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スーパーGTニュース

投稿日: 2011.08.22 00:00
更新日: 2018.02.16 04:14

伊藤「次につながるレースだったと信じている」


LEXUS TEAM LeMans ENEOS

SUPER GT RACE REPORT
Round5-SUZUKA
1LAP=5.807km(Race:87LAPS) 500kmRACE
DRIVER:伊藤大輔/大嶋和也

雨に翻弄される荒れたレース、懸命の走行で8位フィニッシュ。

 毎年恒例の鈴鹿戦は、今年も『ポッカGTサマースペシャル』として開催された。例年耐久レースとして行われるこの一戦、今年はレース距離が短縮され、500kmレースとしての開催となった。決勝レースでは、2回のドライバー交代を含むピットインが義務付けられ、ピット合戦を含む戦略面での争いも見物になると予想された。

 8月20日(土)、ノックアウト方式で行われた予選は、まずQ1が12:55~13:25の30分間、300クラスとの混走で行われた。まずは伊藤がニュータイヤで出走し、基準タイムをクリア。大嶋に交代し、混走時間帯を終えると、続く500クラス専有時間帯に備えた。13:35~13:45の10分間で500クラス専有が行われ、ここは大嶋のタイムアタック。上位11台が次のQ2へ進めるところ、11番手で次ステージへ進むこととなった。Q2までに約1時間半のインターバルを経て、Q2は15:35~15:45の10分間、500クラス専有で行われた。開始前に雨が降り始め、完全なウェットコンディションの中、ウェットタイヤで大嶋がアタック。上位7台がQ3へ通過できるものの、大嶋は2'10.456で9番手、惜しくもここで予選を終え、決勝は9番手グリッドからスタートすることとなった。

 8月21日(日)、朝からずっと降り続いた雨は、マシンがグリッドに付く頃にも雨脚を強めたり弱めたりしながら止むことはなかった。グリッド上で深溝のレインタイヤをチョイスしたLEXUS TEAM LeMans ENEOS、ここまでの戦いと同様、大嶋がスタートドライバーを務めた。スタートの後、雨が弱まったコース上では浅溝のレインタイヤを装着したマシンがタイム、ポジションともに上げて行く中、大嶋はタイムが伸び悩み、16周目には13番手までポジションを落としてしまう。そこでチームは急遽作戦を変更、予定より早めのピットインを行うことに。19周目を終えてピットに入り、ドライバーは伊藤に交代、給油、タイヤ交換を行い、浅溝のレインタイヤを装着して再びコースイン。一時雨量が増したものの、すぐに弱まり、浅溝に有利なコンディションに変わりはない。伊藤は他車のピットインもありながら、43周目には7番手まで順位を上げた。しかしその周、他車のクラッシュによりセーフティーカー(SC)が導入され、各クラスいったん隊列を整え、SC先導で数周走行したのち、47周目でレースがリスタート。ENEOS SUSTINA SC430は、1回目のピットインが予定よりも早まったことにより、次のピットインは燃費計算を綿密に行ったうえで行う必要があり、54周を終えたところで2度目のピットイン。ドライバーは再び大嶋へ、給油とタイヤ交換を行った。タイヤは同じく浅溝のレインタイヤを選択。この頃には雨はほとんど降っておらず、コース上には乾いた箇所が多くなっていた。大嶋は数周の走行ののち、自らスリックタイヤへの交換を希望し、62周を終えてタイヤ交換のためピットイン。他車に先んじてスリックタイヤを選択した大嶋は、途中ハーフスピンを喫する場面もあったものの、69周ではその時点でのファステストラップ2'02.498を刻みつつ、前車を猛追。10番手でバトンを受け取ってから、7番手まで追い上げを見せた。規定周回数を迎える前に、レース最大延長時刻の18:30を迎え、最後の2周で1台に先行された大嶋は8位でフィニッシュ。貴重な3ポイントを獲得した。

⇒黒澤琢弥 監督のコメント:
「予選ではアンダーステアが強く、そこに悩んでいました。ドライバーも思い切った気持ちの良いアタックはできず、クルマをコントロールしながらのアタックになってしまって、結果ポジションも上げることができませんでした。決勝は長丁場の500kmなので、色々なドラマがありました。その上今回は雨が降ったり止んだり、そしてまた降ったりという天候で、そこに対する運の部分もあったでしょうね。序盤に前のクルマについていけずに順位を下げてしまったことで、予定していた戦略を変えなくてはならず、ポジションを回復するために予定より早く大嶋のスティントを切り上げて、そうしたために燃費を気ながらのレースとなり、ペースを上げられなかったという事情もありました。とにかく荒れたレースだったなという印象です。私たちが表彰台に立てなかった敗因は、やはり序盤にペースを上げられなかったクルマのバランスでしょう。そこは謙虚に究明して次に生かさないと、後半戦まだまだ大事なレースが残っていますので。そこが解決できれば、次の富士での私たちの勝算は、ずいぶん大きくなると思ってます。」

⇒伊藤大輔のコメント:
「レースの展開としては客観的に見ても面白く、やっている僕たちにとっては難しいレースでした。8位という結果は、もちろんもっと上で結果を残したかったという気持ちですが、自分たちに出来る範囲のことをチーム皆で全力でやって、監督、エンジニアの作戦面での判断も 良かったと思うし、大嶋も頑張ってくれた結果なので、きっと次につながると信じています。次の富士でも全力で頑張ろうと思います。ご声援ありがとうございました。」

⇒大嶋和也のコメント:
「フリー走行での走り始めはクルマの調子はそう悪くなかったのですが、予選でコースインした時にアンダーステアが強くなってしまって、Q1はギリギリ通過できたんですけど、Q2では急に雨が降ってきてレインタイヤで出て行ったんですが、その10分間で詰め切れなかったところもあるし、詰められたところでポジションはあまり変わらなかったかなとも思います。決勝に向けては少しでも良くなるようにと思って色々作戦を練ってスタートしました。序盤はタイヤの使い方もあまり上手く行かなかったという反省点もあるんですが、ミスも多かったです。ファーストスティントに関しては不満の残る結果でした。大輔さんに代わって、作戦が上手く行って順位も挽回できていたので、最後の僕のスティントでは、さらに上に行こうと思って頑張りました。僕が浅溝のレインタイヤで走り始めた時に、かなり路面が乾いてきていたので、早めにスリックタイヤに換えて勝負に出ましたが、10秒程度僕のドライビングでミスをした部分もあったので、その程度のタイム差なら結果として順位は一緒だっただろうとは思いますが、僕自身納得のいくレースではなかったですね。ドライバーでロスした部分も今回は多かったと思います。ただ最後ドライで走っていた時のクルマのフィーリングはすごく良かったし、富士に向けてはポジティブな要素がたくさんあるので、上位陣のウェイトが今回でかなり重くなることもあるし、優勝狙って頑張ります。」


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