シボレーWTCCチームは20日、ニコラ・ラリーニが今季最終戦のマカオをもってWTCC世界ツーリングカー選手権から引退すると発表した。元F1ドライバーであるラリーニは20年以上におよぶトップカテゴリーでのレースから退くことになる。
2005年にシボレーがWTCC参戦をスタートさせて以来チームのドライバーとして活躍したラリーニは、今季のマラケシュでの1勝を含む14回のポディウムフィニッシュを達成。シボレー・ラチェッティ、クルーズの開発に貢献した。
1987年にコローニでF1デビュー、オゼッラ、リジェ、モデナなどを渡り歩き、1994年にフェラーリを駆って第3戦サンマリノGPで表彰台を獲得したラリーニは、並行してツーリングカーレースで大成。1993年のDTMチャンピオンをはじめ、アルファロメオでDTM、ITCで数多くの勝利を挙げた。
今回のラリーニのWTCCからの引退は、45歳となるラリーニが今以上に家族との時間を大事にしたいこと、そして自分の興味に対してもっと時間を割きたいというのが理由だという。
「モータースポーツの世界で、僕は本当に長い間過ごしてきた。今こそ、僕が違った形でレースに関わる時だと判断したんだ。もっと家族との時間を大切にして、僕の興味のあることに時間を使いつつね。僕はこのマカオで、WTCCにさよならを言う。でも、僕のレーシングキャリアはまだ終わりじゃないよ。レースは続けるけど、今のように私生活に重荷になることはしないつもりだ」とラリーニ。
「シボレー、そしてRMLと過ごした5年間は、フェラーリ/アルファロメオで過ごしたのと同じくらいのキャリアになった。僕の人生の中でもとても大事な、素晴らしい時間だった。この5年間の彼らのサポートに心から感謝しているし、彼らの将来の成功を願いたい」
日曜日に決勝レースが行われる最終戦マカオのふたつのレースが、ラリーニがシボレー・クルーズを駆る最後のレースとなる。