9月17日に、ツインリンクもてぎで開催されたスーパーGT公式テスト。台風18号のため1日に短縮されたが、このテストに2012年のGT300クラスチャンピオンチームであるチーム・タイサン・剣・エンドレスは、MY12のポルシェ997 GT3Rを持ち込んだ。
昨年の最終戦もてぎでウエットの中、大逆転でチャンピオンを決めたチーム・タイサン・剣・エンドレス。今季も峰尾恭輔/横溝直輝のコンビはそのままに、千葉泰常代表が横溝とともにヨーロッパをまわりチョイスしたという、2013年仕様のポルシェ997 GT3Rの新車を投入し、シリーズを戦っていた。
しかし、今季のポルシェは昨年とは異なり、FIA-GT3シリーズが定める性能調整(BoP)もあり苦戦。最上位は第4戦SUGOでの3位表彰台に留まっていた。そんな中迎えた17日の公式テストでは、2012年仕様のポルシェ997 GT3Rが登場。峰尾/横溝のふたりによって周回を重ねた。
このMY12のポルシェ997 GT3Rは、今季タイサンからENDLESS SPORTSにレンタルされる形でスーパー耐久に参戦していた車両。しかし、ENDLESS SPORTSが今後参戦しない予定とのことで、タイサンに戻ってきていたという。
そんな中、今季スーパーGTを戦っていたMY13のポルシェ911 GT3Rは、第5戦鈴鹿あたりからマシンに不調を抱え、第6戦富士は予選23番手、決勝19位という結果に。どうやらトラブルを抱えていたようで、タイサン千葉代表によれば、MY13をリペアのためドイツのポルシェAGに送ることになったという。「船便で送るため、戻ってきたとしても年内ギリギリ」という状況であり、急遽戻ってきたMY12に白羽の矢が立ったとのことだ。
スーパーGT300クラスに参戦するFIA-GT3車両は、車両規則的には他のシリーズにも参加することができるが、他シリーズに参加することがテストと見なされることもあり、本来であればスーパーGTに参加する車両は、他のレースに出ることができない。ただ、今回のケースでは参戦するための車両がなくなってしまうことから、千葉代表によればGTAの許可も得られたという。そのため、チーム・タイサン・剣・エンドレスは年内はこのMY12を使用することになりそうだ。
今季のFIA-GT3のBoPでは、2012年仕様のポルシェ911 GT3Rはリストリクター径が65mm×1と、MY13の56mm×1に比べ9mm大きく、車重も10kg軽い。直線スピードに関しては強みがあると言われているマシンだ。峰尾/横溝コンビが、王座獲得をともにした愛機でどんな活躍をみせるのか楽しみなところだ。