11月1日〜3月に開催されたF1アブダビGP。このレースのサポートレースとして開催されたポルシェ・モービル1・スーパーカップに、唯一の日本人選手として、ジェントルマンドライバーの小林賢二が挑戦したが、世界最高峰のワンメイクレースの高いレベルを前に、苦しい戦いを強いられたようだ。

 ふだんは埼玉県さいたま市で歯科医院を開業するジェントルマンドライバーとして、ル・マン24時間等世界的なスポーツカーレース参戦を狙い、スーパーGT参戦や、VLNニュルブルクリンク耐久シリーズでは名門クレマーから参戦したりと、積極的な活動を展開している小林。そんな小林が新たに挑戦したのは、世界各国で開催されているポルシェカレラカップの中でも最高峰と言える、スーパーカップだ。

“世界最速のワンメイクレース”と言えるカレラカップの中でもさらにハイレベルにあると言えるスーパーカップでは、今季からこのシリーズだけが新型のタイプ991にマシンをスイッチしているのも特徴。このシリーズで上位に入ったドライバーは、ポルシェワークスドライバーとなったり、世界的なスポーツカーレースで活躍している。9度のWRC王者であるセバスチャン・ローブでさえ、スポット参戦してもトップ10には入れないほどのレベルなのだ。

 そんなスーパーカップに挑戦することになった小林は、織戸学が運営する横浜市のシミュレーター、130R YOKOHAMAに通い詰め、アブダビのヤス・マリーナを予習。ただし、1日のプラクティスでコースを走りはじめてみると、シミュレーターでは再現しきれないギャップやアンジュレーションに苦戦。また、すでにタイプ991のカップカーで走り慣れているレギュラー組とのスピード差に驚くことに。70%の力で習熟に努め、クラッシュ等なく初日を終えた。

 迎えた予選では、やはりスーパーカップの壁は高く、2レース制の第7戦が26台中26番手、第8戦が25番手。第7戦の決勝は、アブダビの酷暑の中で室内気温が50℃に迫ろうかという中でスタート。「クールスーツもドリンクも窓も無い環境で30分間のレースを戦えるのか!? と少し不安でした」と小林は不安の中スタートを切った。

 スタンディングスタートの第7戦で、小林はひとつポジションを上げることに成功するが、そこはやはりスーパーカップ。程なくして最後尾となり、リタイアした3台を抜くと実質最後尾となる23位でフィニッシュ。第8戦も、途中フラットスポットを作りバイブレーションに悩まされ、同様に実質最後尾となる20位でチェッカーを受けたが、体力面では問題なく、無事に両レースを完走した。

 苦戦となった小林だが、「このスーパーカップで、世界中の若いドライバーたちとの大きなタイム差は走る前から想像はしていましたが、現実を突きつけられました。まわりも速かったですが、今回は初めてのコースとほとんど初めて同様の最新の991カップカーに慣れていなくて、まったくレースになっていませんでした」と振り返る。

「トップドライバーたちが1年間テストやレースを繰り返して来た最終戦での習熟度は、天と地の差があります。でも、私の憧れで夢であったこのスーパーカップに出場でき、2レースとも完走できたことは私にとってかけがえの無い宝となりました!」

 貴重な経験を積んだ小林だが、まだまだジェントルマンドライバーの夢への挑戦は続く。

「レースはただ完走するのが目的ではないので、もしチャンスがあれば来年もっとスキルアップし再挑戦したいと思っています」

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