一方、ピーター・コックスの93号車はチームメイトと対照的な週末となり、予選14番手からスタートした土曜レース1では、順調にポジションを上げトップ10圏内を走行。中盤には上位勢のリタイアも重なり、8位フィニッシュを果たし、大幅なポジションアップを達成したドライバーに贈られる“ハードチャージャー賞”を受賞した。
しかしその喜びも長くは続かず、翌日のレース2はまさかのアクシデントが発生。ファーストラップのわずか3つのコーナーをクリアした時点で、NSX GT3のラジエターが何らかの要因で破損。そのままレースを終えることとなってしまった。
「レースになればマシンが速くなっていくことはわかっていたんだ」と語るコックス。
「予選よりも速いラップで走れそうな雰囲気だったけど、この市街地コースでオーバーテイクするのは難しかった」
「でも僕らにとっては悪くないシーズンのスタートだ。日曜は何かがラジエターに当たったみたいで不運だったけど、ロングビーチに行けば状況はさらに良くなるはずさ」
結局、土曜のレース1はマクラーレン650Sをドライブするアルバロ・パレンテが、日曜レース2はポルシェ911 GT3Rのパトリック・ロングが制している。
アキュラNSX GT3のプロジェクトリーダーを務めるリー・ニフェネガーは「私たちは2台のマシンをぞれぞれトップ10に送り込む上々のデビューを果たした」と、一定の評価を口にした。
「この週末で、ロングビーチのような他のトラックでも役立つ知識を得た。各レースで真に競争力のある位置でマシンを走らせるためには、チームとともにさらなる作業が必要だ。でも、2017シーズンに向けては良いスタートになったと思う」
PWCの次戦は、4月7日から9日に開催されるロングビーチでの市街地ラウンドとなる。