全日本F3選手権第5戦が、12日午後にツインリンクもてぎで開催され、中山雄一(PETRONAS TOM'S F312)がポール・トゥ・ウインを達成、今回のもてぎラウンドを全勝で終えている。
ツインリンクもてぎで行われた全日本F3選手権の第2ラウンドは、今季初の1大会3レース開催。最後のレースとなった第5戦は、午後4時10分にスタートが切られ、ポールポジションからスタートしたトムスの中山が優勝した。F3-Nクラスでも、高星明誠(S Road NDDP F3)が優勝を飾り、開幕5連勝を達成している。
第5戦の決勝グリッドは、第3戦の結果によって決まるため、ポールポジションは中山が獲得。中山は、開幕以来すべてのレースで最前列からスタートを切っている。2番手にはチームメイトの勝田貴元(PETRONAS TOM'S F312)がつけ、3番手に戸田レーシングの野尻智紀(TODA FIGHTEX)。その脇の4番手にはB-MAXエンジニアリングの千代勝正(B-MAX・F312)が並んだ。
注目のスタートは、中山がそつなく決めてトップをキープ。勝田を従えて1コーナーに進入する。その後方では、千代が野尻を抜いて3番手につけた。オープニングラップはこの上位3台が連なって走っていたものの、千代は徐々に遅れをとり始める。
上位3人の背後では、野尻、松下信治(HFDP RACING F312)、清原章太(HFDP RACING F312)の3台が激しく4番手を争い、2周目に清原が松下をかわして5番手に上がる。三つ巴のバトルはしばらく続いたが、ピットレーンスイッチが突然作動してしまった野尻が7周目にスローダウン。野尻はこれによりHFDP勢の先行を許すが、すぐにペースを持ち直して2台に続いていく。
4位を争うこのグループは、オープニングラップで順位を上げた千代にも迫っていくが、逆転の決め手は欠き、結局は等間隔のままフィニッシュ。3位を守った千代は、第2戦以来となる表彰台を獲得した。
一方、トムス勢のトップ争いはあっさりと決着した。中山がファステストラップを連発して勝田との差を広げ、5周目には2秒の貯金を築く。勝田も懸命にプッシュし続けたものの、終盤わずかに差を詰めるのが精いっぱいだった。「レースのラップには納得いかないけれど」と語った中山は、これで4連勝。もてぎの3戦すべてでポイントフルマークに成功した。
F3-Nクラスでは、高星が好スタートを切るも、さらに鋭いスタートを決めた武平良介(KCMG F308)がスタートでポジションをひとつ上げたばかりか、5コーナーでトップに浮上する。ただ、先頭を走ったのは一瞬だけで、直後のS時コーナーで高星に抜き返されたのに加え、2周目の90度コーナーではナニン・インドラ・パユーング(PTT SPIRIT F307)にもかわされてしまう。
一方、高星は今回も早々に独走態勢に持ち込んだものの、終盤に入ってマシンのバランスが悪化。2位のインドラ・パユーングに、一時は4秒以上あった差を1秒を切るまでに詰め寄られたが、プレッシャーを感じるまでには至らず、トップでチェッカーを受けた。
