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投稿日: 2009.10.04 00:00
更新日: 2018.02.15 15:40

【ポルシェジャパン】ポルシェ カレラカップ ジャパン 2009 第10戦 (鈴鹿) レースレポート


ポルシェ カレラカップ ジャパン 2009 第10戦 (鈴鹿) レースレポート

 ポルシェ ジャパン株式会社(本社:東京都目黒区 代表取締役社長:黒坂 登志明)とポルシェ カレラ カップ ジャパン (PCCJ) 委員会は、ポルシェ カレラカップ ジャパン 2009年シリーズ 第10戦 決勝を、F1日本GPサポートレースとして2009年10月4日(日) 鈴鹿サーキット(三重県)にて開催いたしました。

天候:晴 気温:24℃ 路面温度:34℃

 頭上には雲ひとつない青空が広がり、絶好のレース日和となった10月4日午前11時30分、いよいよポルシェ カレラカップ ジャパン(以下PCCJ)2009シリーズの最終戦のスタート時刻となった。今シーズンのファイナルレースに、それを祝福するかのような快晴に恵まれことは、長いシーズンを戦い抜いたカレラカップパイロットへの大きなご褒美なのかもしれない。

 そんな秋晴れの空の下、鈴鹿サーキットのスターティンググリッドに整列した全18台の911GT3CUPの先頭につくのは、鮮やかなオレンジ色に輝く#8清水康弘(A)のマシン。その横には#92中村嘉宏(A)が並び、すぐ後ろの3番グリッドには何と今回スポット参戦の#27都筑善雄(A)がつくこととなった。昨日のレース前「1年ぶりにカップカーに乗ったので、土曜日のレースで感覚を取り戻して、日曜日には攻めの走りが出来るようにしたい」と語っていた#27都筑(A)だが、さすがは昨年シリーズ2位の実力を持つだけあって、その腕前はいまだ健在のようだ。

 F1日本グランプリのレース直前にプログラムが組まれた今回のPCCJ最終戦、その最初の山場となる決勝レースのスタートシーンは、6番グリッドからクラスBの逆転チャンピオンを狙う#55水谷晃(B)が、スタート直後にエンジンストールしてしまう、波乱含みの展開から始まることとなった。さらに2番手スタートの#92中村(A)もやや出遅れ、1コーナー進入では#27都筑(A)の先行を許し3位にポジションを落とす。しかし#92中村(A)はすぐさま#27都筑(A)の背後にピタリとつけ、その周のスプーン立ち上がりで#27都筑(A)に並びかけると、130R進入でパスすることに成功。再び2位の座を取り返した。

 スタート直後のポジション争いを尻目に、順当な滑り出しを見せたのは#8清水(A)だ。#8清水(A)はスタートもミスなくこなしことに加え、オープニングラップを終了した時点で2位#92中村(A)に2.4秒もの差をつける。そして5周目にはこの日のファステストラップとなる2'10.724をマークし、2位グループを徐々に引き離していった。

 一方後方では、#7海宝善昭(B)、#13吉田基良(A)、#54天本昌呉(B)、#3世戸竜児、そして#2桜井澄夫(B)らが、激しい9位争いを繰り広げている。これにスタートミスから追い上げていた#55水谷(B)が加わり、6台のマシンによるバトルへと発展、大観衆を前に、各パイロットらは見ごたえあるレースを披露してくれた。

 その後上位陣は中盤から終盤にかけてややこう着状態が続いていたが、8周目にはいったところで「前半にプッシュしてタイヤに負担を掛けすぎてしまった」という2位#92中村(A)が、スプーンの進入でややオーバーラン、「気温が上がることを想定して後半に勝負をかけるセッティングにしていた」#27都筑(A)は、それを見逃すことなく#92中村(A)をパス、再び2位に浮上する。また序盤この2人からやや遅れていた#88塙翔(A)も追いついたことで、3台による2位争いが繰り広げられた。
そして迎えたラストラップ。後続を9秒近く離し快走を続けていた#8清水(A)は、左手を高々と上げながらトップでチェッカーフラッグを受け優勝、1年越しとなる念願のシリーズチャンピオンの座をついに手中に収めた。「最後も全力で走りました。今年はいろいろあって、時にはメカニックに無理なお願いをすることもありましたけど、それに応えてくれた多くのスタッフが支えによって、チャンピオンを獲ることができました。最終ラップは全身がしびれましたよ」と厳しかったプレッシャーから開放された安堵感とともに、嬉しさが込み上げているようだ。また2位争いは、結局順位が入れ替わることなく#27都筑(A)が制し、続いて#92中村(A)、#88塙(A)の順でフィニッシュを迎えることとなった。

