セカンドスティントでオルタネートタイヤを使ったパロウの作戦は正解で、ディクソンはサード・スティントでオルタネートを履いた際には、さらにその差を広げられてしまった。
また、徐々に開きだしたパロウとディクソンの間には、終盤のフルコースコーションのタイミングでピットインに成功したフェリックス・ローゼンクイスト(アロウ・マクラーレン)が割って入ることとなり、ディクソンは3位でゴールするしかなくなった。
レース終盤のパロウは勝利を確信してリラックスしたのか、ペースをさらに上げてゴールに突き進む。そのまま5秒弱のギャップ保ったままチェッカーを受け、今シーズン5勝目を挙げた。
最終戦を残してのタイトル獲得は、2007年のチャンプカー・シリーズに参戦していたセバスチャン・ブルデー(ニューマン・ハース・レーシング)以来だ。また、ホンダは今季16戦で、11勝目をマークした。
4位は予選6番手だったパト・オワード(アロウ・マクラーレン)、5位はジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)が続いた。
今季2度目のポールスタートだったレイホールは、結局序盤のに失った順位を取り戻すことは叶わず、13位まで順位を下げてのゴールとなった。
優勝を飾りタイトル獲得を決めたパロウは、「素晴らしい週末になった。我々のマシンは本当に速かったので、勝利を目指すべきだとわかっていた。これまでのシーズンと同じようにレースを戦ってビクトリーレーンに立つことができ、大きな誇りを感じている」とチャンピオン獲得の喜びを語った。
「インディカーでチャンピオンになれるなんて考えてもいなかったので、2回目のタイトル獲得を達成できて自分でも驚いている。夢のようで、最高の気分だ。勝つために必要な道具はチームがすべて揃えてくれた。この勢いを保ち続けるべく頑張って行く」
3位フィニッシュでシリーズランキング2位が確定したディクソンは、「カーナンバー10に関わったクルーたちを祝福する。アレックス・パロウは今日、2023年のシリーズチャンピオンとなった。自分たちは最初のピットストップまでの走りがとても良かったと思う。しかし、その後のトラフィックとの巡り合わせが悪かった」と敗因を語った。
インディカー・シリーズは、休みなしで西海岸を南下し、カリフォルニア州モントレーのウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカで2023年の最終戦を行う。
昨年のウィナーは今季絶好調のパロウだ。新チャンピオンは同地での2年連続優勝、そしてシーズン6勝目を目指す。
チャンピオンを決めたパロウに対し、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)、パト・オワード、コルトン・ハータ、アレクサンダー・ロッシ(アロウ・マクラーレン)、フェリックス・ローゼンクイストといった今季未勝利の面々や、キャリア初勝利が近いと見られるデイヴィッド・マルーカス(デイル・コイン・ウィズ・HMD)やロマン・グロージャン(アンドレッティ・オートスポート)らの見せる貪欲な戦いぶりが楽しみだ。
また、ルーキー・オブ・ザ・イヤーをかけた戦いは、マーカス・アームストロング(チップ・ガナッシ)とアグスティン・カナピノ(フンコス・ホーリンガー・レーシング)によって繰り広げられる。