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スーパーGTニュース

投稿日: 2010.03.22 00:00
更新日: 2018.02.15 18:51

【LEXUS TEAM SARD】LEXUS TEAM SARD RACE REPORT 波乱の開幕戦を5位でフィニッシュ


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■LEXUS TEAM SARD RACE REPORT
DENSO DUNLOP SARD SC430
波乱の開幕戦を5位でフィニッシュ

2010 SUPER GT 第1戦「SUZUKA GT 300km」(3/20-21)
鈴鹿サーキット(1周5.807km)
観客動員:予選22,000名、決勝31,000名 合計53,000名
3月21日(日)、今季開幕戦となるSUPER GT第1戦「SUZUKA GT 300km」の決勝が行われ、13番グリッドからスタートしたDENSO DUNLOP SARD SC430は、途中降雨やアクシデントによるセーフティーカー導入など波乱に満ちたレース展開の中、第1スティントのアンドレも第2スティントの平手も落ち着いたステディかつ果敢なメリハリのある走りで見事に戦い抜き、総合5位でフィニッシュとなった。ドライバーポイントでは6点を獲得しランキング5位(計6点)、チームポイントでは9点を獲得し5位(計9点)と、昨年後半戦からの良い流れを持続する証を立て、今季を占う大事な初戦からポイントを獲得する良いシーズンの出だしとなった。

公式練習走行
 待ちに待った開幕戦を前に体制発表を行ったLEXUS TEAM SARD。決意新たに臨む今季のカラーリングは、懐かしさと同時に新鮮みを感じる赤と白の伝統的なデザイン。今回は3連休および春休みとあって大勢の観客がサーキットのスタンドを土曜から埋めた。今季これまでのメーカー合同テストで1分52秒台をマークしているDENSO DUNLOP SARD SC430。力強さを走りで証明すべく意気軒昂に臨む第1戦鈴鹿。拮抗した戦いの中でどこまで実力を発揮できるかがポイントとなった。

 20日(土)午前中の公式練習走行は、爽やかに晴れ渡りドライコンディション。気温11度/路面温度15度の中、これまでより1時間近く走行時間が増え2時間40分のセッションが9時から開始。空力パーツもカラーリングも出で立ち新しいDENSO DUNLOP SARD SC430。まずは平手が確認のため1周のみ走行。走行時間は増えたがタイヤの使用本数がこれまで通りのため時間一杯に使うプログラムが組めないことと、路面の埃が捌けるのを待つ意味もあり1時間近く待機となった。10時頃に平手が再度コースイン。車高を調整しセットアップの確認走行を数周実施した。12周目に1分57秒446の11番手タイム。続いてアンドレがステアリングを握った。アンドレは息子アフォンソの闘病を支える多くのサポートに応える走りを見せ、精力的にセットの確認を実施。公式練習走行ではトータル32周を走行し、アンドレのマークした1分56秒317の12番手となった。

公式予選
 20日(土)13時15分からの公式予選1回目は、気温17度/路面温度28度に上昇。このセッションでは両ドライバーが予選基準タイムクリアが必要。まずアンドレからコースインし、すぐに基準タイムをクリア。続いて交代した平手もすぐに予選基準タイムをクリアした。このセッションではトータル17周を走行し、アンドレが1分57秒778の13番手となった。決戦グリッドを決めるノックダウン予選へ向け、公式練習走行および公式予選1回目で思うようなタイムをマークできず苦しい出だしとなった。

■ノックダウン・セッション1:実力発揮できず13位にとどまる
 15時10分からノックダウン予選・GT500クラス10分間のセッション1が、気温18度/路面温度28度のドライコンディションで開始。全体的なグリップを得られず苦しい滑り出しであるが、それを払拭するアンドレの走りに期待がかかった。アタックラップに勢いよく入ったアンドレであったが、テールが踏ん張れずスライドする傾向のためハードなドライビングを強いられた。各セクターで自己ベストをマークしていくも他車にタイムを更新されていく展開。2周目セッション2進出圏内を確保していたが、軒並み他車がタイムアップし万事休す。1分55秒019タイムでセッション1敗退となる公式予選13位に。これまで課題を1つ1つ克服しテストで速さを見せていたDENSO DUNLOP SARD SC430であったが実力を発揮することは叶わず。明日の決勝は13番グリッドから巻き返しを期して臨む。