 一方クラスBでは、スタートからプッシュし、その後単独走行ながら安定したラップを刻み続けた#16マイケル・キム(B)が優勝。6位に終わった#55水谷(B)を最終的に18ポイント引き離しシリーズチャンピオンを獲得した。「このレースは水谷さんが勝って、僕が2位でチャンピオンというかたちがベストだったんだけどね。でも最高にハッピーな気分だよ」。彼のこんな控えめさこそが、チャンピオン獲得のキーポイントだったのだろう。また2位には「最後のチャンスと思って狙っていた」と最終ラップのシケインで見事なオーバーテイクを決めた#5高見沢一吉(B)。3位には「あえてブロックはせず、クリーンなバトルだったでしょ」と残念ながら逆転を許した#21一ツ山康(B)が入った。

 また今シーズンから始まったチームタイトルは、#16マイケル(B)と#54天本 (B)を擁するDIRECTION RACING EVOがトータル297ポイントを獲得しチャンピオン。2位に入ったのは16ポイント差で#55水谷(B)と#6中山良明がコンビを組むDIRECTION RACINGだ。

 こうして、クラスAは#8清水(A)が悲願の初タイトルを獲得し、クラスBは一度もランキングトップの座を譲ることなく#16マイケル(B) がチャンピオンを決めたことで、4月下旬の開幕戦からおよそ6ヶ月に渡って行われたPCCJ2009シリーズも無事終了することとなった。それを戦ったすべてのカレラカップパイロットに大きな拍手を送るとともに、来る2010年シーズンは新型GT3カップカーの投入などもあり、再び素晴らしいPCCJシリーズ開催となることだろう。

■第10戦 決勝結果
Pos.\tCar#\tDriver\tClass\tCar Name\tGap
1\t8\t清水 康弘\tA\tART TASTE CUP\t21'55.164
2\t27\t都筑 善雄\tA\tZENT 997 CUP\t9.077
3\t92\t中村 嘉宏\tA\tPROMODET 997CUP\t9.412
4\t88\t塙 翔\tA\tGARMIN PORSCHE\t9.925
5\t16\tMichael Kim\tB\tMetavision DRP\t28.522
6\t5\t高見沢 一吉\tB\t高見沢整骨院OSSOポルシェ\t41.640
7\t21\t一ツ山 康\tB\tHitotsuyama GT3\t41.898
8\t38\t浜野 彰彦\tB\tテクニカルメイトGT3 Cup\t44.222
9\t13\t吉田 基良\tA\tPROVA-ENG997CUP\t45.533
10\t7\t海宝 善昭\tB\tアーテック タカラ樹脂 GT3\t57.673
11\t55\t水谷 晃\tB\tDIRECTION997DRP\t59.416
12\t54\t天本 昌呉\tB\tBABIE'S 997 DRP\t1'01.289
13\t2\t桜井 澄夫\tB\tアーテック GT-3\t1'01.724
14\t72\t江本 玄\tB\tAKIRA RACING\t1'02.266
15\t9\t小林 賢二\tA\tこばやし歯科・坂東ポルシェ\t1'10.140
16\t6\t中山 良明\tA\tDRP 997 CUP\t1'12.496
17\t3\t世戸 竜児\tA\tアリコ・インタークルーGT3\t1'12.765
18\t10\t石原 将光\tB\tダイヤマンゴーポルシェ\t1LAP


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