PETRONAS SYNTIUM TEAM REPORT
スーパー耐久シリーズ2009
第7戦「ハイランド・スーパー耐久400kmレース」
2009年10月11日(1Dayレース)
▲▽▲予選 天候:雨のち晴れ 気温14℃(午前10時30分時点)
今シーズンの戦いも大詰めを迎えたスーパー耐久シリーズ2009。セミファイナルラウンドの舞台は宮城・ハイランドレースウェイ。秋も深まる中、PETRONAS SYNTIUMチームでは金曜からスポーツ走行を始め、戦いに向けて綿密な準備を進めていった。
金曜はあいにく雨の中での走行となったが、土曜日は秋晴れの一日。午前9時、11時、そして午後2時からそれぞれ各1時間の練習走行を行い、チームのNo.28 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPE(片岡龍也/吉田広樹/ジョハン・アズミ組)が1分50秒113のトップタイムをマーク。これに0.448秒差でNo.1 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPE(谷口信輝/柳田真孝/ファリーク・ハイルマン組)が続いた。
迎えた日曜日。早朝のサーキットは雨が降り、午前8時40分からの予選はウェット宣言の下で行われることに。幸い、セッション開始を前に雨は上がり、雲の隙間から青空が顔を見せるまでに回復。徐々に路面から水しぶきがあがらなくなった。スリッピーな路面ながら、PETRONAS SYNTIUMチームでは1号車のAドライバー・谷口が1分58秒773、そして28号車の片岡が1分59秒253のタイムをマーク。ライバルたちに大差をつける結果を得た。
Bドライバーの予選では依然としてウェット宣言が出ていたが、スリックタイヤでの走行も不可能ではないほど。しかしながら、チームではそのままレインタイヤを装着してアタックを始める。28号車のBドライバー・吉田は開始早々からコースインし、周回ごとにタイムアップ。結果、5周目に出した2分00秒805がベストタイムとなった。一方、1号車の柳田は、予選終了まで約5分の時点からアタックを開始。計測2周目にトップタイムをマークすると、その後続けてベストタイムを更新。ラストアタックのタイム、2分00秒047がBドライバーのトップタイムとなった。
Cドライバーの予選になると、路面コンディションがさらに向上。スタートこそ各部チェックのためにレインタイヤを装着していたが、その後はスリックタイヤへと交換。28号車のアズミが 1分55秒243、1号車のハイルマンが1分58秒024のタイムをマークし、ドライでの戦いになるであろう決勝に向けて、最後の確認を行った。
なおA、B両ドライバーの合算タイムの結果によって、ポールポジションを獲得したのは、1号車。今シーズン4回目の獲得となった。また、28号車が2番手となり、PETRONAS SYNTIUMチームによる今シーズン4度目、3戦連続のフロントロー独占に成功した。
▲▽▲決勝 天候:晴れ 気温14.5 ℃(午後12時30分)
時間を追うごとに天気も回復。決勝前のピットウォークでは青空が一面に広がるまでになった。そして午後12時40分に400km、99周にわたる決勝レースがスタート。PETRONAS SYNTIUMチームでは、1号車に柳田、28号車には片岡が乗り込み、開始直後からこのふたりが僅差で力強い走りを披露した。
10周を過ぎると早や周回遅れの車両が発生。3位にも10秒を超える大差をつけ、順調にレースを消化していくと思われたのだが、20周目、1コーナーへと進入した28号車の片岡を突然の不運が襲う。ブレーキがロックしたままとなり、そのままの状態でドライブを強いられてしまったのだ。この時点では当然原因不明ではあったが、ピットインすれば修復可能だと見越し、懸命にドライブを続ける。しかし、走行を続けることで、駆動系やエンジンへ負荷がかかると判断した片岡はクルマをコースサイドにストップ。クルマを降りることになった。なおレース後、小豆大の小石がボンネット内のブレーキバランサーの一部分に挟まったことからブレーキロックした、とトラブルの原因が判明。これは稀に見るアクシデントであり、チームにとってはまさに信じがたい出来事に巻き込まれたといえる。
一方の1号車。柳田は28号車のトラブルを受けて、自らも丁寧なブレーキを心がけるなど、万全の対策をもってレースを消化。28号車の分まで奮闘する。30周を前には2位との差を1分以上広げ、まさに独走態勢。そして、43周を終えてピットへとクルマを滑らせた。2番手はいつものようにハイルマン。スタッフがスムーズな作業でコースへと送り出したのだが、そのわずか4周後に、まさかのトラブルが発生した。
