2010 SUPER GT Race Report
ZENT CERUMO SC430
#38 立川祐路/リチャード・ライアン
第2戦 岡山国際サーキット
◆ 4月4日 (日) Race
決勝総合結果 2 位
< 決勝 > 天候:晴れ |コース状況:ドライ
まずまずの晴天に恵まれた日曜。朝のフリー走行を前に、LEXUS TEAM ZENT CERUMOではいつものように早朝からピットストッププラクティスを敢行。ストップウォッチ片手に高木監督がピットウォールから見守る中、給油、タイヤ交換、そしてドライバー交代と実際のピットインを想定した練習が始まり全員が決勝に向けた準備を整える。気温13℃、路面温度15℃で午前9時にスタートしたフリー走行では、まずセッション開始と同時に立川がコースイン。ゆっくりと周回を重ねつつ、#38 ZENT CERUMO SC430は徐々にタイムアップ。決勝を見据えての1分27秒台での正確なラップを刻んでいく。1分27秒194 のベストタイムを残し、充分にフィーリングをチェックした立川に代わって、午前9 時24 分からはライアンがコックピットに。コースに出たライアンも、まずは立川同様1分27秒台で周回を重ねていくこととなり、ポジションは11番手あたりを推移する。しかし、セッション終了間近の午前9時44分、ライアンは1分26秒884 をマークし、#38 ZENT CERUMO SC430を9番手にポジションアップさせ、セッションを終える。その後のサーキットサファリでもライアンが1分27秒008 をマークするなど、万全の仕上がりを見せた#38 ZENT CERUMO SC430 は、大きなトラブルもなく決勝への準備を終えることとなった。
午後2時からの決勝を前に、午後1時からの8分間のウォームアップ走行が行われたが、今回#38 ZENT CERUMO SC430 のスタートドライバーを務めるのは立川。#38 ZENT CERUMO SC430に乗り込んでマシンと路面などの最終確認を終えた立川が、午後1時20分、フロントロウアウト側の2番グリッドにマシンを止めた。そして午後2時、フォーメイションがスタート。立川の乗る#38 ZENTCERUMO SC430も、ポールポジションの#18 ウイダー HSV-010に続いてグリッドを離れる。ゆっくりとしたローリングの後、ついに午後2時02分、82周の長丁場の戦いが始まった。トップの#18 ウイダー HSV-010に続き、2番手で1~2コーナーをクリアした立川は、序盤こそペースに勝る前のHSVに引き離されていく展開となるが、5周目以降は周回後れに相手が詰まるのをうまく活かし、じりじりと間合いを詰めていく。2秒弱まで開き掛けたギャップがコンマ数秒となり、後続を引き離しつつハイレベルな拮抗した1対1の攻防に、ピットのスタッフ達も食い入るようにじっとモニターで戦況を見守ることに。2台によるトップ争いは25周を越えたあたりから、序盤はめぐり合わせの良かった周回後れが、逆に立川の行く手を阻むような展開となってしまう。このため、#18 ウイダー HSV-010と、それを追う#38 ZENT CERUMO SC430とのギャップは、徐々に拡大して行ってしまう。
コンディションと展開次第では、ピットインの際にタイヤを換えずにコースに復帰する、無交換作戦という選択肢を残すため、タイヤを温存しながらの走行だった立川だけに、いったん開いたギャップを再度詰めることは出来ず、レース半ばを越えたあたりで#18 ウイダー HSV-010との差は8秒に。このため、チームは予定よりも2周ほど早めにピットインさせることを決定。45周終了時点で立川をピットに呼び戻す。予想よりも日差しが強まり、路面温度が30℃を越えるような状況となったこともあり、チームはタイヤ無交換作戦を見送り、コンサバティブに4輪を交換してライアンを再びコースに送り出すこととなったが、なんと翌周にピットに入った3 番手の#1 PETRONAS TOM'S SC430が、リヤのみ2輪交換という作戦でピット作業を短縮。#38ZENT CERUMO SC430 は#1 PETRONAS TOM'S SC430の逆転を許し、事実上の3 番手に後退してしまう。さらには48 周終了時までピットを引っ張った、#35 MJ KRAFT SC430がタイヤ無交換作戦を採ったことで、#35 MJ KRAFT SC430にも先行されてしまった#38 ZENT CERUMO SC430は全車がピットインを終えたころには、4番手と言う厳しい状況に陥る。
