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F1ニュース

投稿日: 2011.06.17 00:00
更新日: 2018.02.16 03:02

ルノー、新規則延期の動きに怒り。F1撤退を示唆


 2013年のF1新エンジン規則導入が延期される可能性が出てきたことに関し、ルノーは今自身はF1参戦に関して“レッドゾーン”にいると述べ、あくまで延期に反対する姿勢を明らかにした。

 FIAは2013年から1.6リッター4気筒ターボエンジンを採用することを決定、3日に行われたFIA世界モータースポーツ評議会会合でテクニカルレギュレーションの変更が承認された。しかしこれを発表するFIAの声明には、導入時期の延期に関し検討される可能性があると記されていた。

 延期にはチームとエンジンメーカーが全会一致で同意することが条件になるとみられるが、ルノーは合意するつもりはないと述べている。

 ルノー・スポールのマネージングディレクター、ジャン-フランソワ・コーベは、次のように語った。
「今の段階で我々は気持ちを変えていない」とコーベ。
「ジャン・トッドとバーニー(・エクレストン)に、我々は新エンジンへの動きを推し進めていると話した。F1の活動を続けると決めた際、取締役会において3つの条件がはっきり示されていた」
「ひとつめは、エンジンテクノロジーを(市販車に)より関連あるものに変え、F1と製品の間につながりを見つけること。ふたつめはコストを削減すること、3つめはいい成績を挙げることだった」
「我々はコストを半減し、レッドブル・レーシングとルノーによっていいパフォーマンスを発揮した。しかし市販車との関連が我々にとっては重要な問題となっている。フェラーリ、メルセデス・ベンツ、コスワースに関する話は承知しているし、自動車メーカーとは何度も会合を持っている。だが今のルノーはこの立場を変える気はない」
「バーニーとジャン・トッドに対し、今我々は、ルノーの将来が分からず、“レッドゾーン”にいるのだということを話した」

 コーベは、規則変更のプランが変えられれば、市販車との関連性において問題であるとともに、ルノー社の上層部との間に信頼性の問題が生じると主張している。
「新レギュレーションが実行されず、規則が変わることになれば、我々は状況をコントロールすることができず、取締役会との間で問題になる」
「日産にF1の将来について説明し、日産とインフィニティにF1への扉を開いた」
「(彼らにとっては)長期的な戦略であり、今年のブランディングだけの話ではない。彼らは新エンジンに関してルノーに追従したのに、今我々は自分たちがどこにいるのか分からなくなっている」

 フェラーリは1.6リッター・ターボエンジンのコンセプトに全面的に反対しており、メルセデス・ベンツとコスワースは、新エンジン構想について話し合う姿勢を見せているものの、コストの問題を懸念している。

 2013年の導入が延期された場合、ルノーはF1エンジンマニュファクチャラーとしての活動から撤退するのかと聞かれ、コーベは次のように答えた。
「もしルノーにおいて『新エンジンの導入は2015年になった』と言うことになったなら、信頼性がゼロになる。延期の問題はそれなのだ」
「そんな風に1日ごとに変わってしまっては、我々は取締役会に12月に新エンジンについて説明し、次の11月には2015年の話だと言うことになる。重要なのは信頼性だ。繰り返しになるが、我々はレッドゾーンにいる」
「我々は新エンジンに1000万ドルを費やし、20人のスタッフを雇っている。彼らを送り返せるか?」