HWAレースラボのエントリーを引き継ぎ、2022年シーズンよりFIA F2に参戦を果たしたファン・アメルスフォールト・レーシング(VAR)。FIA F2では新興勢力に数えられるが、チームの創業は48年前まで遡る。

 オランダの自動車整備士だったフリット・ファン・アメルスフォールトはザントフォールト・サーキットで開催された1967年のF1オランダGPを観戦。以来、モータースポーツの虜となったフリットは自身の名を冠したファン・アメルスフォールト・レーシングを1975年に結成した。

1975年にVARを設立したフリット・ファン・アメルスフォールト
1975年にVARを設立したフリット・ファン・アメルスフォールト

 活動初期はオランダ・フォーミュラ・フォードやフォーミュラ・オペル/フォーミュラ・オペル・ロータスといったローカルなミドル・フォーミュラレースを主戦場としていた。初のメジャータイトルは1989年のオランダ・フォーミュラ・フォード1600と、チーム創設から14年が経過してからだった。

 ただ、1992年にレーシングカートでその名を馳せたヨス・フェルスタッペンがVARで四輪デビューを迎え、フォーミュラ・オペル・ロータス・ベネルクスで9戦中8勝という強さを見せつけ、シリーズタイトルを獲得する。それ以降、トム・コロネル、バス・ラインダース、クリスチャン・アルバース、カルロ・バンダム、ローレンス・ファントールといった有力ドライバーを次々と起用し欧州ミドルフォーミュラにおいて頭角をあらわにしていく。

2014年FIAヨーロピアンF3に参戦したマックス・フェルスタッペン(ファン・アメルスフォールト・レーシング)。シーズン中盤にレッドブル・ジュニアと契約するまではVARカラーで参戦
2014年FIAヨーロピアンF3に参戦したマックス・フェルスタッペン(ファン・アメルスフォールト・レーシング)。シーズン中盤にレッドブル・ジュニアと契約するまではVARカラーで参戦
2014年第61回F3マカオGPに参戦するマックス・フェルスタッペン(ファン・アメルスフォールト・レーシング)
2014年第61回F3マカオGPに参戦するマックス・フェルスタッペン(ファン・アメルスフォールト・レーシング)

 2014年にはマックス・フェルスタッペンがVARで本格的な4輪レースデビューを果たす。ヨスに続いてマックスと、フェルスタッペン家を2代にわたりVARが支えることになったが、マックスは2014年のFIAヨーロピアンF3で10勝をマーク。同年中にレッドブル・ジュニアチームに所属することとなり、翌年のF1デビューへと繋げた。フェルスタッペンの好成績の影響か、以降ミック・シューマッハー、シャルル・ルクレール、デニス・ハウガー、オリバー・ベアマンといったドライバーがVARからFIA F4やF3に参戦している。

 FIA F2デビューシーズンとなった2022年は11チーム中10位と苦戦し、未だ表彰台登壇はない(第3戦ジェッダのスプリントレースでジェイク・ヒューズが3位チェッカーも技術的違反を理由に失格と判定が下されている)。ただ、ヨーロピアンF3で強さをみせたVARだけに、いずれ強豪の一角として数えられるような活躍が見られるだろう。オランダチーム初のFIA F2チームタイトルはMPモータースポーツにさらわれたが、オランダの老舗レース屋の本領発揮はこれからに違いない。

2022年FIA F2に参戦したジェイク・ヒューズ(ファン・アメルスフォールト・レーシング)
2022年FIA F2に参戦したジェイク・ヒューズ(ファン・アメルスフォールト・レーシング)

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