全日本F3選手権の第2大会がツインリンクもてぎで開催され、5月10日には決勝レース第4戦、第5戦が行われた。この2戦で連勝を飾り、ランキングトップに躍り出たのが山下健太(PETRONAS TOM’S F312)。第3戦を制したチームメイトのニック・キャシディは、2戦ともに3位。そして、F3-Nでも小河諒(KeePer TOM’S F306)が連勝し、ランキングトップに立つこととなった。
土曜日には曇天だったツインリンクもてぎ。日曜日には青空を取り戻し、さわやかな風も吹いて絶好のレース日和となった。午前に行われた決勝レース第4戦は、第3戦同様14周で争われた。ポールシッターの山下は無難なスタートを決めるも、より鋭いダッシュを決めた高星明誠(B-MAX NDDP F3)に、ぴたりと背後に食らいつかれてしまう。
その高星は5コーナーで仕掛けるつもりが、進入でアンダーを出してしまい、逆転できず。その後も大きく遅れず続いていくが、6周目にタイム差を1秒に離されると山下にペースを合わされてしまう。差を詰める決め手も欠いた高星は、キャシディこそ引き離したものの、最後まで抵抗を許してはもらえなかった。3位はキャシディが獲得。スタート直後こそ福住仁嶺(HFDP RACING F312)に迫られたものの、しっかりガードを固めた後は、前からも後ろからもプレッシャーを感じぬ単独走行に。
「第3戦はポールからのスタートだったのに、そこで前に行かれて最後までそのままだったので、今日は普通にスタートを決めて勝ちたいと思っていた。そのとおりになって良かったです。久しぶりの優勝は嬉しいですけど、午後にもレースがあるので、集中を切らさないようにしないと。次は長いレースですけど僕はニュータイヤを残しているので、2番手からのスタートですが逆転したいと思っています」と優勝を飾った山下。
F3-Nでは「とにかく止まらないで、スタートでちゃんと動きたい」と語っていた小河。そのとおりの展開にしたものの、またしても三浦愛にトップを奪われてしまう。しかし、遅れることなく三浦愛の後に続いて逆転のチャンスを待つ。そして、その機会は早くも訪れた。三浦愛が3周目の1コーナーでクラス違いの車両と接触。その脇をすり抜けることに成功したのだ。トップに立った小河は逃げ続け、差が3秒にまで広がってからは三浦愛にペースを合わせたかと思われたが、実はそうではなかったようだ。
レース後に小河は「最後までプッシュし続けられず、僕としては特に終盤のラップタイムに納得がいっていない」と語った。ともあれ、強い小河が蘇りつつあるのは間違いないようだ。三浦愛に続く3位はDRAGON(B-MAX Racing F308)が獲得、終盤に三浦勝(アルボルアアルデアCMS306)に迫られるも、辛くも振り切ることに成功している。
第4戦の終了から約5時間。興奮も醒めやらぬうちに、20周で争われる決勝レース第5戦のスタート進行が開始される。グリッドは第3戦の結果で決められたため、ポールポジションからスタートするのはキャシディで、2番手は山下。2列目には高星と福住が並ぶこととなった。このうちニュータイヤを温存していたのは山下と福住。その違いがスタート直後に、明確に現れることとなった。
鋭い蹴り出しで山下がトップに立ち、福住もまた高星ばかりか、キャシディも抜いて2番手に浮上。その福住もオープニングの1周だけで1秒の差をつけられるほど、山下のペースは他を上回っていた。ひとり1分46秒台を終盤まで連発されては、誰もついていくことができない。最後は約10秒差の圧勝で2連勝を飾るとともに、ランキングのトップにも浮上する。
「今回もスタートが決まって、そのまま逃げられたので、いいレースだったと思います。スタートもビックリしましたが、ランキングトップに立てたこともビックリ(笑)。ただ、まだまだレースはいっぱい残っていますので、これからも一戦、一戦、大きなポイントを獲り続けていきたいと思います」と山下。
福住の2位は自己ベスト。「いちばん走っている前回の鈴鹿で表彰台に立ちたかったんですが、まだ課題は残っているし、仕方ないですね」と福住はレースを振り返った。3位のキャシディ、4位の高星に続いたのは、この週末の3戦すべて5位の高橋翼(HFDP RACING F312)だった。
F3-Nでは課題だったスタートを完璧に決めた小河が3コーナーで三浦愛をかわしてトップに浮上。1周目こそ小河の背後につけた三浦愛だったものの、その先は抵抗を許されなかった。「今回はスタートを決めて、ずっとプッシュし続けて勝つのが目標だったので、すべて完璧な展開にできて良かったです」と小河。これで3勝目となり、三浦愛に10ポイントの差をつけることとなった。3位は5戦連続となるDRAGON。「最初のうちは表彰台に立てるだけで嬉しかったけど、最近は(苦笑)。今後はひとつでも上を目指したいです」と語った。
