そのフィアットDTAレーシングの代表を務めるウリセス・アルメリーニは、シェイクダウンテストの成功を受け「このエンジンはSTC2000にとって明らかにダイヤモンドの原石になる」と表現した。

「テストはとてもポジティブなものだった。この新型マシンはヨーロッパ最新モードと呼ぶべきエクステリアをまとっていて、最新のツーリングカーとしてその審美眼に耐える仕上がりになった。そのマシンが(タービンの)インペラーを持つ新たなエンジンで走り始めたことは大きなステップであり、その歴史的一歩を我々フィアットが担えたことを心から光栄に思う」

 また、オレカでの開発テストでも陣頭指揮を執り、このシェイクダウンテストにも帯同したSTC2000シリーズのスポーティングディレクター、エドガルド・フェルナンデスは「オレカとの技術開発の行程と、そのテスト結果にはとても満足している」と語った。

「このシェイクダウンで車載状態での作動環境に対して、我々とオレカが設定した水温、油圧、ブーストなどのパラメータがすべて期待していた範囲内に収まったことが確認できた。今後、3月中にも5基の新エンジンがブエノスアイレスに到着する予定で、各チームに支給してそれぞれのテストプログラムを開始することになるだろう」

 また、2019年型フィアット・ティーポS2000のステアリングを握ったフィネンチは、同時に今季から改定された新フロントエアロの感触にも言及し、オーバーテイク促進のためにレスダウンフォース仕様となったフロントのボディワークにより「ドライバーは慣れが必要になる」とコメントした。

「新しいS2000マシンをドライブできて興奮したよ。明らかにフロントの空力荷重が減少していて、最初はその違いに慣れる必要があった。でもその後はステアリングの感触も良く、タイヤのグリップを感じながらドライブすることができた」

「これがマシンと新エンジンにとっての初走行だし、チームは今後もハードワークを続けるだろう。まだまだ進化するだろうし、このカテゴリーにとって大きな進化を果たす良いシーズンになりそうだね」

 フィネンチ自身、2019年シーズンに向けTOYOTA GAZOO Racingアルゼンティーナへの残留はまだ発表されていないが、フィアットDTAレーシングはすでにドライバーラインアップを発表済みで、昨季までのプジョー・ワークス時代からチームに所属していたマリアーノ・ウェルナー、ファビアン・シャナンツォーニ、マティアス-ムニョス・マルケージの3名でシリーズを戦うことになっている。

パラナ・サーキットでの初テストは、ノートラブルで成功裏に進んだ
このシェイクダウンにはオレカからもエンジニアが派遣され、シリーズの技術部門とともに評価を行った
2019年のSTC2000シリーズは、4月7日のコルドバ戦で幕を明ける

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