DENSO KOBELCO SARD RC F
第6戦鈴鹿、3位走行中にまさかのストップ
SUPER GT 第6戦鈴鹿レポート

2014 SUPER GT 第6戦「43rd INTERNATIONAL SUZUKA 1000km」(8/30-31)
鈴鹿サーキット(1周5.807km)
入場者数:予選25,000名、決勝36,000名 合計61,000名

 8月31日(日)真夏の3連戦最終章となるSUPER GT第6戦「43rd INTERNATIONAL SUZUKA 1000km」の決勝が行われ、11番グリッドからスタートしたDENSO KOBELCO SARD RC Fは、序盤からペース良く走行し、着実に順位を上げていった。中盤から後半にかけても上位ペースで追い上げていき、96周目には表彰台圏内となる3位に浮上。141周目にはピット戦略の違う車両の前に出て2位を走行と表彰台獲得を目指して奮闘。最後のピットインを終え、3位走行中の147周目のデグナーカーブにて左後輪がまさかの脱落。コース脇にストップとなり、2位も狙える健闘を見せるも結果は11位となった。

 表彰台獲得がするりとこぼれ落ちたDENSO KOBELCO SARD RC F。ドライバーポイントは獲得ならず(計18点)ランキング12位に、チームポイントでは1点(計31点)を加算しランキング10位のままとなった。次の第7戦は、10月4日(土)・5日(日)にシリーズ唯一の海外戦となるタイの東北東に新設されるブリーラム ユナイテッド インターナショナル サーキットにて開催される。

公式練習走行
 前戦富士では表彰第圏内を争うも不運で悔しい12位に終わったDENSO KOBELCO SARD RC F。速さを取り戻したが厳しい戦いが続いている。夏の3連戦の最終章となる第6戦は鈴鹿サーキットが舞台。シリーズ争いの最後の望みとなる大量得点が狙える正に天王山。公式予選はノックアウト方式(Q1、Q2)で、決勝は12時15分スタートで1000km(173周、約6時間)で争われる。ピットストップは4~5回。ウェイトハンディは現獲得ポイントの倍の数値となる36kgを搭載する。

 6月に行われた鈴鹿GTA公式テストでは、トップがコースレコードを上回る1分49秒台前半に突入。DENSO KOBELCO SARD RC Fもセットアップに終始したが1分50台をマークした。6時間の長丁場ゆえに様々な要因によるアクシデントやドラマが起こりやすく、それに立ち向かえるチームの総合力が試される真夏の伝統の一戦。とにかくここで少なくとも表彰台を獲得しなければタイトル争いは終焉となり、シリーズ争い最後の生き残りを懸けた天下分け目の大一番勝負となる。チーム一同、不退転の決意で逆襲の狼煙となる勝利を狙っていった。

 30日(土)午前中の公式練習走行は、気温27度/路面温度33度の晴れ。爽やかな海風が吹く中、9時40分から混走セッションが始まった。グリーンライト点灯とともに石浦がコースイン。3周目に1分51秒182のトップタイムをマークする好調な出だし。6周を終えピットインしたところで火災車両があり赤旗中断に。この間に時間がかかる変更を迅速にこなし、再び石浦のドライブでコースイン。9周目、セクター1、4で全体ベストを刻みながら1分50秒329の3番手タイムを記録し、バランスが良い方向に進んでいった。

 その後12周目からオリバーが2種類のユーズドタイヤでロングランのフィーリングを23周ほど確かめた。混走セッションは結果、石浦のマークした1分50秒329の3番手となった。10分間のGT500単独セッションでは、オリバーがQ1アタックシミュレーションを行ったが、コンディションに合っていなかったのか1分51秒409にとどまり、公式練習走行は両方のセッションを通じて6番手となった。

公式予選
■Q1:オリバーが無念のQ1、11位に
 30日(土)公式予選Q1は気温28度/路面温度41度に上昇。Q1アタックのオリバーが残り8分で、ほぼ全車がコースインしてからピットを出ていった。まずはアウトラップ、1周目とタイヤのウォームアップを入念に行い、アタックラップへ。まずは1分49秒888でQ1突破圏内の7番手タイムをマーク。

 しかし、他車も軒並み49秒台を出していき、オリバーも次の周も更にタイムアップを目指してアタックを続けていった。だがS字からデグナーにかけてスロー車両にひっかかってしまい、思うようにアタックできずにタイム更新ならず。結果、1分49秒888のタイムのままで無念の11位となってしまった。長丁場のレースゆえにまだまだ挽回の機会はあり、決勝は11番グリッドからの逆襲を狙っていった。

