2009年いっぱいでF1から撤退したトヨタ。その後1年間、海外では大きなモータースポーツ活動を展開していないが、ここに来てさまざまなカテゴリーへの参戦の噂がヨーロッパで報道されている。大きなものではDTMドイツツーリングカー選手権、WRC世界ラリー選手権、そしてWTCC世界ツーリングカー選手権、さらにFIA GT1世界選手権という噂も上がっている。
フランス、イタリアのモータースポーツ情報サイトによれば、現在トヨタはF1参戦終了後さまざまなモータースポーツ活動への検討を行っており、フランスのF1-action.net、イタリアのオムニコルセは『DTMにBMWと同じタイミングで参戦するのではないか』と報じている。F1-action.netは、トヨタF1でシャシーを担当したパスカル・バセロンがモータースポーツ・アクチュエル誌に語ったコメントを紹介している。
「我々はDTMに目を向け続けている」とバセロン。「このチャンピオンシップは我々にとってとても興味深い。それに、テクニカルレギュレーションが他のカテゴリーと同じになればなおさらだ。DTMが現在日本のスーパーGTと交渉している内容が良い方向に行けば、重要な要素になるだろう」と語り、DTMとスーパーGTの技術規則統一が実現したときには、トヨタのフルタイムでのDTM参戦が実現する可能性を示唆している。
また、ドイツのアウト・モーター・ウント・シュポルトは、今季からニッサンGT-Rが参戦しているFIA GT1世界選手権、さらにWTCCにもトヨタが興味を示していると報じている。WTCCのモンツァ戦にはトヨタの首脳陣が数多く訪れていたという。
さらに、イギリスのMotorsport Newsは『トヨタ、WRCに復帰?』というタイトルでトヨタ関係者がWRCラリー・ポルトガルの現場に訪れていたことを挙げ、復帰の可能性を示唆している。一方、F1-action.netはここ数年報じられていたハイブリッドを搭載したプロトタイプカーによるル・マン24時間参戦は、現段階では可能性が低いという。
豊田章男社長はトヨタF1の撤退記者会見の際、今後はグラスルーツでのモータースポーツ活動の推進を目指すと語り、国内ではスーパーGT、フォーミュラ・ニッポン、全日本F3などの活動は継続しつつも、GAZOO Racingやプリウスカップなど、新たな試みを実施している。