現役スーパーGTトップドライバーでありながら、すでにレジェンド。前身のフォーミュラ・ニッポンで4度のチャンピオンに輝いた本山哲(現スーパーフォーミュラ・アンバサダー)が、サーキットで目にしたドライバーの走り方、レースのポイントなどを毎戦、独自の視点で解説します。
開幕戦以来の優勝を飾ったアンドレ・ロッテラー。タイトル候補からは実質、外れているが、ロッテラーの復活は石浦宏明、中嶋一貴の実質、直接対決になりつつあるチャンピオン争いにどう影響するのか。フリー走行で飛び出した一貴、そして予選でミスした石浦に、チャンピオンのプレッシャーはあるのか?
4度のチャンピオンを獲得した本山哲にしか読み取れない、スーパーフォーミュラの魅力をお届けします。
ポイントリーダーにしか分からない、タイトルのプレッシャー
石浦(宏明)は今回、予選で伊沢(拓也)選手のアタックを妨害する形になってしまったり、珍しくアタックでコースオフしていたけど、これらの出来事は単純に、SUGOのコースは1周が短いので、間が悪くなってしまっただけだと思います。それでも、石浦にはポイントリー・リーダーで残り2戦という事でシリーズ中盤とは違い、チャンピオンを意識してのレースウィークで何かしらの影響はあったように見えました。スタート前に本人に確認したら「大丈夫」と言っていたけど、やはり雰囲気が少し違う感じがしましたね(笑)
SUGOはオーバーテイクは難しく、良いグリッドが必要なので予選ではシリーズを争うドライバーを基準に見ていました。その中で印象的だったのは、(中嶋)一貴。午前のフリー走行で飛び出すなど流れ的に厳しそうだったけど、上手くまとめてフロントロウに並んだのはさすがでしたね。その逆にフリー走行から好調でポールも狙えそうだった小暮(卓史)にも注目していましたが、Q3で上手くアタック出来なかったのは残念でした。SUGOでは、一緒に走ってる頃から小暮の最終コーナーのアクセルを踏むポイントの早さにはいつも驚いてました。外国人ドライバーもあの最終コーナーの踏みっぷりには驚いていましたからね。今回も土曜フリー走行ではセクター4のタイムが飛びぬけてました。
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取りもどしたロッテラーの落ち着き
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最終戦に向けた、ドライバーの心の難しさ
