021年F1第11戦ハンガリーGP ミック・シューマッハー(ハース)がFP3でクラッシュ

 シューマッハーは予選に出られたとしても、ほぼ間違いなくQ1でノックアウトされただろう。それでもハースのメカニックたちは、強い決意のもとで、Q1までにマシンを修理するために必死に努力した。素晴らしい仕事ぶりだったが、残念ながら作業は間に合わず、シューマッハーは予選で走ることができなかった。

 チーム代表ギュンター・シュタイナーは、初めてシューマッハーを公然と非難した。それも当然のことだったと言えるだろう。これまではニキータ・マゼピンの方がスピンの多さで一般の人々から嘲笑されることが多かった。しかしマゼピンはこの週末、シューマッハーよりもスムーズな週末を過ごし、危うい場面に出くわしても、チームメイトよりうまく対処できていたように思う。シューマッハーはボスのコメントを真摯に受け止める必要がある。

 ハースはルーキーのふたりがミスをすることに寛容だ。しかし、多額の出費を伴うミスは、せいぜい1度にとどめるべきで、繰り返してはならない。

■次のページへ:大きなチャンスを失い、憤ったマゼピン


関連のニュース

F1 関連ドライバー

F1 関連チーム