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F1 ニュース

投稿日: 2023.09.01 07:53
更新日: 2023.09.01 08:35

【全ドライバー独自採点/F1第14戦】過酷なデビュー戦を立派に乗り切ったローソン。週末のスター、アロンソ

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F1 | 【全ドライバー独自採点/F1第14戦】過酷なデビュー戦を立派に乗り切ったローソン。週末のスター、アロンソ

 長年F1を取材しているベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏が、全20人のドライバーのグランプリウイークエンドの戦いを詳細にチェック、独自の視点でそれぞれを10段階で評価する。今回はオランダGPの週末を振り返る。

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 非常にトリッキーなコンディションで開催されたオランダGPで、ドライバーたちは“少年”と“男”のグループに分かれ、最高のパフォーマンスを発揮した者がいた一方で、ビッグネームを含む何人かが高くつくミスを犯した。

■評価 10/10:年齢は関係ないと再び証明したアロンソ

フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン):予選5番手/決勝2位

2023年F1第14戦オランダGP フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)が2位獲得
2023年F1第14戦オランダGP フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)が2位獲得

 週末のスターは、年齢は単なる数字でしかないことを再び示したフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)だろう。大勢のファンが彼をドライバー・オブ・ザ・デーに選んだのも頷ける。アロンソは、決勝最初の2周で、アレクサンダー・アルボン、ジョージ・ラッセル、ランド・ノリスをとらえた後、タイヤ交換は1周遅れたものの、完璧な走りでその遅れを取り戻して3番手に浮上。アンダーカットを試みるカルロス・サインツのアクションに反応せず、セルジオ・ペレスがコースオフしたことで、2番手に上がった。リスタート後は、マックス・フェルスタッペンにチャレンジしたいという誘惑を抑えて、2位をキープした。

■評価 9/10:後退してもトップに返り咲けるフェルスタッペンの速さ

マックス・フェルスタッペン(レッドブル):予選1番手/決勝1位

2023年F1第14戦オランダGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が優勝
2023年F1第14戦オランダGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が優勝

 レースデーの走りは素晴らしかったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)だが、予選ではいくつか不必要なミスを犯した。しかし幸運なことに、そのミスによってポールポジションを失わずに済んだ。

 決勝1周目の終わりにピットインするかどうかを迷ったことでポジションを落としたが、十分なペースを持っていたため、リードを取り戻し、母国グランプリで勝利を収め、大勢のファンを狂喜させた。

■評価 8/10:運も味方につけて表彰台を獲得したガスリー

ピエール・ガスリー(アルピーヌ):予選12番手/決勝3位
アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ):予選4番手/決勝8位
ランド・ノリス(マクラーレン):予選2番手/決勝7位
カルロス・サインツ(フェラーリ):予選6番手/決勝5位
リアム・ローソン(アルファタウリ):予選20番手/決勝13位

2023年F1第14戦オランダGP ピエール・ガスリー(アルピーヌ)が3位を獲得
2023年F1第14戦オランダGP ピエール・ガスリー(アルピーヌ)が3位を獲得

 ピエール・ガスリー(アルピーヌ)は難しい予選の後、表彰台を獲得し、波乱のなかにいるアルピーヌに喜びをもたらした。1周目の終わりにピットインするという選択をしたことが、ガスリーのレースを決定づけた。さらに、カルロス・サインツを抑えきるペースを持っており、タイヤ交換後にフェラーリの前に出られるという確信のもとに、アンダーカットの動きにも反応しなかった。ペレスのペナルティによってもたらされた3位であり、運も少し助けにはなったが、幸運を味方につけられるポジションにいたのは、彼の力だ。

 アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)は週末を通して素晴らしい走りを見せた。8位よりも上のポジションをつかむ可能性はあったはずだ。セカンドグリッドからスタートしたアルボンは、ターン2でアロンソに追いつかれた後、雨のなかでスリックタイヤでステイアウトしたことで、15番手まで落ちてしまった。誤った選択をしたわけだが、アルボンはこの戦略を成功させて、ソフトタイヤで44周持ちこたえた。11番手から6番手まで順位を上げた後、レース中断直前にピットストップをしたことで、3つポジションを失い、ジョージ・ラッセルのバンクによってひとつ繰り上がった。

 ランド・ノリス(マクラーレン)にとっての週末のハイライトは、フロントロウを確保した予選だった。決勝では2周目のターン3でアロンソに抜かれ、その2周後にあまりにも遅すぎるタイミングでタイヤ交換を行った。この誤った判断を阻止できなかったという点で、ノリスはチームと共に責任を担うべきだろう。その後はポジション回復に努め、マシンには土曜ほどの競争力がなかったにもかかわらず、ノリスは7位まで挽回してみせた。

 カルロス・サインツ(フェラーリ)は、SF-23の限界を受け入れ、週末を通して競争力がなかったマシンから最大限の成果を出した。だが、ホイール・トゥ・ホイールのバトルで敗れ、自分の運命をあまりにも簡単に受け入れてしまったようにも見える。予選6番手と決勝5位は、フェラーリドライバーにとって自慢できるものではないかもしれないが、少なくとも貴重な10ポイントを持ち帰った。

 ルーキーのリアム・ローソン(アルファタウリ)は、非常に困難なコンディションでデビュー戦を戦わなければならなかった。状況を考慮すれば、リザルト以上の高い評価を受けるに値する。予選で最下位となったのは避けられないことだった。決勝1周目にピットインしたが、角田裕毅の後ろで待たされてタイムをロスした上に、10秒のタイムペナルティも受けた。終始後方でレースを続けた後、最後のリスタートでバルテリ・ボッタスを追い抜き、チームメイトの降格により、13位に順位を上げた。

2023年F1第14戦オランダGP リアム・ローソン(アルファタウリ)
2023年F1第14戦オランダGP リアム・ローソン(アルファタウリ)


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