決勝
■フリー走行
 31日(日)決勝日の朝のフリー走行開始時は、気温25度/路面温度29度の曇りがちな晴れ。スタートドライバーのオリバーがコースイン。周回を重ねたユーズドタイヤであることからタイムは平凡であったがクルマの状況を確認。9周目からは石浦がステアリングを握って、別のユーズドタイヤの確認を行った。サーキットサファリは石浦が続けてクルマの状況を確認。公式練習走行とサファリでトータル23周を走行。1分53秒241の11番手タイムで決勝への準備を終えた。

■決勝スタート
第1スティント:オリバーが着実に6位にポジションアップ
 31日(日)12時15分に気温24度/路面温度26度の中、三重県警協力による白バイとパトカー各2台の先導による「交通安全啓発活動」のパレードランを1周、続いて通常のフォーメーションラップ1周が行われ、1000kmに及ぶ熱戦の火ぶたが切って下ろされた。

 11番グリッドからスタートしたDENSO KOBELCO SARD RC Fを駆るオリバーは、接触で後退した上位2台をかわしオープニングラップで9位に浮上。ピット戦略の違うペースの速い32号車にかわされ10位となったが、その後もペース良く自分の走りに徹して走行し、着実に順位を上げていった。15周あたりから前に追いつき7位争いを展開。決勝ペースの調子の良さを見せ、28周を終え6位で石浦に交代すべく最初のピットインとなった。

第2スティント:石浦が2度接触されるも好ペースを維持
 確実にピット作業をこなし52秒ほどのピットインタイムで石浦を戦列に送り出す。この頃、気温27度/路面温度42度に急激に上昇しており、暑さの厳しい環境でのドライビングを強いられることになった。クルマには今季からエアコンが装備されてはいるが、それでも暑さは厳しい状況。強靱な体躯の石浦は、その影響などは微塵も見せない素晴らしい走りで上位ペースを続けていき6位をキープ。そして、5位をいく8号車との差を着実に削っていった。

 47周目に500クラス、50周目には300クラスの0号車(相手にドライブスルーペナルティ)と2度も他車に接触されるアクシデントがあったが、クルマに影響はなく事なきを得て走行を続ける石浦。その後も上位ペースで走行を続けた石浦は59周を終え、上位のピットインもあって4位でピットに戻ってきた。

第3スティント:オリバーが奮闘し5位に浮上
 2回目のピット作業も52秒ほどで石浦からオリバーへ交代し、戦線に復帰。順位は他車がまだ2回目のピットインをしてないことから10位となっていたが、好ペースを維持しているオリバーは66周目には1号車、37号車をコース上でパス。70周目には6位にポジションを戻した。前をいく18号車との差をジリジリと詰め、82周目には華麗に抜き去って5位に浮上。更に上位を目指してチャージを続けるオリバー。そして88周を終え5位で3回目のピットインとなった。

第4スティント:石浦が好機逃さず3位に浮上
 3回目も52秒ほどのピットインタイムで石浦を送り出す。ハイペースで追い上げていくDENSO KOBELCO SARD RC Fに注目が集まった。88周目2位17号車がリタイア、95周目には6号車を抜き去り、96周目にはピットインした8号車をかわして表彰台圏内となる3位に浮上した。1位23号車、2位36号車とも手強い相手ではあるが、逆転を目指して諦めない石浦は、離れてはいるがギャップ差を削る一進一退の見えない攻防へと持ち込んでいった。

 104周を終え1位23号車がピットインして105周目に36号車がトップに立つと、石浦はピットストップを1回減らした戦略を取る23号車との差を一気に削り、109周目には6.5秒差とした。そして117周を終え3位で4回目のピットインとなった。

第5スティント:オリバーが後続を引き離しつつ、逆転2位を狙う
 4回目は51秒ほどの素早いピット作業でオリバーが戦列に復帰。2位23号車は4回のピットで終わらそうと燃費走行でペースを上げられない。5回のピット戦略で全開で追いかければ逆転は可能となる。ピットから解き放たれたオリバーは53秒台に入れる猛列な勢いで攻めに攻めた。長い1000kmに及ぶ決勝での一番の勝負所で躊躇せずに全開で駆け抜け、賞賛に値する走りを見せるオリバー。ピットアウト時には40秒ほどあった差を毎周削っていき、136周目には28秒差に詰め寄った。

