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F1ニュース

投稿日: 2014.01.26 00:00
更新日: 2018.02.16 21:20

【新車解説】後戻りも覚悟、マクラーレンMP4-29


 トップチームの中でもっとも早い1月24日に新車を発表したマクラーレン。今シーズンは2009年以来、テクニカルレギュレーションが大きく変更され、どのようなマシンが登場するか、注目される中でのニューマシン公開となった。

 2014年のF1マシンで関係者が関心を寄せる点のひとつが、ノーズの処理方法である。それはレギュレーションによって、ノーズの先端から50mm後方で、その断面の中心がリファレンスプレーン(車体の基準面のこと。通常は車体底面の一番低い部分を差す)から185mm以上、上方にあってはならないと定められているためだ。これまでの規定は500mmだったから、315mmも低くなったわけである。さらにノーズ先端はフロントアクスル(前輪車軸)より750mm以上前方になければいけないとも規定されていたため、デザイナーたちはこれまでのようなハイノーズからデザインを変更しなければならなくなった。

 新しいレギュレーションを額面通りに解釈すれば、2014年のマシンはローノーズとなる。ローノーズといえば、マクラーレンがいまから11年前の2003年用に開発したMP4-18が思い出される。これはマイク・コフランによって開発された極端に細長いノーズが特徴的なマシンで、その風貌から「アリクイノーズ」と呼ばれたが、クラッシュテストを通過することができず、実戦投入されることなくお蔵入りとなったマシンだ。

 今回、マクラーレンが発表したMP4-29も、そのアリクイノーズを思わせる風貌となっている。アリクイのように先端が極端に細くなっている理由はローノーズになったことで、前方からノーズ下に流れる気流の妨げを、可能な限り少なくしたかったからだと考えられる。そのことを証明しているのが、マシンを前方から見たときのノーズの細さに対するフロントウイングのステーの幅の広さである。ウイングを吊り下げるステーの幅を広げることで、前方からの空気流を確保しているのである。