Formula NIPPON NEWS 2009.08. 08
全日本選手権フォーミュラ・ニッポン
第6 戦・予選[ツインリンクもてぎ]
小暮卓史(NAKAJIMA RACING)がもてぎで連続予選1 位
栃木出身のルーキー塚越広大(HFDP RACING)は4 位となる
8 月8 日(土)、全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第6 戦の予選がツインリンクもてぎ(栃木県)で行なわれた。同じもてぎで行われた第3 戦に続き、No.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)がポールポジションを獲得した。地元・栃木県の今市出身で今季初参戦のNo.10 塚越広大(HFDP RACING)が予選4 位となった。新鋭とベテラン、チームメイト同士と有力ドライバー、チームの対決のみならず多くの対決が注目となる予選が開始されたのは午後2 時20 分。20 分間のQ1 では、セッションが開始されると間もなく、全車がユーズドタイヤを装着してコースイン。マシンの感触を確かめる。ここでまず計測ラップを刻み、早くも1 分34 秒台に入れてきたのは、No.32 小暮卓史とNo.31 ロイック・デュバルのNAKAJIMA RACING コンビ。他のドライバーはピットに入り、ニュータイヤ装着の時を待つ。この中で、セッションの残り時間が約10 分となったところで数台のマシンがフロントのみニュータイヤを装着。スクラブ(タイヤの慣らし)を終えて、コースに戻る。その他のマシンも残り時間が7 分ぐらいとなったところから4 輪ともにニュータイヤを装着してコースへと出た。スクラブ組も残り5 分を切ったあたりからコースイン、アタックに入る。一方、小暮がユーズドタイヤで再度マシンの状態を確認しただけ。トップタイムを出していたデュバルはコースに入らなかった。しかも、他のドライバーはニュータイヤでのアタックでも、NAKAJIMA の2 人がユーズドでマークしたタイムを上回れなかった。ここで3 番手につけたのは、No.8 石浦宏明(Team LeMans)。No.1 松田次生(LAWSON IMPUL)、No.37 大嶋和也(PETRONAS TOM'S)、No.10 塚越広大(HFDP RACING)と続く。これに対して、Q2 進出を逃したのは、No.41 伊沢拓也(DOCOMO DANDELION)とNo.40 リチャード・ライアン(DOCOMO DANDELION)だった。
10 分間のインターバルを経て、Q2 が開始されたのは、午後2 時50 分から。このセッションは10 分間ということで、セッションが開始されるとすぐに6 台のマシンがコースイン。うち5 台はフロントタイヤのみをスクラブしてピットイン。Q1 でトップタイムだったデュバルだけは、そのままタイムアタックに入った。これに続いて、セッション前半からさらに6 台のマシンがコースイン。彼らがウォームアップを行なっている段階で、デュバルは1 分34 秒388 というタイムを叩き出している。これに続いて、石浦が1 分34 秒台のタイムをマーク。松田もこれに続く。しかし、これを上回ってきたのが、小暮。小暮は1 分34 秒296 とデュバルのタイムをコンマ1 秒ほど上回り、トップに立った。一方、ここでQ3 進出を逃したのは、No.48 立川祐路(CERUMO/INGING)、No.7 国本京佑(Team LeMans)、No.20 平手晃平(ahead IMPUL)だった。
そして、Q3 が始まったのは、午後3 時10 分から。このセッションも10 分間ということで、開始と同時に4台のマシンがコースイン。うち3 台はフロントタイヤのスクラブを行なった。この中で石浦だけは、ユーズドタイヤでインターバルに変更したマシンの感触を確認。全車アウトラップのみでピットに戻る。そして、セッション開始から3 分あまりとなったところから、4 輪ともニュータイヤを装着したドライバーたちがコースイン。その約3 分後には、フロントタイヤをスクラブしたドライバーたちがコースに入り、チェッカー目前に小暮がこの日唯一、1 分33 秒979 と33 秒台のタイムをマークしてトップに立つ。チームメイトのデュバルはチェッカーと同時に、自己ベストを叩き出すが、1 分34 秒112 とわずかに及ばなかった。これに続いたのは、アタック1 周目に松田に引っ掛かってしまった石浦。以下、塚越、No.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S)、大嶋、インターバルでのセット変更が裏目に出たトレルイエ、松田という結果になっている。
