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スーパーGTニュース

投稿日: 2011.08.22 00:00
更新日: 2018.02.16 04:14

寿一「まとまったレースができたと思う」


2011年SUPER GT 第5戦

「D'STATION KeePer SC430
難しい500kmレースで7位ポイントゲット!」

 スーパーGTでは恒例となった、真夏の大イベント「Pokka GT SUMMERSPECIAL」が三重県は鈴鹿サーキットで開催された。

 木曜日までは今年最高と言われる暑さに悩まされた日本列島だが、搬入日となる金曜日は驚く程の涼しさの中、時折小雨がパラつく鈴鹿サーキット。体感的にはまるで9月の下旬かと思わせる様な気温と、今ひとつすっきりとしない空模様のもと、Pokka GTのレースウィークが始まった。

 今年で40周年を迎えるこの大会、今回は東日本大震災復興支援大会と位置付けられ、節電の見地からレース距離も500kmへと短縮。08年までの1000kmからは半分の距離となるが、それでもシリーズ最長の距離を誇り、耐久レース的色合いの強い本大会。

 過去、この夏の鈴鹿のレースでは良い成績を残し、チームとしても非常に相性の良い大会である事から・・・ここまでの悪い流れを完全に断ち切りたい「LEXUS TEAM KRAFT」は必勝態勢で鈴鹿へと到着。

 前戦、マシンのコンディションは上がって来たものの・・・アクシデントにより惜しくもリタイアを喫してしまった「D'STATION KeePer SC430」ここまで起こったトラブルの原因をひとつひとつ潰し、スタッフ、マシン、ドライバーと全てにおいて完璧な状態で挑む今回の大会。

「最低でも表彰台!」という強い思いのもと、まずは土曜日朝の公式練習に向けマシンをセットアップ!夏の風物詩ともなってるチェッカー後の花火を自分達のものに出来るか?勝負の週末が始まった。

公式練習
8月20日(土) 9:55~ 11:40
 まずは最初の公式タイムスケジュールとなるフリー走行。マシンの状態は前戦SUGOから良い状態であり、それをベースに鈴鹿用へとセットチェンジしたマシンでまずは脇阪がコースイン。数周走ってはピットインするという流れで足回りを中心にマシンを仕上げセッション30分程走行した所で全体の5番手のタイムを記録。

 その後も引き続きベストな状況を探る走行を続け、残り30分程となった所で今度はクートへとドライバーチェンジ。まずはユーズドタイヤのままマシンの状態を確認し、その後ニュータイヤへとタイヤチェンジ。

 ノックダウン方式の予選となる為、クートも予選を想定したアタックシュミレーションを行い、まずまずのタイムを記録した所でセッションを終了。結果は引っ掛りながらも総合5番手と予選に向け手応えのある内容となった。

公式練習
8月20日(土) 9:55~ 11:40
公式予選12:55~16:20
ノックアウト方式
 迎えた公式予選。今回は久しぶりのノックアウト方式による予選。まずはQ1、混走セッションでクートが予選基準タイムをクリアし、続くクラス別の走行時間帯で脇阪がタイムアタック!Q2進出を確実にする為、慎重にタイヤへ熱を入れ迎えた計測ラップ、1'54.537を記録して7番手へと付けまずは難なくQ1をクリア!続くQ2の担当はクート選手、さあこのままタイムアップして・・・と思った矢先。

 Q1はなんとか曇り空で踏ん張っていた鈴鹿の空だったが、Q2開始直前に降り始めた雨により路面は完全なウェットコンディションに!ここ数戦、ウェットとなれば圧倒的な速さを発揮するミシュラン勢やウェイトハンデを背負っているシリーズ上位のマシンに取ってはハンデが消える恵みの雨となるのか?

 逆に今年、SC+BS勢にとってこのレインコンディションは何故か辛く・・・・Q3進出へ向け大きなハードルとなりそうな空模様となったが、それでもQ2を担当するクートは果敢にコースイン!

