Formula NIPPON NEWS 2009.05.30
全日本選手権フォーミュラ・ニッポン
第3戦・予選[ツインリンクもてぎ]

小暮卓史(NAKAJIMA RACING)が07年以来の予選1位
ルーキー塚越広大(HFDP RACING)が大健闘3位に

 5月30日(土)、全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第3戦の予選がツインリンクもてぎ(栃木県)で行なわれた。2007年最終戦以来のポールポジションを獲得したのは、No.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)。地元・栃木県の今市出身で今季初参戦のNo.10 塚越広大(HFDP RACING)が予選3位と大いに健闘した。

 午後からは雨という予報が出されていたが、午前11時半頃からザッと雨が降っただけで、天候は回復。予選Q1開始の午後1時の時点で路面は完全なドライコンディションだった。このセッションではまずほとんどのマシンがユーズドタイヤでコースイン。ほとんどのマシンが状態を確認する。その他のマシンは、セッションの残り時間が約7分となったあたりからニュータイヤを装着してアタックに向かう。そして、残り2分あたりからは、次々に自己ベストを更新。ユーズドタイヤの時点から、他チームよりも頭ひとつ抜け出ていた感のある小暮がトップ、No.31 ロイック・デュバル(NAKAJIMA RACING)が2番手につける。これに続いたのは、No.8 石浦宏明(Team LeMans)。以下、No.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S)、No.1 松田次生(LAWSON IMPUL)、No.20 平手晃平(ahead IMPUL)と続く。一方、ここでタイムが伸びず、Q2進出を逃したのはNo.40 リチャード・ライアン(DOCOMO DANDELION)とNo.48 立川祐路(CERUMO/INGING)だった。

 Q2が開始されたのは、午後1時30分。まずピットを出たのは、デュバルと小暮。この2台はフロントにニュータイヤ、リアにユーズドタイヤを装着して、フロントタイヤをスクラブ(接地面の慣らし)すると、そのままピットイン。その後、リアにニュータイヤを装着して、ピットで待機した。その他のマシンは、残り7分を切ったころからニュータイヤで、タイムアタックに入る。これに2分ほど遅れ、デュバルと小暮もコースインし、計測1周目にタイムアタック。他のドライバーがまだウォームアップラップの段階で、2台揃って1分34秒前半のタイムを叩き出し、デュバルがトップ、小暮が2番手につけた。これに続いたのは、松田。以下、ロッテラー、石浦、平手、塚越、No.37 大嶋和也(PETRONAS TOM'S)と続く。一方、このセッションでタイムを伸ばせず、Q3進出を逃したのは、国本、No.41 伊沢拓也(DOCOMO DANDELION)。さらに、ランキングトップのNo.2 ブノワ・トレルイエ(LAWSON IMPUL)もトラクション不足に苦しんだうえ、他のマシンに引っ掛かってしまったこともあり、まさかのQ2敗退となってしまった。

 さらに10分間のインターバルを経て、Q3が開始されたのは午後1時50分から。このセッションでも、小暮、デュバルは開始早々、フロントにだけニュータイヤをつけてコースイン。石浦も同じ作戦を取ってコースに出ると、スクラブを終えてピットに戻る。その他のマシンは残り時間が6分半というあたりから続々ニュータイヤでコースイン。最後のアタックに向かった。そして、その1分ほどのちに、石浦。続いてデュバル、小暮の順でコースへと入って行った。この時、小暮は朝のフリー走行でスクラブだけしてあったリアタイヤを装着している。そして、今度もNAKAJIMA RACINGの2台は、他のドライバーがまだタイヤを温めている時点で、好タイムをマーク。デュバルが1分34秒139、小暮はただ一人33秒台に入れ、1分33秒772とチームメイトを引き離した。そのため、デュバルはアタックを続行するが、自己ベストを更新できなかった。この2人に続いたのは塚越だ。最初のアタックで3番手に付け、一時は石浦に抜かれポジションを下げるが、ラストラップのアタックで再度3番手を奪い返した。以下、石浦、ロッテラー、平手、松田、大嶋という結果になった。

