ARTA Project プレスリリース
SUPER GT シリーズ第1戦岡山
決勝
雨中の開幕戦はNSXが3位、Garaiyaは2位
ARTA、両クラスで表彰台を獲得
■GT500
決勝日を迎えた岡山国際サーキットの空は、あいにくの曇天。路面には夜間に降った雨が残り、レインタイヤの使用を認める「ウエット宣言」のもとで、朝のフリー走行(30分間)が9時20分から始まった。各陣営がレインコンディションへの対策を探り合うなか、ARTA NSXは1分37秒366がベストタイムとなり、6番手となった。
レース直前のフリー走行が始まる20分ほど前(12時45分ごろ)から、ついに本格的な雨模様に変わった。しかしながら、時折かなり激しく降ったかと思えば、すぐに小康状態に戻るなど、雨量が一定しない、実に難しいコンディションになった。14時開始の決勝はセーフティカー先導によるスタートとなり、3周目に入る段階から実質的なレースが始まった。
ARTA NSXのスタートドライバーはラルフ・ファーマン。序盤は予選順位の5番手をキープしていたが、6~7周目には2台のレクサスSC430の前に出て、3番手に浮上。前を行くのは#24GT-Rと#18NSXだ。ファーマンは一時、2位の#18NSXの背後にまで迫ったが、これをパスすることは適わず、3位のまま31周終了時にピットインし、伊沢拓也にパトンタッチする。ピット作業には少々手間取ったものの、上位各車のピットが終わった段階で、ARTA NSXは前半同様の3位を維持。伊沢も一時は#18NSXに迫る場面を見せたが、ARTA NSXは82周の開幕戦を3位表彰台という結果で終えることとなった。
なお、今季からの新しいウエイトハンデ制により、次戦(鈴鹿、4月18~19日)でのARTA NSXは、今回の3位で得たドライバーズポイント11点の2倍、22kgのハンデを積んで戦うことになる。
●鈴木亜久里監督のコメント
「2週間前のテストの状況からは、正直なところ、表彰台という結果は予想できなかった。大きな前進があったというか、よくがんばったと思う。ただ、前に同じブリヂストンタイヤのNSX(#18)が1台いるわけだからね。さらに前進するべく、がんばりたい」
●土屋圭市エグゼクティブアドバイザーのコメント
「雨はNSXに辛いと思っていましたが、雨の量に対するタイヤチョイスの部分と、ドライバーとスタッフの努力のおかげで、いい流れをもってくることができました。もちろん、やることはまだまだいっぱいあります。ドライでの(SC430勢との)速さの差をカバーしていかないといけませんね」
●佐藤真治エンジニアのコメント
「セッティングはドライをベースにしたまま、雨の場合に施す通常の変更を加えた程度です。雨がどう変化するかわからない状況だったので、タイヤは深溝のレインタイヤを選びました。ですから、路面の水の量が減ってくると、厳しい面もあったようですね。開幕戦3位というのは、まずまずの結果。合格点というころでしょう」
●ラルフ・ファーマン選手のコメント
「マシンのバランスはよかった。今日、いちばん速いNSXだったと思うよ。ただ、#18NSXに追いつくと、水煙の中でウインドウが曇るという、ちょっとしたトラブルがあった。そのせいで、予定よりピットインを早めることにもなったんだ。そういう意味では2位になれた可能性も高かったと思うが、シリーズタイトルに向けて貴重なポイントを獲得することができた。次の鈴鹿を楽しみにしたい」
●伊沢拓也選手のコメント
「表彰台を獲得できたことはよかったと思います。ただ、うまく3位という結果にまとめることができたという思いと、前に同じブリヂストンのNSXがいたという悔しさが、半々くらいですね。路面が乾いてきてからは、#18の方がよかったみたいです。今後は、もっとマシンの速さを引き出せるように努力していきたいと思います」
■GT300
朝のフリー走行では、ウエット路面の上で新田守男と高木真一が快調な走りを披露。1分44秒293でARTA Garaiyaはトップタイムを記録した。
やはりウエットでの戦いとなった決勝、3番手からスタートした新田は序盤、先行する#11フェラーリF430、#19レクサスIS350と接戦を展開。そして7周目には#11を、8周目には#19をパスしてトップに浮上する。ところが9周目、GT500のマシンと周回遅れとの3台で並走するようなかたちになった場面で、ラインを狭められたかっこうの新田はスピンして周回遅れと接触、順位を6位に下げてしまう。しかもこの件でドライブスルー・ペナルティをとられて、さらにひとつポジションを落として7位に。だが、ここからのチャージはすさまじかった。次々と前走車をパスし、実質4番手まで順位を戻して、40周終了時にピットへ。
ピットでは、ルーティン作業終了の後になってオフィシャルから「接触時の破損箇所を補修しなさい」という指示を受け、予想外のロスも喫したが、上位勢のピットが終わった段階でARTA Garaiyaは4番手。そして高木も新田同様に猛攻を見せた。54周目、1コーナーで#11フェラーリをパスして3位浮上。さらには#7RX-7を射程圏に捉え、バトルの末の62周目、ついに2位の座をもぎ取る。こうして波瀾万丈な展開の開幕戦を、ARTA Garaiyaは2位でフィニッシュすることとなった。
なお、次戦鈴鹿でのARTA Garaiyaは、今回の2位で得たドライバーズポイント15点の2倍、30kgのウエイトハンデを積んで戦うことになる。
●金曽裕人監督のコメント
「こういう路面でのミシュランタイヤの強さを分かっていたので、『いける』という思いをもっていました。ペナルティについては、判定に従うしかないですからね。あのペナルティで8~9位くらいのレースに終わってしまいそうなところを、2位までもってこられたのはタイヤによる面が大きかったと思います」
●新田守男選手のコメント
「(他車を)避けての結果だったので、ペナルティには僕個人としては理解できない部分があります。勝てるレースだったと思うし、ピットでのことも含めていろいろとあったなかで勝てなかったことは残念。ただ、そういう状況のなかではいいところ(2位)を獲ってくることができたと思います。今後のシーズンにつなげていける結果ではありますね」
●高木真一選手のコメント
「僕の走行時は、ミシュランに一番いいコンディションでしたね。新田さんの時はかなり厳しい路面状況だったと思うんですけど、そのなかでもヨコハマ勢を抜いてきていましたから、(クルマとタイヤの状態は)相当いいんだろうな、と思っていました。ペナルティもあって順位を落としたりしていましたが、戻ってきてくれると信じて見ていました」
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