長年F1を取材しているベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏が、全20人のドライバーのグランプリウイークエンドの戦いを詳細にチェック、独自の視点でそれぞれを10段階で評価する。今回はオランダGPでの戦いぶりを振り返る。
───────────────────────────
■評価 9/10:圧勝でなくともしっかりポール&優勝を獲得したフェルスタッペン
マックス・フェルスタッペン(レッドブル):予選1番手/決勝1位
ルイス・ハミルトン(メルセデス):予選4番手/決勝4位
シャルル・ルクレール(フェラーリ):予選2番手/決勝3位
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、ポールポジションを獲得し、優勝も達成、母国のファンを喜ばせた。だが、圧勝というわけではなかった。終盤のセーフティカーピリオドがなければ、メルセデスの一台に敗れていたかもしれない。ポールポジションラップも完璧といえるレベルではなかったが、それでもフェラーリ2台に勝てたことは大きかった。
ルイス・ハミルトン(メルセデス)は、優勝をつかめなかったことに非常に悔しい思いをしながら、オランダを去ったことだろう。予選Q3最後のラップでは、フェルスタッペンを上回るかと思われたが、セルジオ・ペレスのスピンによるクラッシュでイエローフラッグが出てしまい、タイムを更新できなかった。あのラップを走り切っていれば、ポールにかなり近いところまでいけたのは間違いない。
決勝での走りも素晴らしく、正しい動きを積み重ねて、奇跡の優勝へと突き進んでいた。しかし終盤のセーフティカーによって、それは実現しなかった。リスタートのタイミングが完璧なら、ハミルトンには満点を与えたいところだった。
シャルル・ルクレール(フェラーリ)はマシンのパフォーマンスが振るわず、苦戦していたが、予選では、ターン10でミスをしなければ、ポールポジションをつかんだことだろう。しかしセクター3での挽回は素晴らしく、21.5秒に満たない短いセクターのなかで他の全員より0.1秒速く走った。
レースではフェルスタッペンをとらえようと奮闘したが、F1-75にはミディアムタイヤでもハードタイヤでも力が足りず、ハミルトンが戦略によって後退せざるを得なかったことで、ルクレールはなんとか表彰台に上ることができた。