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F1 ニュース

投稿日: 2022.07.29 11:52
更新日: 2022.07.29 11:57

【全ドライバー独自採点/F1第12戦】“ドライバー・オブ・ザ・ウイーク”のサインツ。ミスなく速さを発揮した角田裕毅

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F1 | 【全ドライバー独自採点/F1第12戦】“ドライバー・オブ・ザ・ウイーク”のサインツ。ミスなく速さを発揮した角田裕毅

 長年F1を取材しているベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏が、全20人のドライバーのグランプリウイークエンドの戦いを詳細にチェック、独自の視点でそれぞれを10段階で評価する。今回はフランスGPでの戦いぶりを振り返る。

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■評価 10/10:芸術的なオーバーテイクを見せたサインツと、チームメイトより圧倒的に速かったハミルトン

 この週末のカルロス・サインツ(フェラーリ)は、ドライバー・オブ・ザ・デーにふさわしいドライバーであり、“ドライバー・オブ・ザ・ウイークエンド”と呼ぶべきパフォーマンスを見せた。常にシャルル・ルクレールよりも速く、ユーズドタイヤでのQ2タイムは、タイヤのデグラデーションを考慮すれば、この週末のベストラップといっていい。

 サインツはチームメイトのポールポジション獲得にも大きく貢献し、レースではメルボルンの教訓を生かしてリスクを冒さず走った。序盤のセーフティカーと終盤のフェラーリの心もとないピット指示がなければ、最低でも3位には入っていたはずだ。セルジオ・ペレスに対するオーバーテイクは芸術的で、サインツがどのような思考を持つドライバーであるかを示すものだった。

 300回目のグランプリを迎えたルイス・ハミルトン(メルセデス)も満点に値する。若手ドライバーテスト規則によってFP1を欠席したハミルトンは、予選Q3で初めてフルアタックをしたにもかかわらず、セクター1でチームメイトより0.3秒も速かった。実質的に5つしかコーナーがない区間であることを考えると、とてつもないギャップだ。決勝でも、ハミルトンはチームメイトより一貫して速く、ほぼ単独走行で、非常に堅実なレースをして、2位をつかんだ。メルセデスが実験をやめて予測可能なマシンを与えるようになった今、チームで最速なのはやはりハミルトンだということを思い知らされた。

2022年F1第12戦フランスGP カルロス・サインツ(フェラーリ)
2022年F1第12戦フランスGP カルロス・サインツ(フェラーリ)

■評価 9/10:速さと強さと知性でチームを率いるアロンソ

 フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)は、中団チームのマシンで可能な最高の結果を出した。彼の6位によって、アルピーヌはコンストラクターズ選手権でマクラーレンを抜いて4位となった。予選Q2のラップは見事で、Q3ではほとんどゲインしなかったが、決勝スタートで2つポジションアップ。ランド・ノリスを引き離していくのではなく、すぐ前を走り続けるという彼の計画が目論みどおりうまくいき、ノリスはフロントタイヤのひどいデグラデーションに苦しんだ。またしても、コクピットからチームを率いて最大の成果を出した。40歳を過ぎても、ますます強さを増している。

2022年F1第12戦フランスGP フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)
2022年F1第12戦フランスGP フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)

■評価 8/10:フェルスタッペンのレベルではベストではなかった週末

 マックス・フェルスタッペン(レッドブル)はルクレールのミスによってリードを引き継げる位置にいたことで優勝。ただ、週末を通して、彼にとってベストな出来とはいえなかった。予選ではクリーンなラップを走れず、サインツのパワーユニット交換のおかげでフロントロウにつけた。決勝では、DRSの力を借り、マシンのトップスピードで勝っているにもかかわらず、ルクレールを抜けず、フロントタイヤを傷めて早々にピットイン。ライバルがミスをしなければ、フェルスタッペンは2位どまりだっただろう。

 ランド・ノリス(マクラーレン)は予選Q3で素晴らしいラップを走り、メルセデス1台の前のグリッドを獲得。しかしスタートが悪くてふたつポジションを落とし、それを最後まで取り戻すことができなかった。今回のマクラーレンは、レースではアルピーヌほどの速さがなかった。

 ジョージ・ラッセル(メルセデス)はメルセデスにとって今年初のダブル表彰台獲得に貢献した。だが、予選でも決勝でもハミルトンほどの速さはなかった。シケインでペレスにしかけたが失敗。無線でずっと文句を言いながらも、バーチャル・セーフティカー後のリスタートで見事に追い抜き、3位を獲得した。

 ケビン・マグヌッセン(ハース)は気の毒に、アクシデントの後にリタイアする羽目になった。予選で素晴らしい速さを見せ、決勝1周目に7台を抜いた。あのオープニングラップは今年一番といっていいレベルだった。チームメイトがオーストリアから勢いを増してきていたが、マグヌッセンは、どちらのドライバーが速いのか、その答えをしっかり示したといえるだろう。

2022年F1第12戦フランスGP 優勝したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2022年F1第12戦フランスGP 優勝したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)


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