全日本選手権スーパーフォーミュラ第4戦は4日、ツインリンクもてぎで52周の決勝レースが行われ、ポールポジションからスタートした中嶋一貴(PETRONAS TOM'S)がチームメイトのアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S)との息詰まる攻防を制し、今季初勝利を飾った。
ツインリンクもてぎで迎えた全日本選手権スーパーフォーミュラ第4戦の決勝レース。午前中は晴天に恵まれていたものの、スーパーフォーミュラの決勝レースを目前に、もてぎ上空は雲が厚くなり始める。各陣営、タイヤ選択に頭を悩ませることとなったが、グリッド上での作業が禁止されたスタート5分前をすぎた直後、雨がもてぎに降り始めた。
コース全周に渡ってわずかに路面が湿った状態でフォーメーションラップのスタートが切られたが、マシンは全車スリックで、かつタイヤは冷えた状態。迎えたオープニングラップは荒れた展開となった。
ポールポジションの一貴がスタートを決め、トップで1コーナーに向かうものの、5番手スタートのアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S)がスリッピーな路面での強さをみせつけ、一気に2番手に浮上。さらに、ジョアオ-パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)とロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO)が競り合うが、デュバルが3番手をキープしていく。
序盤、後方ではスリッピーな路面で多くの混乱が起きる。12番手スタートの小林崇志(HP REAL RACING)が5コーナーでコースオフ。また、5番手を争っていた伊沢拓也(DOCOMO DANDELION)と山本尚貴(TEAM無限)が接触。伊沢がコースアウトし、そのままマシンを止めてしまった。また、コースの各所で接触等が発生。安田裕信(KONDO RACING)と嵯峨宏紀(TOCHIGI Le Beausset)が接触、また平手晃平(P.MU/cerumo・INGING)もマシンを破損した。
大荒れの序盤戦が展開されるうちに雨は止み、少しずつ路面が乾き始めると、一貴が2番手ロッテラー、3番手デュバルとのギャップを築き始める。一方で中団グループで序盤戦を戦っていたメンバーの一部は、早めにピット作業を終えるストラテジーを展開してきた。
トップの一貴はファステストラップを連発しながら中盤までに5秒ほどのギャップを築くと、ピットインを目前にしてスパート。34周を終え2番手ロッテラーが、翌周に3番手デュバルが、そして36周目に一貴がピットに向かい、ルーティンの作業を実施。しかし上位陣の順位は変動せず、終盤戦を迎えた。
チェッカーに向け、スパートをかけてきたのは2番手ロッテラー。少しずつ一貴とのギャップを削り始めるが、一貴は同様にスパートをかけ、2秒台まで詰められた間隔を再び広げることに。残り周回がわずかになると、上位4台がファステストラップを応酬し続ける展開となるが、一貴が最後まで集中を保ち、トップでチェッカーを受けた。
2位はロッテラー、3位はデュバル。4位にはオリベイラが入り、外国人ドライバーが2〜4位に。5位には国本雄資(P.MU/cerumo・INGING)とのバトルを制した小暮卓史(NAKAJIMA RACING)が入った。
