ARTA HSV-010、無線トラブルとセパンの暑さで表彰台を逃す
ARTA Garaiyaはタイヤとドライバーの経験を生かして2位表彰台
GT500クラス
朝のフリー走行では決勝用のセットアッププログラムを消化し問題のないことを確認して決勝に挑んだ。スタート時の燃料は満タンだったので序盤はペースを上げられず苦戦すると思ったが、ラルフの見事なスタートと巧みなドライビングテクニックで2位をキープ。トップのマシンに離されてはいたが、レースが進むにつれ徐々に差を縮めていった。しかし、ここで無線のトラブルが発生。ピット側の声はドライバーに聞こえるものの、ドライバーの声はピット側には聞こえず、エンジンの音だけが聞こえてくる。途中でラルフが何度も無線で問いかけてきているようだったので、念のためタイヤ交換、給油、ドライバー交代の準備をしてラルフに伝えたところ、ラルフは予定より早い24周でピットインすることになった。タイヤ交換、給油、ドライバー交代を終え井出を送り出す。ピットアウトの際に無線のチェックを行ったところ、問題は無かった。少し走行を続けるとラルフと同様に無線のトラブルが発生。井出は35周を過ぎたあたりから何かを訴えているようだったが、ペースが落ちていないようだったのでそのまま様子を見ることにした。しかし40周を過ぎたあたりからマシンの挙動がおかしくなり、45周目には姿勢を乱し、ついにコースアウトを喫してしまう。監督の鈴木がドライバー交代を要望している井出の声を聞き出し、すぐに指示を出し、ラルフへの交代の準備が完了した事を井出に伝えた。井出はその後すぐにピットイン、倒れるように車外へ出てラルフに交代した。その後、順位は落としたものの11位でレースを完走した。井出は熱中症の症状があり病院へ運ばれたが、その後の経過は順調で回復に向かっている。
鈴木亜久里監督のコメント
「無線のトラブルはきちんと究明し、二度と起こらないように対策を至急考えます。井出は回復に向かっているのでとりあえず安心しています。マシンの操縦性は非常に良かったようなので、セットアップは高いレベルに来ていると思っています。次回はなんとか挽回したいですね。」
佐藤エンジニアのコメント
「無線のトラブルは痛かったです。まだ原因ははっきりしていませんが、恐らくドリンクが無線のマイクに入ってしまったと思われます。今回は手応えがあったので結果を出したかったのですが、帰国してから細かくトラブルシューティングをして次戦に挑みたいと思います。」
ラルフ・ファーマン選手のコメント
「序盤は燃料の重さがあってペースを上げられなかったのですが、徐々にペースが上がりトップのマシンが射程圏内に入ったところでした。しかし、順位を争っているうちにタイヤを酷使してしまい早めのピットインとなってしまいました。ユウジは非常に良いラップタイムで周回をこなしていましたが、彼が急遽ピットインする事になったと聞き、残りの周回をドライブするように言われ慌てて準備しました。まずはマシンをゴールまで運ぶ事に集中しました。結果は11位でポイント獲得はなりませんでしたが、マシンのバランスはさらに良くなってきたので次戦に期待出来ると思います。その後ユウジは回復に向かっていると聞いているので安心しました。次回のSUGOは期待していて下さい。」
井出有治選手のコメント
「皆さんにはご心配をおかけしました。ボクはもう大丈夫です。他車と順位を競いあっている時に、徐々に意識が朦朧としてきました。なんとかピットに戻ってくる事が出来ましたが、意識が朦朧としてからは殆ど記憶が残っていません。次回は挽回したいと思います。」
GT300クラス
昨日までの走行で、今回投入されたミシュランのニュースペックタイヤのパフォーマンスの高さは掴めたチームだったが、まだ決勝相当の距離を走りきっていないため、安定性や耐久性の確認ができていないまま決勝に臨むことになった。決勝のスタートは新田守男。毎年激しいレースが行われ、荒れる展開になるこのマレーシア戦は慎重に、そして確実にレースを進める事が結果につながる事を熟知していた新田は序盤トラブルに巻き込まれないようにスタートを決めた。富士のレースに引き続き、新田は序盤見応えのあるレースを繰り広げた。安定性や耐久性をチェックしているような走りには見えないほどアグレッシブに攻めていた。そして18周目にピットイン。ドライバーを高木に交代してコース復帰した時は10位だった。新田のスティントである程度タイヤの特性を掴めたので後は残りの周回をいかに攻めて順位を上げていくかが高木の仕事だった。その高木はタイヤのパフォーマンスを見事に引き出し、2位表彰台を飾る事が出来た。
金曽監督のコメント
「結果は予想通りでしたね。昨日表彰台が目標、と言っておりましたが、まさかこれほど思い描いた通りにいくとは思っていませんでした。やはり毎年このレースは荒れるので、確実にレースを進めて行く事が出来たのが良かったです。またミシュランのニュースペックタイヤは非常にパフォーマンスが高かったので、感謝するとともに早く優勝をプレゼントしたいですね。」
新田守男選手のコメント
「今回投入したニュースペックタイヤですが、どの程度パフォーマンスが安定して、耐久性がどのくらいあるのかが見えていませんでした。ミシュランのタイヤであれば心配は無いのですが、何があるか分からないのがレース。最初はタイヤを労りながら慎重にレースを展開しましたが、ドライブしているうちにこのタイヤへの信頼感が高まってきました。しかし、途中前車に押さえられてしまい、なかなかペースを上げる事が出来ませんでしたが、予選より順位を上げて真一につなぐ事が出来ました。その後のタイヤのパフォーマンスも安定していて、目標の表彰台を得る事が出来ました。非常に嬉しいです。ありがとうございました。」
高木真一選手のコメント
「ミシュランのニュースペックのタイヤが本当に良かったです。マシンが1,300kgという重さのなかで、決勝で安定したタイムで走れた事が大きかったです。しかも、アクシデントが起こらない位置で走れたのも、表彰台を獲得出来た要因だと思います。これからも粘り強い走りで頑張りますので応援宜しくお願いします。」
