FIA会長ジャン・トッドは、2013年に新しいエンジン規定を導入するという計画を延期する気はないが、2013年には現在のV8エンジンを使用することを許可するという妥協案を、エンジンマニュファクチャラーに対して提示した。
FIAは2013年から1.6リッター4気筒ターボエンジンを採用することを決定した。この件についてトッドはスペインGPの土曜にチームおよびエンジンメーカーの代表者たちと話し合いを行った。
情報筋によると、コスワース、メルセデス・ベンツ、フェラーリは、2013年の規則変更への懸念を示す共同書簡をトッドにあてて書いたという。一方でルノーと、クレイグ・ポロックが立ち上げたPure社は新エンジン規則の施行を求めており、チーム側の意見は統一されていない。
そんななか、トッドは2013年のエンジン新規則導入を延期するつもりはないと述べたものの、バーニー・エクレストンによれば、トッドは2013年の1年間は現在のV8エンジンを使用することも許可するという案を出したということだ。
しかしエクレストンはロイターに対し、「今彼(トッド)は、V8を(さらに)1年使用することを許すといった話をしている。だが同等化の作業はうまく機能しないものだ」
「全マニュファクチャラーが、大きなコストがかかるだろうこと、エンジンが高額になりすぎてカスタマーに提供できなくなってしまうだろうことを悟っていると、彼は理解し始めたのだと思う」
V8エンジンを1年長く走らせることが許可されればチームは助かる面もあるが、2013年にV8を使用することを決めた場合にも、シーズンの戦いと並行して新エンジンの開発を行わなければならないため、コスト上のメリットはほとんどないと思われる。