今回のM1RAのアナウンスも含め、ヒュンダイ・モータースポーツのカスタマーチームは世界中で増殖しており、イタリアの強豪ターゲット・コンペティションもホンダからヒュンダイにスイッチしTCRヨーロッパに参戦することを発表。
WTCRではイバン・ミューラー・レーシングが、テッド・ビョークとミューラーの強力タッグで参戦し、前出のBRCレーシングからはヒュンダイ・モータースポーツ契約の開発ドライバーとして2017年からマシンをドライブしてきたガブリエル・タルキーニとミケリスがエントリー。
さらにBRCレーシングはWTCRと並行してTCRイタリア・シリーズにも2台のマシンを送り込み、フェデリコ・パオリーノとエリック・スカルビーニにステアリングを託すべく、すでにバレルンガでオフテストを開始している。
また、北米ではPWCピレリ・ワールドチャレンジに新設されたTCRクラスに向け、インディやGRCグローバル・ラリークロスにも参戦する強豪ブライアン・ハータ・オートスポートがトップカスタマー待遇でエントリーするなど、ヒュンダイi30 N TCRは本格デリバリー開始のデビューイヤーにもかかわらず、多くのカスタマーを獲得している。
また、2018年はJASモータースポーツが新型FK8のシビック・タイプR TCRを投入し、プジョースポールも308TCRのアップデート版を供給。さらにフォルクスワーゲン・モータースポーツもゴルフGTI TCRに空力面での改良を施すなど、各陣営が続々とポテンシャルアップを実施するなか、TCR規定の礎を築いたセアト・レオンTCRも、市販ロードカー部門のハイパフォーマンス・ブランド新設に伴って、新たに『Cupra(クプラ)』の名称で、TCRマシンを販売することを発表した。
かつての高性能モデルにも使用されたこの『Cupra(クプラ)』の名称に生まれ変わったセアトのTCRモデルは、基本的にレオンTCRのアップデート・バージョンとなり、サスペンションジオメトリやエンジン制御などをファインチューンしたもの。
このセアト・クプラTCRはすでに第一号モデルがオランダのバス・コーテン・レーシングにデリバリーされており、今季のTCRドイツとTCRベネルクスへの参戦を表明している。