決勝
■フリー走行
 21日(日)決勝前、朝のフリー走行開始時点は、気温13度/路面温度14度で曇天。前夜の降雨でまだ路面が乾いていないウェットコンディションから始まった。黄砂によりスモッギーで風が強く肌寒さを感じるコンディション。8時30分からスタートドライバーを務めるアンドレがコースイン。気合い十分のアンドレは周回ごとに全体ベストを更新。5周目からドライタイヤを装着し、9周目に1分57秒422のその時点でトップタイムをマークした。続いて11周目から平手がドライブ。平手も安定した好タイムで周回を重ねた。フリー走行はトータル20周を走行。平手のマークした1分56秒989の10番手タイムとなった。サーキットサファリの時間帯ではピットワークトレーニングに集中するプログラムを組み、14時スタートの決勝へ向け準備万端整えた。

■決勝スタート
 21日(日)14時のスタート時になっても曇天の上、時折サーキット上空を通過する雨雲により、黄砂混じりの汚れた雨水が路面を濡らす不安定なコンディション。気温14度/路面温度19度と気温が上がらず肌寒い中、今シーズンの熱戦の火ぶたが切って落とされた。拮抗した戦いが予想されていたが、想像以上に開幕戦から非常に波乱に満ちた激しい攻防が繰り広げられるレースとなった。

アグレッシブかつステディな走りを見せたアンドレ
 スタートが切られ第1コーナーでは整然としていたが、それ以降は波乱の展開となる第1スティントに。強風で黄砂混じりの大粒の雨が時折路面を濡らしコースアウト車が続出。順位はめまぐるしく代わり、激しくしのぎを削る攻防が続く荒れた展開の中、今季並々ならぬ思いでシーズンに臨んでいるアンドレはアグレッシブに攻めた。混乱の中で次々と順位を上げ、第1コーナーでの大きなアクシデントでセーフティカーが導入される直前の10周目時点で6位までポジションアップを果たした。15周目を終了したところでセーフティカーランが解除されリスタート。前車との間隔を空けられることなく後続を引き離し、ペースの良いアンドレは4位を争う集団の中でステディに周回を重ねた。タイヤをいたわりつつ前を攻め立て存在をアピール。レースが落ち着いた27周目に平手にバトンを渡すべくピットインとなった。

激しい攻防で光る走りを見せた平手
 ミス無く35秒ほどの無難なピットワークで平手を送り出す。しかし、タイヤ無交換や2輪交換を敢行したクルマに水を空けられ7位に順位を落とすも、平手はアウトラップから光る走りを見せた。すぐさまレースペースにラップタイムをあげると前走車とのギャップをどんどんと削っていった。レクサス全車が上位を走行する中で存在感を出す走りで前をいく前年チャンピオンの1号車を煽り立て場内を沸かす。平手もGT500で2シーズン目を迎えるが、まだ得ていない表彰台の真ん中を今季は貪欲に狙うと闘志を燃やしている通りの走りを見せた。そして終盤、49周目には4位を争う集団に追いつき激しい攻防戦に加わった。ライン取りを奪い合うエキサイティングな見応えある応酬が続く。その中でシケインでの攻防でコースオフした2台を尻目に51周目に5位に浮上。数秒前には3位表彰台も視野に入る見事な追い上げをさらに見せた。そして52周を終了。トップから19秒遅れ、3位とは4秒差の5位フィニッシュとなった。

 ドライバーポイントで6点を獲得しランキング5位(計6点)、チームポイントで9点を獲得しランキング5位(計9点)と、予選での遅れを見事に挽回する決勝の走りで、今季を占う大事な初戦からポイントを獲得したDENSO DUNLOP SARD SC430。昨年後半からの良い流れを今季にも持続している証を見事に立てた開幕戦鈴鹿となった。

アンドレ・クート
「担当した最初のスティントは、路面が滑りやすく非常に難しいドライビングとなった。その後、路面コンディションが安定してきてから、クルマもダンロップのタイヤもバランスが非常に良いから思いっきり攻めたんだ。息子アフォンソの事で温かいサポートをみんなから受けているから良い走りで応えたいと思っていたからね。次の岡山でさらに上位を目指していくよ」

平手晃平
「練習走行・予選とうまくいきませんでしたが、決勝では流れを変えられ5位という結果を出せて良かったです。天候も味方してくれましたが、後半のバトルを思いっきり楽しめるほどクルマもタイヤも良かったです。この勢いで第2戦の岡山も頑張っていきますのでご声援のほどよろしくお願いいたします」

菅野純博監督
「今季の初戦でポイントを獲得できたことは大事なこと。いろいろな要因が複雑に絡み合う決勝で、チームメンバー全員のまとまりで困難な状況を克服した結果かと思っています。まだまだ課題は多いですが良いシーズンのスタートを切れたと思います。もちろん次の岡山も全力で立ち向かい、今回以上の成績をあげることが目標です」