全日本F3選手権は6日、第8戦・第9戦の予選、第8戦の決勝レースが富士スピードウェイを舞台に行われ、第8戦の予選ではルーキーの福住仁嶺(HFDP RACING F312)が自身初のポールポジションを獲得、第9戦の予選ではニック・キャシディ(PETRONAS TOM’S F314)が自身4回目のポールポジションを獲得した。引き続き行われた第8戦の決勝レースでは、福住はトップを守り切れず、山下健太(PETRONAS TOM’S F312)が逆転を果たし、今季4勝目を獲得した。
金曜日の専有走行こそコンディションに恵まれたものの、その直後から土曜日の未明まで降り続いた雨によって、午前9時からスタートの予選は一部に濡れた場所を残したままに。それでも予想以上に回復が早かったこともあり、全車がスリックタイヤを装着して走行することとなった。予想どおり、どの選手も走り始めのタイムは低調だったものの、路面状況の向上とともにどんどんタイムが更新されていく。
めまぐるしくトップが変わっていく中、最後の計測ラップで1分35秒484をマークして、自身初となるポールポジションを獲得したのは福住。今回は普段以上に僅差で、その福住からコンマ1秒以内に山下、高星明誠(B-MAX NDDP F312)、高橋翼(HFDP RACING F312)の3人も並ぶこととなった。「初めてのポールポジションは緊張しますが、しっかりスタートを決められるよう、集中していきたいと思います」と福住。
10分間のインターバルで第9戦の予選が行われ、路面状態の向上を示すかのように、今度は早々と好タイムが打ち立てられる。「第8戦の予選はトラフィックに引っかかってしまったから、第9戦では一度ピットに戻って間隔をあけてきた」というキャシディが、狙いを的中させて山下や福住がベストタイムを更新した後に、さらに上回るという展開をラストの2周で続け、1分34秒729を叩き出して第6戦以来となるポールポジションを獲得した。2番手は高星、3番手は山下、そして4番手は福住が獲得し、ここまでが1分34秒台をマークしている。
F3-Nでは、金曜専有走行を走れなかった影響もあり、小河諒(KeePer TOM’S F306)は第8戦の予選で、三浦愛(EXEDY RACING F307)に続く2番手に。だが、続く第9戦の予選ではアジャストもできた小河が、逆に三浦愛を従えることとなった。
そして、予選終了から約4時間、第8戦の決勝レースが行われた。依然として雲はサーキット上空を覆ったものの、路面は完全に乾いてコンディションは上々。そんな中、ポールシッターの福住は無難なスタートを切ったものの、山下はストールしかけて高星の接近を許してしまう。1コーナーで並びかけられた山下だが、しっかりガードを固めて高星の逆転を許さず。さらに山下はその間に逃げかかった福住にセクター3でしっかり差を詰めていく。
オープニングラップ終了時点ではコンマ4秒差ではあったが、スリップストリームを使って前に出ることができない山下は、1コーナーだけの勝負を避けることに。しばらく、けん制のみ続けて、虚を突く格好としたのは6周目のパナソニックコーナー。インを刺されて、アウトにはらんでしまった福住は加速が鈍り、ようやくスリップストリームが使えた山下が7周目の1コーナーで逆転に成功。続いて福住に襲いかかったのは高星とキャシディ。8周目のストレートで並んで、1コーナーへの飛び込みはまさにスリーワイド。このバトルを制したのは、イン側のラインを選んでいたキャシディだった。高星も9周目の1コーナーで福住をかわすことに。
そのバトルの間にトップ山下は、一気にリードを広げ、キャシディを2秒半も引き離す。この貯金が、最後に活きることともなった。ラスト5周のペースは明らかにキャシディの方が上回り、最終ラップには予選タイムをも上回るファステストラップを打ち立てていたからだ。しかし、何とか差を1秒半にまで詰められるに留め、山下は何とか逃げ切りを果たす。そんな展開とあって、山下は「なぜ後半のペースが僕だけ落ちているのか、しっかり解明しないと明日のレースは長いだけに、苦しくなってしまう」と、すでに今季4勝目の獲得よりも次のレースの方を見据えていた。
2位はキャシディで、3位は高星。福住は12周目に佐々木大樹(B-MAX NDDP F312)にもかわされ、最後は石川京侍(TODA FIGHTEX)に迫られたが、辛くも振り切ることとなって5位でゴールした。F3-Nでは小河が好スタートを決めて、トップで1コーナーをクリア。その後は最後までハイペースで走り続けて、三浦愛を一切寄せつけず。最後は8秒差での圧勝とした。「明日はポールからのスタートですから、今日以上のギャップを作りたいです」と優勝した小河は語った。