 コースコンディションを確認しつつアタックラップへ突入すると毎ラップベストを更新しつつタイムアップを図るが・・・・10分間の走行をフルに走り終えた所で惜しくも総合10番手となり、残念ながらQ3への進出は叶わなかった。セパン戦を除きここまで全てのレースの予選が雨という不運が続いているが、マシンのポテンシャルは確実に進化をしており・・・シリーズ最長となる長丁場の決勝で、巻き返しに期待が掛かる予選となった。

フリー走行
8月21日(日) 10:00~10:45
 迎えた決勝日の朝。直前のサポートレースが赤旗中断となる位のいわゆるゲリラ豪雨に見舞われた鈴鹿サーキット。セッション開始ディレイも懸念されたがなんとかON TIMEで始まったフリー走行。決勝に向けたレインタイヤの皮むきを行う為、まずは脇阪よりコースイン。ゆっくりと周回し、ストレート1本通過してピットへ戻り、タイヤとドライバーをチェンジして再びピットアウト。

 以後同様な流れでレインタイヤ4セットの皮むきを行い、最後はクートが浅溝でチェックラップ!終わってみれば総合6番手とまずまずのタイムを記録してセッションを終了した。

決勝レース(87Laps) 15:00 スタート
「真夏の祭典」というにはあまりにも残念な天候のもと、伝統のレースPokkaGTがスタートの時刻を迎えた。東日本大震災復興支援大会と位置付けられた今回は、レース距離を500kmに短縮、スタート時刻も午後15時となり、これまでの鈴鹿とは若干雰囲気が違うが、距離は縮まったものの・・・・・シリーズ最長である事に変わりはなく、GTレースの中で最も耐久レース色の強い今回、チームは伝統的にこの鈴鹿を得意としており・・・天候から荒れたレース展開も想像出来るがその混乱をいかに乗り切り上位につけるかが鍵。

 ここまで4戦、すっきりとしない結果に悩まされている「D'STATION KeePerSC430」は、定刻の15時、500km先の表彰台を目指し10番手からスタート!今回、GTレースでは7年振りとなるスタートを努めるのは脇阪。直前までポツポツと路面を濡らす雨で各車タイヤチョイスを悩む中・・・「D'STATION KeePer SC430」はスタート後に雨脚が強くなると予想して、深溝のレインタイヤをチョイス!雨のスタートとなった割には各車慎重にスタートを決め、1台の混乱も無く全車1コーナーをクリア、長い隊列のまま西コースへと消えて行く。

 朝のフリー走行でも調子の良かった脇阪は1周目のシケインで前を行く#6を抜き1周目のストレート前を9位で通過!その後2周目からは、5位から9位の脇阪までがテールtoノーズの状態となり、難しい路面コンディションの中熱い戦いとなるが、8周目に#100がコースアウトして8位へ上がると、続く9周目には#17をかわし7位と徐々にポジションをアップ!相変わらず好タイムで脇阪は周回を重ねるが、18周を過ぎたあたりからペースの上がらない車両が発生し、早めのタイヤ交換に入るマシンが・・・これにより脇阪は21周目に6位、27周目には5位、29周目には3位、32周目にはついに2位と着実に順位を上げ、更に好タイムで周回を重ねる展開。

 元々、ファーストスティントを長めに設定していた「D'STATION KeePerSC430」は予定通りの32周目、ルーティンのピットストップを行い、給油とタイヤ交換、クートへとドライバーをチェンジ。全車のピットストップが落ち着いた所でクートの順位は10位、この頃から再び雨脚が強くなり、早めのタイヤ交換で浅溝タイヤをチョイスした車両はコントロールが難しくなり・・・ついに42周目、ゼッケン100番が大きくコースアウト&クラッシュ!幸いドライバーは無事であったが、マシンがスポンジバリアの上に乗ってしまっており、車両の撤去の為にセーフティーカーが導入!

 44周目、一旦ストレート上にマシンが止められ300クラスと500クラスのマシンに分けSCランを開始、迎えた47周目隊列がきれいに整った所でレースはリスタート前後のマシンとの間隔が詰まり、緊張する展開となるがクートは落ち着いてドライブを続けポジションをキープ。その後もクートは安定したタイムを刻み55周目に他車のピットインにより9位、続く56周目に7位、60周目には4位と着実にポジションアップ!