 明日のレースでは、まずスタートがキーポイント。前回、スタートに失敗した小暮が、ダッシュを決められるのか。あるいは常に好スタートを見せるデュバルが、チームメイトをかわすのか。はたまた鈴鹿で抜群の動き出しを見せた塚越や松田が浮上するのか? またピットインの回数も要注意。1ピット作戦を取るのか、はたまた2ピットなのかも見逃せない点だ。

予選トップ3ドライバーのコメント

ポールポジション(予選1位)
No.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)
 まず本当に感謝したいです。多分1年ぶりぐらいのポールポジションなんですけど、今日は泣いてしまいそうなほど嬉しくて、久々に感情が爆発しました。前回はロイックが勝ちましたが、鈴鹿からウチのチームのクルマはすごく良くなっていたんですね。でも、そんな中、自分はいいレースができなくて、鈴鹿でも途中で帰ってチームにも怒られました。それが、こういうポールポジションという形で返せたので嬉しいです。
 今日は、朝からの流れでチームメイトとの戦いになると思っていました。これまで少しずつ積み上げてきたものが、鈴鹿から形になってきて、他のチームに対して少し差をつけることができたのかなと感じます。Q1、Q2ではソツなく走れたという感じでしたが、Q3は自分でも“決まった!”という感じでしたね。本来なら、鈴鹿からポールポジション争いをできるだけのポテンシャルはあったと思いますが、自分でそれをまとめられなかった。でも、走り出しからトップ3にいれば気分も乗りますし、そういう意味では今回は上手く歯車を噛み合わせられたかなと思います。

予選2位
No.31 ロイック・デュバル(NAKAJIMA RACING)
 そんなに悪い結果ではなかったよね。朝のフリー走行から、僕たちはいいクルマを手にしていたし、Q1でも僕と小暮の差はわずかだった。同様に、Q2でも僕がトップだったけど、彼とは僅差だった。でも、最後のQ3は残念ながら、僕は十分な速さを発揮することができなかった。実はアタック中に、シートのどこかからスポンジが外れて、顔に当たったんだ。それに遅いクルマに引っかかり、自分でも少しミスをした。その後、ちょっと死に物狂いでもう1周アタックを続行したんだけど、タイヤのグリップダウンが早くて、ベストタイムを更新することができなかった。
 一方、小暮はとてもいいラップを刻んだから、僕は少し遅れを取ることになってしまった。彼にはおめでとうと言いたいね。僕も2番手の位置を取ることができたのは、チームのためにも良かった。ただ、個人的にはポールポジションを狙っていたので、少し悔しいよ。明日の決勝ではとにかく優勝したいと思っているよ。

予選3位
No.10 塚越広大(HFDP RACING)
 チームのみんなやホンダさんに感謝しています。朝のフリー走行では思うように走れませんでした。もてぎ自体もあまり得意ではなくて。その走行後に、(田中)弘監督や大駅エンジニア、(金石)勝智さんと相談をして、セットアップの方向性やドライビングのことを話し合いました。その結果、Q1、Q2と進むことができ、その間のインターバルにもいいアジャストができたと思います。それで、どんどんいいアタックができるようになりましたし、最後も“行くしかない”っていうことで思い切り行ったのが、上手くまとまりました。
 今日の予選では3番手を取って、今シーズン一番前からスタートできるので、嬉しく思っています。予選後の記者会見に来るのも、すごく久しぶりのような感じがして、とても嬉しかったですし、予選が終わった後に、監督が“グッジョブ”って言ってくれたのが、嬉しかったです。監督、勝った時は“ブラボー”って言ってくれるんですけど、それを聞くと本当に“勝った!”という気持ちになるので、明日は“ブラボー”と言ってもらえるようにがんばります。

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