いよいよ今週末の14日に開幕する全日本選手権フォーミュラ・ニッポンの2012年シーズン。2009年以来のフォーミュラ・ニッポン復帰を果たす松田次生(TEAM IMPUL)が、今季開幕戦を前に意気込みを語った。
次生は2007年〜2008年とフォーミュラ・ニッポンで史上初の連覇を飾り、通算7勝を誇るドライバー。しかし、シャシーがFN09に変わった2009年は未勝利に苦しみ、翌10年はシーズン途中からの参戦に。昨年もJAF Grand Prix FUJI SPRINT CUPのスポット参戦に留まっていた。
しかし、スーパーGTでもTEAM IMPULに所属し、随所で素晴らしいバトルを展開していた次生に、今オフ闘将星野一義監督から、チーム復帰の声がかかる。『「今年はチャンピオンを奪回したい。そして、外国人ドライバーが最近はチャンピオンを獲っているので、日本人として3回目のチャンピオンを獲って欲しい」と重みのあるお誘いをいただきました」という次生は、TEAM IMPULからのFニッポン復帰が決定した。
2010年王者のジョアオ-パオロ・デ・オリベイラをチームメイトにオフのテストに臨んできた次生は、FN09シャシー自体は09年、そして何回かのドライブで経験しているものの、2年のブランクのうちに変わったのはタイヤだという。
「僕たちが使ってた頃はもっとソフトなゴムで、一発のタイムは出しやすかったんですが、ひさびさの復帰ということもあるかもしれませんが、まだタイヤの美味しいところを使い切れていない。ゴムが少し固い感じで、以前だと一発でタイムを出すことができたのが、今は連続で同じタイムが続いてしまうところはあります。ただ、JP(オリベイラ)は一発タイムを出すことができるので、自分の中でうまくタイヤを使いこなせていないところがあると思います」と次生は今の課題を語る。次生がFニッポンで絶好調だった08年まで使用されていたFN06シャシーと比べ、FN09はウイングカー構造を採用しており、ダウンフォースをうまく使ったコーナリングも、3度目のタイトルを目指すのに必要な要素となりそうだ。
そして今季のフォーミュラ・ニッポンは、次生をはじめロイック・デュバル、そして昨年王者のアンドレ・ロッテラー、オリベイラと、4人のチャンピオン経験者が集う。2年の間に変わったFニッポンの勢力図について、「今年はまったく気が抜けないですね。若手も速さをみせていますし、負けない走りをチャンピオン経験者としては見せていかないと」と語る。
そんなライバルたちの中で、次生の復帰を最も喜んだのは、“宿命のライバル”とも言える小暮卓史だという。次生のFニッポン復帰について、小暮と話したのか? と聞くと、「会うたびに『復帰しないの?』って言われてましたからね(笑)。やっぱり同世代がいなくなって、若いドライバーばかりになっていたので、僕の復帰は嬉しかったみたいです」と教えてくれた。
「また戦えることになったので、僕もすごく楽しみです。小暮選手とは、2007年〜08年のようなバトルをしたいですね」と次生。
「こういう環境でまた復帰できるというのは思ってもみなかったですし、こういうチャンスをいただけることは星野監督に信頼していただいている部分もあるので、なんとか結果に繋げたい」と開幕戦鈴鹿、そして今シーズンに向けて、熱く意気込みを語ってくれた。
今回のフォーミュラ・ニッポン開幕戦鈴鹿は、二輪のJSB1000、そして全日本F3と熱い戦いが予想されるレースの開幕戦が揃う。さらに、鈴鹿サーキットファン感謝デーで“決着”がつかなかった、星野一義vs中嶋悟のF1マシン対決も今回実施される予定など、実に見どころが多い週末となっている。なお、決勝日後の15日には、新東名も開通しているので、静岡や関東からのアクセスも容易になるはずだ。ぜひ週末はフォーミュラ・ニッポン開幕戦鈴鹿を、現地で楽しんでもらいたい。
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