 残り1回のピットインが23号車にもあることには変わらず、このままのペースでいけば2位奪取も視野に入ってきた。136周目にタイヤカスが付着して一旦ペースが鈍るも140周目にはその差を23秒に縮めたオリバー。後続は47秒ほど引き離しており、前をいく23号車に照準を合わせて攻め続けるのみで、逆転2位を狙っていった。

第6スティント:石浦がピットアウト直後、左後輪がまさかの脱落で万事休す
 146周目の最後のピット作業。2位23号車はフルに給油すると予想されるため我々よりもピット時間が5~6秒長くなる。ドライバーのこれまでの素晴らしい攻めの走りに応えるべく、メカニックも2位を狙って作業を攻めた。タイヤ交換、給油、ドライバー交代、そしてタイヤ交換とコンマ数秒のタイミングで切り替えていくピットワークの中で、最後のタイヤ交換で僅かなズレが起きてしまう。左後輪装着完了よりもほんの僅かに早くジャッキダウンしてしまう。その下ろすタイミングはピッタリともいえるほどの僅かな差であった。

 脱兎の如くピットを後にした石浦。2位の23号車をかわす自信も気合いも十分に戦列に復帰した矢先、3位でアウトラップ(147周目)走行中のデグナーカーブにて左後輪がまさかの脱落。モニター上にコース脇にストップする様子が大写しになると同時にピットは凍り付いた。あってはならないホイールナットが十分に締め付けられていない結果ゆえのトラブルであった。最後まで攻め続け逆転2位を狙える健闘を見せるも、結果は失意の11位となった。

 表彰台獲得がするりとこぼれ落ちたDENSO KOBELCO SARD RC F。ドライバーポイントは獲得ならず(計18点)ランキング12位に、チームポイントでは1点(計31点)を加算しランキング10位のままとなった。次の第7戦は、10月4日(土)・5日(日)にシリーズ唯一の海外戦となるタイの東北東に新設されるブリーラム ユナイテッド インターナショナル サーキットにて開催される。

石浦宏明
「応援してくださった皆さん、ありがとうございました! そしてごめんなさい。11位から3位まで上がって後続はギャップがあって良いレースが出来てましたが、最後のピットでのミスが重なって左後輪がデグナーで外れてしまいました。これまでの皆の苦労を考えると残酷な結末でした。これがレース。簡単にいかないからレースは面白いのですが、またみんなで頑張っていきますので応援よろしくお願いします。何か足りなくて結果が残らないならそれを上回るぐらい速く走ってやろうと思います!」

オリバー・ジャービス
「クルマがストップするまで本当にファンタスティックなレース展開でした。チームも最高のクルマを用意してくれ、ヒロと私もミス無くドライビングし11番手から3番手までポジションアップし、レースを楽しみました。途中のピットストップはメカは完璧な仕事をしてくれていましたが、残念なことに最後のピットストップでミスが重なってしまい、今回はレースを落としてしまいました。来年も是非この伝統の1戦に挑戦したいと思います。応援ありがとうございました。マタガンバリマス!」

大澤尚輔監督
「最後のピットストップで僅かな作業の遅れからミスが重なってしまった結果、そこまで良いレースをしてましたが水泡に帰してしまいました。心血を注いでクルマを仕上げて速いクルマを準備し、ドライバーもこの週末に懸ける思いを走りで表してくれて非常に素晴らしい仕事をしていました。最後のピット作業で、確実に安全を確認させてから送り出すことができなかった責任を感じています。ミスは付きものとはいえ、やり直しを決断できなかったことが悔やまれます。タイトルの可能性は無くなってしまいましたが、ここで失ったものは次のレースで絶対取り返すという意気込みで、徹底的に問題分析をして、次のタイ、もてぎと勝利を目指したいと思います」

本日のレースクイーン

夏目みさこなつめみさこ
2026年 / オートサロン
G-CYLINDER
  • auto sport ch by autosport web

    FORMATION LAP Produced by autosport

    トランポドライバーの超絶技【最難関は最初にやってくる】FORMATION LAP Produced by auto sport

  • auto sport

    auto sport 2026年3月号 No.1617

    [特集│技術系SGT関係者 覆面座談会]
    タイヤワンメイク時代の
    スーパーGTを考える

  • asweb shop

    STANLEY TEAM KUNIMITSUグッズに御朱印帳が登場!
    細かい繊細な織りで表現された豪華な仕上げ

    3,000円