決勝日も、ツインリンクもてぎは終日曇りの予想だが、どんなレースが展開されるのか。決勝スタートは午後2 時半。エグゾーストノートが最高潮に高まる、スタートシーンに注目だ。
予選トップ3 ドライバーのコメント
ポールポジション(予選1 位)
No.32 小暮 卓史(NAKAJIMA RACING)
今回は、チームメイトのロイック選手が走り出しからすごく速くて。僕の方は、パドルシフトのブリッピング量(シフト時の回転数変化の量)の調整とかやっていたんですけど、それがタイムの出ない方向に行っていて、いくらセットを変えてもなかなか良くならないので、ちょっとおかしいなと思っていました。それで、午後の予選からは通常のセッティングにしてやったら、ロイックと同じようなタイムが出て。最後は、エンジニアが状況に合わせてクルマのセットアップも決めてくれ、いい走りができたんじゃないかなと思います。ちょっとタイヤの温め方が足りなくて、セクター1 と2 ではフロントタイヤの感触が鈍い部分もあったんですけど、ポールが取れて良かったです。クルマの基本セットがこのコースにすごく向いているんじゃないのかなというのもすごく感じますし、自分自身も前回ポールを獲っているので、自信を持っているというのもありました。明日はスタートから、鈴鹿と同じように自分のペースでどんどん後続を引き離して、いいレースをしたいなと思っています。とにかくスタートは一番ポイントになると思うので、集中して行きたいですね。
予選2 位
No.31 ロイック・デュバル(NAKAJIMA RACING)
とてもいい予選だったと思う。クルマの戦闘力はとても高かったし、バランスも良くて、乗りやすかった。小暮さんとのタイム差も僅かだったし。予選ではアタックの時に、タイヤが温まり切っていなくて、セクター1でコンマ1 秒ほどロスしてしまっているんだけど、そこの差で2 番手だったんじゃないかな。いずれにしても、小暮さんがとても速かったし、彼のポールポジションに対しては、おめでとうと言いたい。でも、僕も2 番手だったし、戦闘力があったんだと思う。他のチームとのタイム差も大きいし、その点では僕らにアドバンテージがあると思うよ。決勝レースは、天候次第というところもあるけれど、前回のもてぎで僕はとても最悪なレースをしてしまって、ノーポイントに終わった。だから、今回もいつも通り、スタートが重要だと思うし、勝つために頑張るつもりだよ。小暮さんもすごく速いし、2 人で争うことになると思うけど、その結果2 位で終わっても、それはそれで満足できる結果だと思う。
予選3 位
No.8 石浦 宏明(Team LeMans)
前回のもてぎでも調子が良かったんですが、そこからトップ2 台を追いかけるということになると、色々とクルマを変えていかないといけないと思いました。それでチームとも話し合いをして、今回はセットアップを変更してきました。いいレベルから変更すると、戦闘力が落ちる危険性もありますが、逆にトップを捕まえられる可能性もある。そこでトップを追いかけようということで、ジオメトリーはじめ色々な部分を変えてきたんです。でも、朝のフリー走行で走った結果、確実に良くなっているという手応えはあるんですけど、トップ2台とはまだ大きな差があるということが分かりました。なので、予選では、ポジションが3 番手だったとしても、もっとタイム差を詰めたいねということで、朝のセッション後にもかなり大きなセット変更をして、それもいい方向にいきました。でも、トップの2 台も同じようにタイムを詰めているので、なかなか差を詰められずに終わった悔しい予選でしたね。でも、最近では確実にこの位置にはつけているので、明日の朝に向けてももっとチャレンジして、前とのタイム差を詰めたいなと思っています。
