全日本F3選手権は17日、スポーツランドSUGOを舞台に第16戦の決勝レースが行われ、ニック・キャシディ(PETRONAS TOM'S F314)がポール・トゥ・ウイン。今季6勝目を挙げ、タイトル獲得に王手をかけた。F3-Nでは小河諒(KeePer TOM'S F306)がライバルを寄せ付けない速さで優勝を飾った。
トムスのキャシディと山下健太(PETRONAS TOM'S F312)が同ポイントというまれに見る状況で迎えた最終戦。キャシディがこの第16戦、そして18日の第17戦でともにポールポジションを獲得した一方、山下のグリッドは3番手。ややキャシディに分があると言える状況の中、18周の決勝レースがスタートした。
キャシディがホールショットを決め、ルーカス・オルドネス(B-MAX NDDP F3)、山下健太(PETRONAS TOM'S F312)とグリッド順に続く形でレースは進行していった。トップのキャシディは序盤からハイペースで周回を重ね、7周を終える頃には5秒以上のマージンを築き独走態勢となった。
一方、早い段階で2番手にポジションを上げてチームメイトとのバトルを仕掛けたい山下だったが、ペースを上げられずにオルドネスを攻略できない。さらに、後方からは4番手の福住仁嶺(HFDP RACING F312)が徐々に山下との差を縮める展開に。福住は14周目に山下を捉え、3番手に浮上することに成功した。
首位のキャシディは最後まで独走で走り切り、終わってみれば2位に8秒の差をつけるとともに、ファステストラップもマークして完勝。2位にはオルドネス、3位には福住という結果となった。山下は、ファイナルラップのホームストレートで福住に並びかけるもオーバーテイクには至らず。コンマ1秒差で4位となった。
チャンピオンシップ争いでは、キャシディがこの日だけで13ポイントを獲得し、118ポイントで単独首位に浮上。18日の決勝で5位に入ればチャンピオンが確定する。ランキング2位の山下は108ポイントとなり、ふたりの差は10ポイントに。山下にとっては、第17戦での優勝+ファステストラップが戴冠の最低条件となり、さらにキャシディが6位以下となればチャンピオンを獲得することができる。
F3-Nでは、小河がトップでチェッカー。すでにタイトルを獲得している小河はここまで6連勝とチャンピオンの風格を感じる走りを見せた。2位には三浦愛(EXEDY RACING F307)、3位にはDRAGON(B-MAX RACING F308)という結果となっている。