スーパーGT第6戦鈴鹿の予選セッションから常にトップ10争いを展開し、GT300クラスを大いに盛り上げている初音ミク Studie GLAD BMW Z4。前戦SUGOからトランスアクスル化など大改良が施されたマシンは、今回さらにリヤサスペンションに改良が施され、それが速さの“要因”になっているようだ。

 前戦の大改良に続き、今回の鈴鹿ではさらに足回りを改良してきた初音ミク Studie GLAD BMW Z4。第1ドライバーの菊地靖によれば、これまでリヤの安定感がなく常にオーバーステアの状態だったのが、今回サスペンションをダブルウィッシュボーン化したことで大幅に安定感が増し、リストリクターの優遇措置なども相まって今回の好走に繋がっているという。

「前戦までは改良の効果が全部出し切れていなかったんですが、今回は自分たちが予想していた以上にうまくハマってますね。優遇措置もあって、自分たちも驚く以上にポジションが上がっています(笑)。でもチームの雰囲気もすごく良くなっていますし、第3ドライバーに番場(琢)が入ったことで楽させてもらってます」と菊地。

 ただ、今回投入したサスペンションもまだ煮詰め切れてい状態ではなく、菊地はまだまだ伸びしろがあるという。「その分まだ上がり幅はありますからね。この後の富士、オートポリスも楽しみだし、年内にスーパーラップに出られたり、ポイントが獲れたら嬉しいですね」

 また、第3ドライバーとして加入し、予選アタックを担当した番場琢も、「前回のSUGOでの走りを見たり、(菊地)靖さんや(田ヶ原)章蔵さんに『リヤが不安定』と聞いていたりしたんですが、土曜日に初めて乗ったときも今までのGTカーと同じように乗れました。まだマシンのロールも大きいですが、その方がタイヤに優しい部分もありますしね。それよりもマシン全体のバランスが良くなったことが大きいと思います」とマシンの成長に驚いている様子。

 サスペンションの煮詰めとともに、ブレーキも今後の初音ミク Studie GLAD BMW Z4の速さを増すためのポイントになりそうだ。予選中には、何度かブレーキング時にスモークが上がる場面も見られたが、番場によれば「今までよりもバランスが良くなったことで、ブレーキングでもかなり奥までいけるようになった。その分、ブレーキのパフォーマンスを上げることがタイムアップに繋がると思います」とのこと。

「ひさびさのGTなので自分の体がもつか心配ですが(笑)頑張ります」と番場。「決勝ではあまり欲をかかずに、しっかり完走できればと思います」と菊地も決勝を淡々と見据えている様子だ。

 ちなみに、今回の両サイドのドアに貼られているミクのイラストは、向かって右側が『サイハテ』という葬儀をテーマにした曲のイラスト。お盆に近いということで採用されたという。向かって左側は、YMOをカバーした『HMO(初音ミクオーケストラ)』がテーマのもの。9月17日まで渋谷パルコでイベントが開催されているということもあり、そのプロモーションを兼ねているということだ。

 チームによれば、8月31日は初音ミクの『誕生日(リリース日が8月31日)』ということもあり、鈴鹿サーキットを訪れるファンもそれを意識している人が多いという。8322人のパーソナルスポンサーの声援を糧に、ミクの誕生祝いの激走なるか!? 初音ミク Studie GLAD BMW Z4の決勝レースに注目だ。

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