ハイルマンによると、最終コーナーの立ち上がりでアクセルを全開にしたところ、パワーがアクセルに伝わらなくなったという。エンジンは作動しているがクルマが前に進まない状態となり、ストレートエンドでマシンが停まってしまった。ハイルマンは、すぐにチームスタッフと無線で連絡を取り、状況を伝える。その後ハイルマンは降車、ボンネットを開けてスロットルを何度か押すなど、できる限りの応急処置に取り掛かった。すると運良くスロットルが動き始めたため、再びドライブを開始。だが、途中でパワーが伝わらなくなり、結局ハイルマンは途中3度の停止を強いられながら何とかクルマをピットまで生還させることに成功した。
ピットで待ち構えていたスタッフがすぐさまパーツ交換を開始。大掛かりな作業に時間を費やしたが、レース復帰、そして完走を目指し懸命の努力が実を結び、谷口がコースへと向うこととなる。トップからはすでに18周ほどの遅れをとったが、谷口はスピードが戻ったPETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPEを操り、好走。最後の最後までアグレッシブな走りに徹し、総合順位をひとつ、またひとつと引き上げることに尽力した。
これにより、1号車は総合20位、ST-1クラス3位でフィニッシュ! 貴重なポイント加算を果たし、シリーズランキングでもトップの座を死守。最終戦は、ツインリンクもてぎで行われるオーバールコースでの2ヒートレース。シリーズタイトルの座を巡り、緊迫した状況下での戦いとなるが、一丸となったPETRONAS SYNTIUMチームでは、タイトル奪取、さらに28号車の逆転2位獲得を狙うのみだ。
◆鈴木哲雄監督
今日は色んなことが起こってしまいました。まさかのトラブルが続き、とても残念です。しかしながら、これもレース。あとはもう最終戦でしっかりと戦うのみです。
◆No.1 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPE
谷口信輝
トラブルによる修復で優勝の可能性はなくなりましたが、だからといって、お客さんに守りの走りは見せたくないという気持ちで走りました。シケインを走っていると、僕を見ているお客さんの姿がはっきりとわかるんです。勝負を諦めたくないという気持ちもありましたから、最後の最後まで攻めの走りを貫きました。
柳田真孝
序盤走行中に、28号車同様、ブレーキが奥まで入ってしまい、丁寧にクルマを走らせることに気を遣いました。ピットインまでは何ら問題はなかったのですが、ファリーク(・ハイルマン)に代わったあとトラブルが出てしまいました。でも、ピットとの連結でなんとかピットに戻ってくれてよかった。トラブルは残念ですが、とにかくシリーズチャンピオンのことを考えると今回はポイントが獲りたいと思っていたので、それができて良かったです。最後まで諦めずにピットに戻ってきたのは、ファリークのファインプレーですね。
ファリーク・ハイルマン
決勝での出来事は信じがたいことでした。問題が起こったのはちょうど最終コーナーの出口です。立ち上がりでアクセルを全開にしたんですが、パワーがアクセルに伝わらない状態でした。何とかピットに戻りたかったのでチームと無線で連絡を取って、できることはすべてやりました。最後はまるでピットロードを走るようなスピードしか出ませんでしたが、メカニックが迅速に仕事をしてくれて、幸運にもレースに戻ることができました。今回はなにがあってもポイントが必要でした。勝てなくてもいい、とにかくポイントが欲しいと。もてぎの戦いを優位に進めるためにも、ここでポイントを獲ることが必要でしたから。今日はチームスタッフに感謝しています。
◆No.28 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPE
片岡龍也
1コーナーの進入でブレーキがロックしてしまいました。突然の出来事でしたが、なんとかピットまでクルマを戻したいと思って、そのままの状態で走行を続けたのですが、エンジンや駆動系にまでかなりの負荷がかかると思い、結局はヘアピンの立ち上がりでクルマを止めることにしました。最終戦に向けて少しでもポイントを多く重ねたかっただけに、とても残念な結果になってしまいました。
吉田広樹
予選は(片岡がアタックした)中古のレインタイヤでアタックしました。去年は予選、決勝ともに走る機会がなく、今回初のレースになるはずでした。アクシデントで走れず惜しかったです。サーキット入りしてからは練習でずっとドライコンディションだったので、ハイランドでの初めての雨のアタックとなりました。タイムだけを見ると満足できる数字ではなかったので、決勝でミスなく走っていい結果を残そうと思っていたのに、ポイントも獲れずに終わり、残念です。
ジョハン・アズミ
ハイランドでのレースはまったく初めてだったので、練習走行ではドライコンディションで走りこみました。第一印象として、ここはとてもコース幅が狭く、また上り区間や小さなコーナーなども多く、距離が短いのに、作業がとても多くてドライブするのが難しいと感じました。決勝でいい走りをしようと思っていましたが、序盤に思わぬトラブルが発生し、その機会がありませんでした。残念ですが、最終戦のもてぎでがんばります。もてぎは去年もオーバルコースを走っているので、今年の集大成を見せたいです。
