TOCHIGI Le Beausset Motorsports
Formula Nippon
http://www.lebeausset-motorsports.com
リスタートでのアクシデントで無念のリタイア。
トップグループと遜色ない果敢な走りを最終戦への雪辱へと期する。
全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第6戦 スポーツランドSUGO(3.704km)
『とちぎル・ボーセモータースポーツ』が挑む国内最高峰カテゴリー、全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第6戦が、スポーツランドSUGO(宮城県)で9月21日(金)~23日(日)に開催された。アップダウンに富み、2本のストレートを挟んで高速から低速までバランス良くコーナーを配したテクニカルレイアウトは、まさにドライバーズサーキットである。
なお、レースに先駆け、20 日(木)に仙台市内の小学校で行われた「スマイルキッズatみやぎ」にドライバーの嵯峨とチーフエンジニアの吉田が参加。社会科授業の一環として、自動車づくりや職業としてのレースエンジア・レーシングドライバーに関する講義を行い、実際のレーシングマシンも学校に持ち込みエンジンを始動。マシンの迫力を実際に体感し、生徒たちの記憶にとどまる授業となった。
予選
9月22日(土)
天候/晴れ
コース状況/ドライ
スポーツランドSUGOでフォーミュラ・ニッポンが行われるのは、この一戦だけで全チームとも走行の機会が少ないことから、普段は土曜日にのみ設けられるフリー走行が金曜日の午後に追加された。秋の気配が感じられるようになって、ようやくそれまでの暑さをもライバルとする戦いからは解き放たれた。しかし、そこは東北、金曜日に行われた最初のフリー走行は雨に見舞われたこともあって肌寒いくらいの気温。始まる頃には雨も止み、終了間際にはかなり路面は乾いていたが、作動チェックを最大のメニューとしていたため、あえてドライタイヤは投入せず走行する。本格的な走行は土曜日早朝のフリー走行からとなり、この日は天候にも恵まれドライタイヤでのスタートとなった。路面が前日の雨で汚れていたこともあり、状態が落ち着くまで7分間ピットで待機した後コースイン。周回を重ねるごと、ピットインを繰り返すごとタイムを伸ばし、順調にセットを詰めていった。
今回は普段以上に予選では積極策に討って出て、走り始めからあえてユーズドタイヤではなく、ニュータイヤを投入。そして、アウトラップに加え、もう1周をウォームアップに充ててからアタック。まず1分9秒687を記録して、続けて2セット目のニュータイヤを投入し1分8秒997をマーク。その時点で12番手とQ2進出も視野に入ったこともあり、ラスト5分で3セット目のニュータイヤに交換して更なるタイムアップを狙いコースへと送り出す。しかし、不運にもアタック中のレインボーコーナーで直前のマシンがコースアウトし、コースに砂利が撒かれたことでマシンの姿勢が乱れてしまう。そこで引き続き周回したものの、すでにタイヤのピークは過ぎておりタイムアップは厳しく、手応えを感じていただけに惜しまれる、17番手という結果となった。
決勝
9月23日(日)
天候/雨
コース状況/ウェット
天候に恵まれた土曜日とは対照的に、日曜日はサーキット上空を灰色の雲が覆い、フリー走行の始まる直前に降り始めた雨はどんどん勢いを増していき、ウェットタイヤでなければ走れない状況に変化する。1周をニュータイヤのスクラブに充てた後、中古のウェットタイヤに交換して満タンの決勝を想定したチェック走行。ピットクルーのタイヤ交換練習も行い、再度コースへと送り出すと、周回を重ねるごとにタイムアップを果たし、最終チェックを完了する。
決勝レースを前にして雨足は弱まるどころか、さらに強くなっていき、スタート前に行われた8分間のウォームアップでは、前車が跳ね上げる水しぶきで視界が遮られる状態。そのため、セーフティカースタートによって、決勝が開始されることになる。3周の先導の後、セーフティカーのシグナルが消えて、いよいよバトルが開始される。リスタートを手堅く決めて、まずはポジションキープに成功する。序盤から先行車両に接触が相次ぎ、8周目には14番手に浮上。さらに11番手を争う集団を追い、ラップタイムは前車よりも1秒以上早いペースながら、前車の巻き上げる水しぶきと抜きにくいコースレイアウトもあり抜けない。そこでチームは、一時的には順位は落ちるものの、クリアなコースで良いラップタイムを刻む事で、最終的なポジションアップを狙い、序盤の20周目でのピットインを指示。タイヤは交換せず、給油だけを行いコースへ送り出す。いったんポジションを16番手に落としたものの、セクター1の区間タイムでは全車のベストタイムを記録する果敢な走りで1分23秒台から24秒台のハイペースをコンスタントに刻み、他車が給油でのピットインをするとポジションは13番手へアップ。そんな矢先の58周目、最終コーナーでタイヤが脱落し、ストップした車両があったことから再びセーフティカーがコースに入る。より差は詰まって、リスタート後の逆転に期待がかかったのだが……。セーフティカーのシグナルが消えて間もなく、ピットで見守るスタッフの目に映ったのは、無情にも最終コーナーの入口でスピンしてコースアウトしている姿。無念のリタイアとなってしまう。
今回は残された結果以上に、タイムや内容の良さが目立っていただけに、残念なエンディングになってしまった。次戦の鈴鹿では、今回の雪辱を晴らすべくシリーズ最終戦に挑む。
チーム監督
坪松唯夫 Tadao Tsubomatsu
COMMENT
菅生は抜きにくいコースレイアウトの為、予選では少しでも前のグリットを獲得す必要があった。今回は予選のQ1で新品タイヤを3セット投入したが最後のアタックがうまくいかずQ1突破はならなかったが、一歩前進した感触は得られた。決勝は前車に閊えてタイムをロスしないよう、ベストタイミングで給油が出来たので上位陣と遜色のない速いラップを刻めた。これは大きな収穫である。最終的に悔しい結果となってしまったが、反省するべきところを反省し、チームとドライバーは力を合わせ最終戦の鈴鹿に臨みたい。
Driver
嵯峨宏紀 Koki SAGA
COMMENT
今回は予選でQ2進出も見えかけましたし、決勝でもタイムは安定していたと思うのですが、大事なところで大きなミスをしてしまいました。セーフティカーが離れて、周りが間隔を作って加速するところで、うまく合わせたつもりだったのですが、ホイールスピンさせ過ぎてしまいました。最初のスタートでポジションキープに成功して、ずっと前に着いていくことができたのですが、抜くまでにはいたらなかったので、早くピットに入れてもらったのは正解だったのですが……。クルマの状態は良かっただけに非常に残念ですし、チームや応援していただいている皆さんに申し訳なく思います。次はシリーズの最終戦ですので今回の雪辱を晴らすべく挑みます。