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スーパーGTニュース

投稿日: 2015.04.13 00:00
更新日: 2018.02.17 07:18

初音ミクSLS、雨に翻弄された岡山で5位入賞


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2015年4月吉日
株式会社グッドスマイルレーシング

GOODSMILERACING & TeamUKYO レースレポート1
難しいコンディションだった開幕戦岡山は5位!

SUPER GT 第1戦
会期:2015年4月4~5日
場所:岡山国際サーキット(岡山県)
天候:雨
動員:2万6000人(2日間)
予選:7位 決勝:5位

■4月4日(土) 大激戦の末、7位を獲得した予選

 金曜日は大雨だった岡山国際サーキット。予選が行なわれる土曜日は曇天となり、昼前にはコースもドライに変わっていた。午後からの予選は今年もQ1(予選1回目)とQ2(予選2回目)の2段階で振り落とされるノックアウト方式が採用される。

 Q1は片岡選手がアタック。「1'27.580」のベストタイムで上位に位置していたものの、時間が進むにつれてまわりのライバルもスピードを見せてきた。最終的に10番手のタイムとなり、無事にQ1を通過した(13番手以下は足切り)。

 Q2を担当したのは谷口選手。コースインして数ラップでベストタイム「1'27.288」を叩き出して暫定1位にいたものの、26秒台を記録するライバルもおり、また27秒台に10台以上という大激戦の中、なんとか7位で踏みとどまった。

 この結果を受けて、決勝レースは7番グリッドからのスタートになる。

■4月5日(日) 雨に翻弄された決勝レース
 決勝日は朝から雨が降っていたものの、グリッドウォーク前には上がり、スタートはスリックで行くのかインターミディエイト(浅溝)のタイヤで行くのか、難しい判断を強いられた。雨は上がっていたが路面は濡れており、さらにレース開始後に雨が降るという情報もあり、ウォームアップ走行ではスリックを履いていたが、さすがに勝負できないと判断したチームはスタート直前でインターミディエイトを選んだ。スリックで勝負を賭けたライバルたちもいたが、このことがレースの明暗をわけることになった。

 スタートドライバーは片岡選手。ローリングスタートの1周目から勝負を仕掛ける。7番手からスタートし、1周目が終わる頃には4位にまでジャンプアップしていた。なお、スリックを履いていたライバルはここですべて脱落した。

 その後順調に周回を重ねるものの、予選から速さを見せていた21号車(Audi R8 LMS ultra)が背後に迫っており9周目にはついに抜かれてしまった。さらに10周目にはもう1台のアウディ86号車(Racing Tech Audi R8)にも抜かれ、6位にダウンしてしまう。

 圧倒的なスピードで走る上位陣に少しでも追いつくべく、片岡選手も懸命にタイムを削るが、ハイブリッド勢とアウディ勢はどんどん差を広げていく。そんな中、徐々にタイムを落としてきたのが10号車(GAINER TANAX GT-R)。目の前まで来た10号車をロックオンしたものの、その隙を突いて後ろから77号車(KSF Direction Ferrari 458)がグッドスマイル 初音ミク SLSに襲いかかる。

 開幕前のテストから速さを見せていた77号車は、決勝レースでもその速さは健在。惜しくも25周目に抜かれてしまい7位にダウン。スターティンググリッドの位置まで戻ってしまった。7位を守ったまま片岡選手は走り続け、途中、10号車のピットインもあり6位にアップ。そして39周目にピットインをする。

■刻一刻と変わる路面状況に臨機応変に対応し、5位ゴール
 ピットインまでにはさまざまな思惑が飛び交っていた。ピットインの直前まで雨は止んでおり、路面も乾きつつあったのだが、ピットインを予定しているタイミングで再び雨が降るという情報もあった。ピットイン直前まではチームはスリックに望みを賭けており、ピットロードに用意されていたタイヤもスリックだったのだが、ギリギリまで片岡選手に引っ張ってもらい、スリック、インターミディエイト、レインと3種類のタイヤを前に、改めてタイヤのチョイスを議論した。この結果、終盤は雨が降ると予測し、レインタイヤ(深溝)を決断。谷口選手にすべてを託したのだった。

 アウトラップは7位と順位をほぼ下げることなく復帰。44周目には77号車を抜き返して6位に浮上した。1~4位までとはかなり差が開いてしまったが、ミクSLSより先にピットインをしていた10号車が再び順位を落としていた。さらにこのタイミングで雨量が増えてくる。65周目に10号車を抜いて5位にアップ。4位を走る86号車との差はいつの間にか6秒差まで縮んでいた。

 谷口選手はタイヤを労りつつスパートをかける。この時点で残り10周程度。表彰台には乗れなくてもひとつでも順位を上げようと、86号車に襲いかかる。6秒あった差が、72周目には1.5秒に、73周目にはなんと0.5秒とテールトゥーノーズになっていた。しかし、74周目に周回遅れのマシンに引っかかってしまい、また3秒差まで戻されてしまう。残り2周で1.5秒差まで詰め、ファイナルラップには抜く寸前までいったのだが、0.2秒の僅差で抜くことは叶わずチェッカーとなった。

 GSRとしては2012年から続いた岡山での連続表彰台の記録は途切れてしまったが、路面状況が刻一刻と変わる非常に難しいコンディションの中、無事に5位でゴールできたことは幸先のいいスタートだったと言える。この結果から6ポイントを獲得でき、シーズンランキングも5位となった。

 次戦は勝率の高い富士スピードウェイにて5月2~3日に開催される。ここで大量のポイントを獲得して、シーズン序盤に弾みをつけたい。