 この頃になると早めに1回目のピットストップを行ったチームのルーティンのストップも始まり、2スティント目も長めに引っ張る作戦の「D'STATION KeePerSC430」は着実に順位を上げ、62周目にはついに2位へと浮上!1回目のピットストップで長めの給油を終えている事から、2回目では残りのレース距離も短くなる関係で、給油は短めに終わらせる事が出来、そのロスタイム分の順位を上げられる計算。

 そして迎えた65周目、いよいよ最後のスティントを脇阪へと託す事となるが・・・ここでのタイヤチョイスが非常に微妙?「D'STATION KeePer SC430」より早めにピットストップを行った車両はこの後雨は上がる方向と読んでスリックタイヤをチョイスした車両も多い、スリックを履いた車両のラップタイムもこの時点では非常に微妙であり、絶対的なアドバンテージでは無い様子。

 ゴールまで晴れと読んでスリックをチョイスすべきか・・・再び雨が強くなるとよんで浅溝タイヤをチョイスすべきか・・・実はクートがピットロードに入って来たタイミングではスリックタイヤが用意されていたのだが、直前に雨が路面をたたき出し、チームは急遽浅溝タイヤをチョイス!

 クルーは慌てる事無く浅溝タイヤへのタイヤ交換と少ない量の給油を行い、脇阪をコースへと送り出す。全車ピットストップを終えたタイミングの66周目、「D'STATION KeePer SC430」のポジションは6位、狙い通りの好位置でコースへと戻った脇阪はベストラップを更新する走りで表彰台圏内を目指す展開。

 続く67周目には早くも前車を捉え5位へと順位を上げ、更に上を目指すが・・・・なんと、この頃ストレートでは完全に雨が上がり、徐々に走行ラインが乾いて行く方向となり、早めにスリックで出て行ったマシンのタイムがジワジワと上昇。特にこのコンディションの路面を得意とするミシュランタイヤユーザーの#46と#39が他車を5秒以上も上回るタイムを連発し猛迫!これには脇阪もたまらず順位を明け渡す事となり、68周目には7位へとポジションダウン。

 しかしながら脇阪も浅溝タイヤでスリックに迫る鬼神の走りで70周を超える頃から#23や#32、#6と熾烈なバトルを繰り返し、79周目には一旦8位へとポジションを下げるが・・・ここでやっとチームの読みが当たったのか?西コース方面で再び雨脚が強くなり始め、スリックタイヤ勢がペースダウン!脇阪はこの間隙を突きついに85周目、#6を追撃し再び7位へとポジションアップ!さらになベースの落ちている#36に襲いかからんばかりに猛追するが・・・

 惜しくも時間ルールの適用となり、迎えた18時30分、トップを行く#1がチェッカーフラッグを受け「D'STATION KeePer SC430」も7位でレースを終える事となった。最後のスティントをスリックで行っていたら・・・という思いもあるが、今回の作戦はほぼ当たっており、久しぶりに「戦うレース」が出来たレースとなった。

チーム監督飯田章
もうちょっと上でゴール出来るハズだったのですが・・少しだけお天気の神様に意地悪されちゃいました。今回は走り始めからマシンの感じも悪くなく、メカニックを始めとするチームの体制強化も成果が出始めた感じで・・・ここまでの悪い流れは今回で断ち切る事が出来たと思います。結果は7位でしたが、チームとして得る物が大きかった7位と言えると思います。ポイントも取れて若干ウェイトは増えますが・・・まだチャンスはあると思うので次の富士も取りに行きたいと思います。

脇阪寿一
うーん、たらればでタイヤチョイスとか言い出したら切りがないですがある程度はまとまったレースが出来たと思います。今年は今日みたいなコンディション下でSC+BSの組み合わせがしっくり来てなくて・・・そういう中での7番手は良かったのでは無いかと思います。ポイントは取れましたし、まだマシンも軽い方なので次こそはと思うのですが・・・・・まだまだ難しい問題もあります。チーム力は確実に上がってますので、あとはブリヂストンの底力を信じて次の富士も頑張りたいと思います。次・・次・・・次・・・と言い過ぎてますが・・着実に頑張って行きます。

Andre Couto (アンドレ・クート)
今日は大変難しいコンディションの中でのレースでしたが・・・チームの積極的な作戦とタイヤマネージメントが功を奏し、ポイント圏内である7位が獲得出来たのはとても良かったと思います。また、今回はマシンのトラブルも無く、ピットストップも全く問題無しでチーム全体のレベルも相当高くなっていると思います。このままの勢いで次の富士は勝ちに行きたいと思います。


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