6月14日〜15日に決勝レースが行われる今季のル・マン24時間耐久レースに、LM-GTEアマクラスから参戦するチーム・タイサンが28日、東京・代官山のレストラン『FAVORI』で壮行会を行い、今季のル・マンではまずクラス表彰台、そして来季はオールジャパンで臨み優勝を狙うと宣言した。

 2000年にはル・マン24時間のGTクラスで初出場・初優勝を飾るなど、長年ル・マンへ挑戦してきた日本のプライベーターの雄、チーム・タイサン。2013年にはフェラーリ458 GTEを購入し、ひさびさのル・マン挑戦を目指しアジアン・ル・マン・シリーズに参戦。LM-GTEクラスのチャンピオンを獲得し、自動招待枠は得られなかったものの、今季8年ぶりのル・マン24時間のエントリーを獲得した。

 チームを率いる千葉泰常代表は、今季のル・マン参戦に向け飯田章、横溝直輝、密山祥吾という日本人トリオでの参戦を画策していたが、スーパーGT第3戦とル・マンのルーキーに参加が義務づけられる6月1日のテストデーが重なっていたため断念。さまざまな交渉を重ねた結果、それに代わる強力な体制を作り上げた。

 エースとして招聘されたのは、今季スーパーGT/スーパーフォーミュラで活躍、過去にホンダやスーパーアグリ、フォース・インディアといったチームでF1テストドライバーを務めていたジェームス・ロシター。ル・マン参戦の経験も豊富で、速さと実績は今季のLM-GTEアマの中でもトップクラスと言える。

「チーム・タイサンに加われて光栄だよ。日本に来てからレースを楽しんでいるし、今回のチャレンジを楽しみにしている」と壮行会に駆けつけたロシターは語る。千葉代表によれば、かつてグループA時代に、タイサンのBMW M3をドライブしたツーリングカーの名手、故ウィル・ホイがロシターの父の大親友だったそうで、「目に見えない縁を感じています(千葉代表)」という。

 ロシターとともにフェラーリをドライブするのは、イギリス人ドライバーのマーティン・リッチ、ドイツ人ドライバーのピエール・エハート。リッチはロシターとロータス時代にチームメイトだったこともあり、「信頼性あるドライバー」だという。

 また、チーム体制もル・マン参戦に向けて強化された。スーパーGTで活躍するタイサンのクルーを中心に、フェラーリ458を製作しているイタリアのミケロット、そしてドイツの強豪ファーンバッハー・レーシングがコラボレーション。日・独・伊の連合体制がとられることになった。ファーンバッハー・レーシングは、過去にタイサンからスーパーGTに参戦したドミニク・ファーンバッハーの父、ホルスト・ファーンバッハーが率いるチームで、フェラーリの経験も豊富。ドミニクもル・マンでタイサンに協力するという。

 すでにチームのフェラーリ458はル・マンに向けて運ばれており、6月1日のテストデーに臨むことになるが、ロシターがスーパーGTに参戦するため、代役としてアジアン・ル・マンでこのフェラーリのステアリングを握った経験をもつ、中野信治が乗り込むことになった。

「本来LMP2のチームでエントリーしていたのですが、チームの問題で参戦できなくなってしまった。レースは参戦できませんが、ロシターにしっかりとバトンを渡せるように、クルマをしっかりと仕上げておきます」と中野。レース時もチームに帯同しアドバイスを行っていくとのことだ。

「今年の目標は、ズバリ表彰台です。そして来年こそはオールジャパンで勝利を目指します」と千葉代表は力強く宣言した。テストデーと同時に開催されるスーパーGTに挑む横溝、密山も「日本でいい結果を残して、ル・マンに向けていい流れを作りたい」と意気込んだ。

 日本でも千葉代表の魅力と情熱に集う“タイサンファミリー”がチームの原動力となっているが、今季はグローバルな“ファミリー”が結集し、8年ぶりのル・マンへ挑むことになる。

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