IZODインディカー・シリーズの今季最終戦ラスベガスで、多重クラッシュに巻き込まれ命を落としたダン・ウェルドンに対し、世界中からTwitterやブログで、レース関係者から偲ぶ声があふれている。
多額の賞金がかけられ、シーズン最終戦という華々しい雰囲気の中でスタートしたインディカー最終戦ラスベガスの12周目、前方グループで発生したクラッシュを避けようと、さらに中団グループで発生したクラッシュに多数のマシンが巻き込まれる形で、近年のインディカー・シリーズでは最悪に近いアクシデントが発生してしまった。
この中で、前車に乗り上げる形で宙を舞ったウェルドンの77号車は大きなダメージを受け、ウェルドンは病院に搬送されたものの、死亡が発表された。
この訃報に接した世界中のレース関係者から、Twitterやブログ、ホームページなどでウェルドンを偲ぶメッセージが寄せられた。2003年から05年までウェルドンが所属したアンドレッティ・オートスポーツは、「これ以上ないくらいの悲しみだ。我々のチャンピオンドライバーのひとりを失った。ダンはこのスポーツで勇気と情熱をみせてくれた。アンドレッティ・オートスポーツはダンの個性を忘れない。そしてダンの家族、現在のチーム、友人たちに心からのお悔やみを申し上げる。ダンはインディカー・シリーズの素晴らしい王者のひとりだった」とメッセージを掲載した。
今回ウェルドンが所属していたサム・シュミット・モータースポーツも、「ダン・ウェルドンは素晴らしいコンペティターであり、偉大なレーサーで、素晴らしい人物であった。我々はダン・ウェルドンをチームの一員だったことが誇りだった。サム・シュミット・モータースポーツの全員が、今深い悲しみに打ちひしがれている。我々の祈りはダンの妻、スージーとふたりの子どもに注がれている」とチームの悲痛なメッセージを発表している。
ドライバーからも、悲しみの声が発信された。インディカードライバーでは同じくクラッシュに巻き込まれたアレックス・ロイドやライアン・ブリスコ、サラ・フィッシャー、トニー・カナーン、オリオール・セルビア、ジェームス・ヒンチクリフ、エリオ・カストロネベス、ライアン-ハンター・レイ、退院したウィル・パワー、EJビソ、そして佐藤琢磨など、ほとんどのドライバーが悲しみのメッセージを発信。
F1ドライバーも、マーク・ウエーバーやセルジオ・ペレス、ヘイキ・コバライネンらからメッセージが発信された。他にもアメリカンレーシング界ではファン-パブロ・モントーヤら、ウェルドンの出場が決まっていたオーストラリアV8スーパーカーからも、所属する予定だったホールデン、チームメイトになる予定のジェームス・コートニーらがウェルドンの死を悼んだ。
日本でも、インディカー・シリーズに長年参戦、テレビ中継の解説を務めていた松浦孝亮、また武藤英紀やロジャー安川など元インディカードライバー、ジョアオ-パオロ・デ・オリベイラらがウェルドンを偲ぶメッセージを発信している。
この世を去ってしまったウェルドン本人も、生前Twitterで自ら情報発信をしていた。ウェルドンのTwitter(http://twitter.com/danwheldon)の最後のツイートは、グリーンシグナル点灯を表すと思われる「Green!!!!」だった。