しかし、#1 PETRONAS TOM'S SC430にパスされた#35 MJ KRAFT SC430を54周目にパスしたライアンは3番手に復帰を果たすと、じりじりと#1 PETRONAS TOM'S SC430とのギャップを詰め始める。とはいえ、同じSC430を使い、昨年のチャンピオンである#1 PETRONAS TOM'S SC430は手ごわく、63周目にはその差は1 秒を切るものの、なかなかオーバーテイクは許されない。
前半の#18 ウイダー HSV-010と立川の攻防のように、#1PETRONAS TOM'S SC430との接近戦を演じ始めたライアン。緊迫した戦いが続く間に、残り周回は減り刻一刻とチェッカーが近づいて来る状況の中、迎えた79周目、千載一遇のチャンスが#38 ZENT CERUMO SC430に訪れる。アトウッドカーブの進入で#1PETRONAS TOM'S SC430がバックマーカーに引っかかったのだ。このGT300マシンをアウトからかわそうとした#1 PETRONAS TOM'S SC430に対し、瞬間的に「インからだ!」と内側に切れ込んで行ったライアンは、うまく立ち上がりで#1 PETRONAS TOM'S SC430を抑えて前に出ることに成功。このライアンの好判断で、2位に浮上を果たした#38 ZENT CERUMO SC430は、トップの#18 ウイダー HSV-010にこそ届かなかったものの、ウォールでチームスタッフ全員が出迎える中、見事2位でチェッカーを受けることとなった。高木監督以下、スタッフが見上げる中、2位表彰台で笑顔を見せた立川とライアン。こうして#38 ZENT CERUMO SC430は、今大会で15ポイントを加算し、4ポイント差のランキング5位に浮上することに。まだまだシリーズは序盤戦だが、次戦富士でのLEXUS TEAM ZENT CERUMOのさらなる飛躍が期待される。
ドライバー/立川 祐路
「スタートは久しぶりでしたが、まずまずだったと思います。後続がすぐに離れたので、前のHSV との戦いに集中できましたし、序盤はタイヤを温存しながらも良いレースが出来ていたと思います。最初のうちはバックマーカーとの遭遇も僕のほうがタイミングが良かったですし、仕掛けようかどうしようか、というところまでいけていたのですが、後半は逆に周回遅れに引っかかるようになって。バックストレッチでGT300 がスリーワイドになっていて、行く手を阻まれたりして……。ただ、今日はまだ向こうに分があったように思いますから2 位にも納得しています。今年はクルマの調子が安定して良いので、次の富士は勝つつもりで行きますよ!」
ドライバー/リチャード・ライアン
「タイヤ交換の作戦など、コンディションや他の陣営の動きによってはあり得る状況だったけれど、結局4 輪交換でコースに出たんだ。前の#1 PETRONAS TOM'S SC430はすごく頑張っていたからなかなか抜けなかった。無線であと何周残っているのか確認したりして、どんどん残り周回が少なくなってきてどうしようかと思ったけれど、うまく周回遅れのポルシェに引っかかったところで、良い判断をすることが出来た。難しい状況だったけれど、瞬間的にイン側を選んだんだ。昨日言ったように、良いレースが出来て良かったね!」
監督/高木虎之介
「立川のスティントでは、実は少し離されるんじゃないかと思っていたんですが、結構前半について行けていたので、“これなら行ける!"と。けれど、やはり後半は苦しくなりましたね。トムスが2 輪交換という作戦を採って前に出られてしまったのが予定外でしたが、最後にリチャードがうまくワンチャンスをモノにしてくれました。抜けないままだったら、作戦ミスで2 位を失うところだったので、前に出られて良かったです。次の富士は少しウエイトが重くなりますが、重いなりに頑張ってポイントを獲れるよう頑張ります」
