東京・六本木で開催されている日本レース写真家協会(JRPA)の写真展『Competition』の中で、インディカー・シリーズに参戦している佐藤琢磨のトークショーが行われた。

 今年も六本木のアクシスビルで開催されているこの写真展では、モータースポーツを追いかけるプロのカメラマンたちが15年シーズンに撮影したシーンの中から渾身の作品を展示。それぞれの切り口でモータースポーツの魅力を伝えている。

 今回は、その開催初日となる13日に、琢磨の特別トークショーが実施された。聞き手を務めたのは、JRPAの会員で、琢磨を長年追い続ける松本浩明カメラマン。展示場内で行われたトークショーは、抽選により選ばれた参加者たちで埋まった。

 琢磨は、私服姿でリラックスした様子で会場入り。まずトークショーの舞台となったJRPAの写真展について「毎年、感動的な作品がたくさんある。やっぱりレースは絵になりますよね。華やかだし、スピード感もあるし、色々な技術があってテレビの映像とはまた違った見え方になる。本当にどれを見ても鮮やかで感動的ですね」と感想を披露した。

 ここ数年は日本で年越しを迎えているという琢磨は、15年について「シーズン前はイケイケでしたが、蓋を開けてみると足りないこともたくさんあってうまくいかず、フラストレーションも溜まるシーズンでしたね」とプレイバック。16年も引き続きAJフォイト・レーシングに残留し、チームメイトもジャック・ホークスワースから変わらないものの、チーム内の体制に変化があった。

 というのも、これまで琢磨のレースエンジニアを務めていたドン・ハリデイがチーフエンジニアに就任し、昨年はホークスワースのエンジニアを務めていたラウル・プラードスが琢磨のレースエンジニアに。すでに昨年10月のロードアメリカでのテストにはこの新体制で臨んでおり「非常にスムーズでした。彼(ラウル)は僕を信頼してくれますし、同世代でやりやすい。うまくいくのではないかという気がしています」と、来たる16年シーズンに向けても好感触を得ている様子だった。

 続いて、話題は写真に関連したものに。琢磨がレーシングドライバーとして“撮られたい瞬間”は、「オーバーテイクを決めているところ」なのだという。

「縁石ギリギリだったり、壁ギリギリまで攻めるのは全コーナーでやっていますが、オーバーテイクは相手があることだし、流れがあって、その瞬間しかないもの。一度として同じ抜き方はない。もちろんブレーキで突っ込んでイン側からだとかアウト側からだとかの形はありますが、“その瞬間”というのは毎回顔が違う。そこは唯一、撮られたいと思いますね」

 逆に“撮られたくない瞬間”として挙げたのは「やっぱり、抜かれてしまうシーン」とのこと。「スピンやクラッシュは仕方ないですが、それ(オーバーテイクされるところ)だけは伏せて欲しい(笑)」と会場の笑いを誘った。また、琢磨から松本カメラマンに「フィルムカメラからデジタルカメラに変わって、カメラマンとしての技術面や気持ちの面での違い」について質問が飛ぶ場面も。撮られる側と撮る側の、双方の思いが語られるトークショーとなった。

 最後は、琢磨が「2016年は僕にとっていい年になるような予感がすごくあって、ワクワク度が半端ではないので楽しみにしていて下さい」と力強く意気込みを語って締め括った。

 JRPA写真展『Competition』は、19日まで六本木のアクシスビル地下1階で入場無料にて開催中。また、ビル1階の『ル・ガラージュ』内には、琢磨のレーシングギヤや、2015年WEC世界耐久選手権のチャンピオンマシンとなるポルシェ919ハイブリッドが展示されているので、こちらも併せてチェックしてみよう。写真展の詳細はJRPA公式サイト(http://jrpa.org/news/2015/1117.html)まで。

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