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投稿日: 2012.07.24 00:00
更新日: 2018.02.16 10:23

雨のD1グランプリ第3戦は熊久保&ローレルが制す


2012年7月24日

株式会社D1コーポレーション
PRESS INFORMATION

2012 グランツーリスモD1グランプリ 第3戦オートポリス
総合優勝は熊久保信重

 プロフェッショナルドリフト競技の最高峰「2012 グランツーリスモ D1グランプリ第3戦オートポリス」が、7月21日(土)~22日(日)の2日間、大分県オートポリスインターナショナルレーシングコースに、悪天候にもかかわらず2日間合計9,877人の熱心なファンを集めて開催された。

 7月22日(日)オートポリス最終コーナーを競技区間としてファイナル競技が開催され、午前中に行われた単走競技では、スピードのある飛び込みから絶妙のタイミングと角度で振り返し、リズムよく審査コーナーを駆け抜け、1本目、2本目ともに99.5点台のスコアをたたき出した手塚強(GOODYEAR Racing BNR34 with Bee★R)が優勝した。また午後に開催された追走では、一時雷雨と濃霧の影響で競技が中断。路面コンディションも変化する難しい状況下、決勝1本目は昨年度のシリーズランキング2位の川畑真人(TeamTOYO TIRES DRIFT with GP SPORTS)が、熊久保信重(YUKE'S チームオレンジ withBEAST EYE)をプッシュして両者スピン。2本目はノーミスで走る熊久保に対して川畑は精彩を欠く走りで結局熊久保が総合優勝を飾った。

~D1GP シリーズ第3戦~
【7月21日(土)天候:雨 路面:ウエット】
■予選
 第3戦の舞台は、7月に入りたびたび大雨に見舞われている九州・阿蘇にあるオートポリス。この日も雨が降ったり止んだりという状況で競技が行われた。

 今回の予選は、日比野哲也(Team UPGARAGE with DRoo-P)、今村陽一(NICHIEIレーシングプロジェクト with FALKEN)、野村謙(BLITZ Dfellow)、川畑真人(TeamTOYO TIRES DRIFT with GP SPORTS)ら優勝経験もある強豪ドライバーが出走することでも注目された。また、野村は今大会、ニューマシン86で参戦を予定していたが、マシンが仕上がらず、スカイラインでの出走となった。

 予選本番。1番手で走行した日比野は、スピードとメリハリのある走りで、いきなり99.57点をマーク。その後走行した選手は、99点台を出すも、この得点を上回るものはおらず、日比野が1位通過を決めた。

 注目の今村(陽)は、1本目に振り返しで引っかかり、2本目は走行ラインが小さく、得点が伸びず予選敗退。また野村も1本目にコースアウト、2本目もアウトではみ出しそうになりアクセルを踏めず、予選敗退となった。一方川畑は、1コーナーで流されて高得点がとれなかったが、ギリギリの10位で予選を通過した。

【7月22日(日)】
■単走決勝(天候:晴れ 路面:ドライ)
 決勝日は「終日雨または曇り」の予報に反し、午前中は晴れ、競技はドライ路面で行われた。朝の練習走行時には、路面はほぼ乾いていたが、それまでドライ路面での走行が少なかったこともあり、選手たちは短い時間で走りを調整する必要があった。

 ドライ路面ではウエット時のように滑らなくなるため、スタートしてから一気に加速して、コーナー深いところでマシンを振り出すことが要求される。そのタイミングをつかむことができずに1コーナーでスピードを落としすぎてしまう選手が多かった。1つ目、2つ目のコーナーを直線的に抜けてくるとその先での減速が難しく、マシンを大振りしすぎて評価は下がるため、スピードを乗せて流れを保って審査席前を駆け抜けるラインとスピードコントロールが要求された。

 前大会鈴鹿で優勝し、シリーズランキング2位の高橋邦明(GOODYEAR Racing WithKunny'z)は、スピードもあり流れもよかったが、審査席前でアウトにはみ出し減点。追走トーナメント進出を逃した。一方、練習走行から安定して高いレベルの走りを見せた手塚強(GOODYEAR Racing BNR34 with Bee★R)は、スピードのある飛び込みから、絶妙なタイミングと角度で振り返し、リズムよく審査コーナーを駆け抜け、単走優勝を果たした。

【手塚強選手コメント】
「オートポリスは得意だと思われそうですが、実はあまり得意ではなく、その分とても集中して走行に臨みました。結果、いい走りにつながったと思います。単走優勝は、今シーズンは初めてですが、ここで満足せず、追走も集中力を切らさず走りたいと思います。」

■追走トーナメント(天候:晴れ/雨 路面:ドライ→ウェット)
 追走トーナメント開始時はドライ路面だったが、ベスト16 の途中で強い雨となり、あっという間に路面は完全にウエットになった。ドライ時の単走決勝で路面にラバーがのっていたこともあり、降りはじめは特に滑りやすい路面状況となり、各選手ミスを連発した。ベスト16では時田雅義(GOODYEAR Racing ZEROCROWN with Bee★R)、古口美範(TeamBOSS with FALKEN)、内海彰乃(TOYO/RC926)がスピンをし、松川和也(Team UPGARAGE with DRoo-P)はスピンからのクラッシュで敗退となった。

 ベスト8でも、手塚強(GOODYEAR Racing BNR34 with Bee★R)、織戸学(DRIVEM7 ADVAN MAX ORIDO RACING)がスピン。さらに唄和也(ORIGIN Labo.RACING& B-West with GOODYEAR)がコースアウトと、大きなミスで勝敗が決した対戦が多く、ベスト4 には、谷口信輝(HKS)、熊久保信重(YUKE'S チームオレンジ with BEASTEYE)、川畑真人(Team TOYO TIRES DRIFT with GP SPORTS)、佐久間達也(TeamTOYO TIRES DRIFT with GP SPORTS)が勝ち上がった。

 この時点で雷が観測されたため、競技は一時中断。観客が屋内に非難する事態となった。また雷が遠ざかった後も濃霧により約1 時間の中断がありその後競技が再開された。準決勝最初の対戦は谷口vs熊久保。ここまでノーミスの安定した走りで勝ち上がってきた谷口だったが、1本目の先行時に1つ目のコーナーで大きく流されてしまう。熊久保は2本とも大きなはミスなく、追走トーナメントでは日比野、織戸に続き、谷口と3 台のたてつづけに86を倒して決勝進出を決めた。

 準決勝もうひとつの対戦は川畑vs佐久間のチームメイト対決。両者とも大きなミスはなかったが、終始角度で川畑が上まわり川畑が勝利を掴む。

 結局3 位決定戦は谷口vs佐久間で行われ、両者ミスのない走りで再戦にもつれ込み、その結果僅差で谷口が勝ち、谷口は86での参戦、2戦目にして早くも3位入賞を果たした。決勝は熊久保vs川畑。1本目は熊久保が先行。川畑は熊久保のマシン角度と車速に合わせることができず、プッシュしてしまい、両者ともスピン。2本目もノーミスで走る熊久保に対し、川畑はコーナーで角度をつけられず、熊久保が優勝を果たした。

【熊久保信重選手コメント】
「今回は何の不安もなく、調子がよすぎてもっといけそう、もっといけそうという感じでコースアウトが続出していたくらいでした。追走に入り、雨が降りだし、路面がコロコロ変われば変わるほど、マシンのよさが発揮されるので、正直ラッキーだと思っていました。今回はマシンと経験値に加え、運がよかったのだと思います。」


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