一方、2019年シーズンの本格デリバリーに向け新たにEvoモデルのホモロゲーション取得を行ったブコビッチ・モータースポーツ製のルノー・メガーヌR.S.TCRが、チームの独自プロジェクトとして初のシリーズフル参戦を発表。ドライバーにはWTCC経験者のジョン・フィリピを起用する。
「この挑戦にとてもワクワクしているし、冒険の一員に加われたことを誇りに思うよ」と意気込みを語ったフィリピ。
「昨年末にこのマシンをドライブする機会に恵まれたが、正直に言ってトラックを走り出した瞬間からクルマのポテンシャルを感じることができた。良い戦いができると確信しているよ」
このブコビッチ・モータースポーツのチームマネージャーには、WTCCでワークスチームとして活動した元シボレー・モータースポーツ・ヨーロッパのディレクター、エリック・ニーブが就任し、初参戦ながらも高い目標を設定している。
「チームマネージャーとして最大の課題は、可能な限り最高の職場環境を作り出すことだ。そのため技術面および人材の両面で準備が必要になる」と語ったニーブ。
「我々はドライバーに最高のコンディションを与える必要がある。ジョン・フィリピの起用は我々にとっても論理的な選択だ。彼を招くことができて光栄だし、WTCCでの経験は欧州シリーズでの目標達成の助けになるだろう。このシリーズでメガーヌとともに勝利を挙げたいね」
また、昨季TCRヨーロッパのスパ・フランコルシャン戦で勝利を飾ったジュリアン・ブリシュ擁するJSBコンペティションも3台体制でのエントリーを発表。その内訳は2台のプジョー308TCRと、セアト・クプラTCR DSGとなり、そのセアトには昨季のTCRヨーロッパDSGチャレンジでランキング2位となった28歳の女性ドライバー、マリー・ボウ-コパンを起用。
もう1台にはプジョー・レーシング・カップなどで活躍したティーンエイジャーで、こちらも女性ドライバーのリル・ウォードを起用するが、最後の308のシートは空席となっており、優勝経験者のブリシュが継続参戦するかはまだ未定となっている。
2019年はフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRとアウディRS3 LMSの変則2台体制を敷くベルギーの名門、チームWRTは、ゴルフをドライブするマキシム・ポティのチームメイトにフォーミュラ出身のサンティアゴ・ウルティアの起用を発表。
ウルグアイ出身で22歳のウルティアは、北米のシングルシーター・ラダーを順調にステップアップしてきたホープで、2015年にはプロ・マツダ・チャンピオンシップを制覇。インディライツに昇格したルーキーイヤーはわずか2ポイント差でタイトルを逃し、続く2017年も連続のランク2位。2018年は同3位と好成績を残してきたが、ここへきてツーリングカーへの転向を決断した。
また昨季のTCRヨーロッパでシリーズランキング3位となったドゥサン・ボルコビッチは、ターゲット・コンペティションに残留しヒュンダイi30 N TCRのステアリングを握ることが決まっている。



